18/11/05
年齢不問!独身一人暮らしは「エンディングノート」を欠かしてはいけない
終活の代名詞、「エンディングノート」。
終活は祖父母や親がするもので、若い世代は関係ないと思っていらっしゃる人がほとんどでしょう。しかし、実はこのエンディングノートは自分のことを整理するのにもとても役立つのです。
更に、家族間同士のコミュニケーションツールにもなり得ます。
今回は家族関の距離感を縮めるのに役立つエンディングノートについてご紹介したいと思います。
そもそもエンディングノートとは?
2011年に「エンディングノート」という映画が公開されました。この映画は末期がんを宣告された営業マンが、残された時間を楽しむと同時に、家族に迷惑をかけないためにエンディングノートを書くというものでした。これを機にエンディングノートの普及が急速に広がってきました。
エンディングノートは書店などでいろいろなものが販売されています。もちろん発売元によって内容には多少ばらつきはありますが、おおむね以下のようなことを記入するノートとなっています。
① これまでの人生の振り返り
② これからの夢や予定
③ 家系図
④ 所属団体や習い事
⑤ 身の回りでお世話になっている人
⑥ 持病や薬
⑦ 金融資産の預入先や
⑧ 借入金やクレジットカード
⑨ 保険加入の保険会社や内容
⑩ 所有の不動産
⑪ 介護時の希望
⑫ 告知や延命治療の希望
⑬ 葬式の希望
⑭ 埋葬の希望
一般的にエンディングノートというと、自分の死への準備のためのノートとして捉えられているようです。確かに、⑪から⑭は人生のエンディングに結びつくのがわかります。
しかし、①から⑩までは、年齢に関係なく自分自身にとってもまとめておいた方が良いものだと思います。
エンディングノートは、自分の現状を棚卸しするのに最適なツールといえます。
意外と知らない家族のこと
家族間で、それぞれがどのくらい資産を持っているか、加入している保険はどんなものなのか、保険の受取人がだれなのか、どんな交友関係があるのか、わかっていますか?
夫婦間はわかっていても、親子間ではわからない、ということは結構あるのではないでしょうか? 別居であればなおさらです。
こうなると、いざという時に家族でもわからない、対処できないということが起きます。
最近あった話をご紹介しましょう。
一人暮らしの40代男性が急に脳梗塞を起こし入院しました。頭はしっかりしていましたが、のどに支障をきたし言葉をうまく発せない、右手も思うように動かず書くこともままならないという事態が起きました。
そこで困ってしまったのはお母さまです。男性の転勤でお互い遠く離れて暮らしていたため、資産状況、加入している保険など何もわからなかったのです。
加えて話せない、書けないのでコミュニケーションがうまく取れず、お母さまは不安を募らせるばかりでした。
エンディングノートはコミュニケーションツール
こんな時、エンディングノートがあったらどうでしょう?
普段は仕事で忙しく、なかなかコミュニケーションが取れない親子間を一気に埋めてくれる役割を果たしてくれるのです。
エンディングノートを見れば、その人の現状が一目瞭然だからです。
このように、エンディングノートは単に、終末期に必要なノートということだけではなく、コミュニケーションにも大変有効ということになります。
年齢関係なく、特に一人暮らしの人には活用してもらいたいものです。
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廣木 智代 ファイナンシャルプランナー(CFP)
結婚後、家業のスナックで手伝いをしていたが母の引退と共に廃業。家計の苦しさを埋めるための我が家の保険の見直しをきっかけに、お金に賢くなるお手伝いをするべくCFP資格を取得。心と体とお金の健康バランスを軸に、個別相談、セミナー、執筆を展開中。最近はラジオCRT栃木放送にて「賢くなる座談会」を放送中。FP Cafe登録パートナー
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