19/02/02
お金が貯まる人、貯まらない人の決定的な違い3選
新しい年を迎えるころ、「今年こそはお金を貯めたい」と、ファイナンシャルプランナー(FP)である筆者のもとを訪れる方が毎年少なからずいらっしゃいます。しかし、相談を受けた結果はまちまち。実際にお金が貯まるようになった人もいれば、相変わらず家計が苦しいままの人もいます。同じようにFPの個別相談を受けているのにも関わらず、です。
筆者は、お金が貯まる人、貯まらない人の間に、3つの決定的な違いがあると考えています。
決定的な違い1:お金が貯まる人は、スパっと決めてすぐ行動に移している
FPの個別相談では何が問題なのかを見つけ出し、クライアントと一緒に問題解決の糸口を探します。例えば、お金が貯まらないのは「必要以上にお金を使い過ぎている」ことが問題なのか、あるいは「工夫することでお金が貯まることに気づいていない」だけなのか、といったことを洗い出します。
そうしてお金が貯まらないワケを見つけた後が分かれ道。
お金が貯まる人は、いくつかの解決策から「どうするか」をスパっと決めてどんどん行動に移しています。住宅ローンの金利を下げる工夫をお伝えすると、翌週には銀行に出向き交渉をする、といった具合です。一方で、お金が貯まらない人は何らかの理由をつけて動こうとしません。
交渉をしたことで金利が下がり毎月の支払額が減少すれば、相談料を払ってもFPに相談した価値はあります。でも、面倒だと思ってしまったら…。相談料はムダな出費になり、ますます家計が苦しくなるだけです。相談しただけで満足せず、自分なりに行動を起こすことが、お金を貯める第一歩といえるでしょう。
決定的な違い2:お金が貯まる人は、自分で創意工夫をしている
お金が貯まる人は解決策を実行に移すだけにとどまらず、その先どうするかを考えている人が多いように感じます。例えば、住宅ローンの金利が下がって支払いが減った人は、その金額をいかに増やすかを考えていました。
「だって、そのまま何もしなければ、知らぬ間に使ってしまうでしょ?」と金融機関に足を運んで話を聞いたり、インターネットで情報を集めたり。いくつか興味のあることをピックアップし、自分にあった方法はどれかを聞こうと筆者のもとを訪ねてきました。
反対に、お金が貯まらない人はそもそも行動すらしていないのですから、創意工夫をする余地がありません。それどころか、FPが決して勧めないようなハイリスクな運用を始めてしまうことも…。これではやはり、お金は貯まっていかないでしょう。
お金の置き場所を考えることは、お金が貯まる人になるための大切な秘訣のひとつです。しかし、まずは基本を忠実に守ってこそ。そのうえで、お金を使う時期や目的に沿って、何が良いか検討しましょう。
決定的な違い3:お金が貯まる人は、継続できる仕組みを作っている
お金が貯まる人は、継続的に貯蓄ができる仕組みを考えて、取り入れています。
FP相談を受けた後しばらくは「今年こそお金を貯める!」と頑張っても、時間がたつにつれ忙しさから続けられなくなる…ということを見越しての取り組みです。
お金が貯まる人は、口座から自動引き落としで積立預金をしたり、「つみたてNISA(積立NISA)」や「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」を活用して投資をしたりと、強制的に先取り貯蓄するルールを作っています。そのうえで、残りは自由に使っています。そうすることで、お金をあるだけ使ってしまっても後悔することがなく、またお金の管理に時間をかけない暮らしができるようになったようです。
一方でお金が貯まらない人は、言い訳ばかりが目立ちます。
夏休みを利用してイタリア旅行を計画しているA子さん。大学の卒業旅行以来の海外旅行だからと張り切って貯蓄を始めました。でも次第に「新年会があるから今月は仕方ない」と月3万円の貯蓄額が1万円になったり、「忙しくて銀行に行く暇はなさそうだ」など理由をつけてパスしたり…。せっかく貯蓄を始めていたのに、たった3ヶ月で「貯蓄ができない人」に逆戻りしてしまいました。
長年の生活スタイルを変えることは難しいもの。気持ちに左右されないような仕組みを作ることも、お金を自然に貯めるための秘訣です。
お金が貯まらない人の考え方をしていませんでしたか? 心当たりのある方は、お金が貯まる人の考え方を実践し、今年こそ「お金が貯まらない」家計から卒業しましょう。
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辻本 由香 おふたりさまの暮らしとお金プランナー
企業の会計や大手金融機関での営業など、お金に関する仕事に約30年従事。27歳で阪神大震災、43歳で乳がんを発症した経験から、備えることの大切さを伝える活動を始める。現在は奈良で独立系のFP事務所を開業。セミナーを主としながら、子どものいないご夫婦(DINKS・事実婚)やシングルの方の相談業務、執筆も行っている。著書『がんを生きぬくお金と仕事の相談室』(河出書房新社)。
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