16/12/07
【投資女子の道】第12話 「『売買ルール』をきちんと決めよう」
OLの神崎美穂(37)と山口玲奈(33)は、株式投資のスクールに通っています。
今回のテーマは「売買ルール」。講師は、株王子の川本です。うっとりと講義を聴いている美穂ですが……。
売るタイミングを事前に決めよう
川本「株取引を始める前に、売るタイミングを決めておく必要があります。その前に、株を売るタイミングは、どういう時だと思いますか? 神崎美穂さん」
美穂「はい。株を買った価格より、株価が上がって利益が出た時です」
川本「そうですね。実はもう一つありますが、それは何でしょう?」
美穂「?」
玲奈「はい。わかりました!損した時です」
川本「その通り。よく分かりましたね」
玲奈「だって見込み違いのダメ男なら、切って次に行かないと」
川本「(笑う) 確かに株式投資は恋愛に似ていると言われています。売るタイミングは、イメージ通り株価が上がって利益が出た場合と、下がって損をした場合の二つがあります」
「売買ルール」を決めてきちんと実行しよう
川本「利益が出るとすぐに売りたくなり、損が出るといつまでもズルズルと持ってしまい、さらに損失が広がってしまうのが人間の心理です。ですから、取引を行う前に売買ルールを決めておく必要があります」
美穂「売買ルール?」
川本「例えば、資生堂を2700円で買う場合、株価のイメージ(理論価格)の3000円まで株価が上がれば利益確定する、2500円まで下がったら売る、と売るタイミングを取引前に決めておくことが大切です。こうすることによって、株価が上がれば利益を確実に手にできますし、下がれば損失を確定することができます」
美穂「なるほど」
川本「特に初心者は、損をしたら売る(ロスカット)というのが上手くできません。しかし、保有株が下がった場合、いつかは戻るだろうとズルズルと保有していると、損失が広がり、売るに売れず、これを「塩漬け株」といいます、抱えてしまうことになります。そうなると戻るのに何年もかかる可能性もあります。売買ルールをきちんと決めて処分すれば、その資金で新たなチャンスに投資することができます」
美穂「買った価格より何%下がったら売る、とか決めた方がいいのですか?」
川本「そうですね。美穂さんのおっしゃる通り、何%下がったら売る、とルールと決めておくと感情に流されず素早く取引ができます。そして銘柄ごとに決めても良いでしょう。ただ初心者の場合は、損する金額で決めておくことをお勧めします。
例えば、2万円までしか損したくない、と思えば、先の資生堂の場合は、株価2700円×100株=27万円、から2万円を引いた、25万円÷100株=株価2500円になったら売る、と決めておきます。発注方法で逆指値(指定した価格より株価が安くなったら『売り』、という発注方法)というのがありますので、売り注文を指定しておくのも良い方法です」
玲奈「なるほど、ダメ男とは、ズルズル付き合わず強い意志で損切りをする、というのが鉄則なんですね。ね、先輩」
美穂「(目がハートで) 株王子に、『美穂さん』って言われた!」
玲奈「(ため息をつき) 今の先輩には、何を言っても無駄か…。我ながら株式投資を恋愛にうまく例えられているのにな〜」
(続く)
*本記事で紹介する個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。購入する場合は自己責任でお願い致します。
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【投資女子への道】の連載記事
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・第10話「株式投資のバイブル『会社四季報』を使いこなそう」
・第11話「株価チャートの見方をマスターしよう」
・第12話「『売買ルール』をきちんと決めよう」
・第13話「投資女子への道に必読!株式投資本5選」
・第14話「みんなどこで株式投資の情報収集をしているの?」
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岡田 禎子 「投資は面白い」がモットーなFP日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP)
証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴しさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう、執筆とセミナーなどで活動中。
TVドラマ「インベスターZ」の脚本協力なども行なっています。
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