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24/02/12

相続・税金・年金

【知らないと大損】年金生活者の医療費控除「10万円」超えてなくても還付される

【知らないと大損】年金生活者の医療費控除「10万円」超えてなくても還付される

1年間にかかった医療費が「一定額」を超えると、その超えた分を所得から控除ができて、税金の軽減につながることをご存知の人は多いかもしれません。では、その「一定額」とはいくらなのでしょうか。現役時代に医療費控除に係る確定申告をした経験がある人の中には「10万円」と誤解している人も多いようです。そこで今回は、年金暮らしを送るシニア層や、その家族が知っておきたい医療費控除のポイントを、事例も交えながら解説します。

医療費控除の3つのポイント

医療費控除は、次の計算式で算出されます。

●医療費控除の金額

医療費控除の金額(上限200万円)=①-②-③
①1年間(1月1日~12月31日)に支払った医療費の合計額
②保険金などで補てんされる金額
③10万円(総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%)

それでは、①から③、それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。

医療費控除のポイント①:対象となる医療費の範囲は広い

医療費控除は、1月1日から12月31日までの1年間に実際に支払った医療費の合計額が対象です。2023年末時点で未払いだった医療費を2024年に支払った場合、2023年の医療費控除の対象とはなりませんが、現実に支払った2024年の医療費控除の対象にすることができます。

●生計をともにする家族や親族のために支払った医療費も対象

医療費控除は、納税者本人のみならず「生計を一にする」配偶者やその他親族のために支払った医療費も対象です。「生計を一にする」とは、同居の有無を問うものではありません。別居をしていても療養費等の送金が行われていれば、「生計を一にする」ものとして取り扱われるため、家計の実態に合わせた税金の軽減効果が期待できます。

●入れ歯や補聴器の購入費用も医療費控除の対象

医療費控除の対象となる医療費は、国税庁や地方自治体のウェブサイトでも案内されています。診療や治療などのために直接必要な入れ歯や補聴器の購入費用など、若い頃にはあまり発生しないようなものも多く含まれているので、まずは該当しそうな支出がないかを確認してみるとよいでしょう。なお、一般的な水準を著しく超える支出については、超えない部分の金額までが対象です。

【医療費控除として原則認められるものの例】
・治療費
・リハビリ費用
・入院に伴う部屋代や食事代
・治療のために必要な身の回り品
・治療に必要な差額ベッド代
・虫歯の治療費
・入れ歯などの費用
・(治療行為としての)歯列矯正費用
・風邪をひいた場合の風邪薬
・治療のためのマッサージや鍼灸
・分娩費用
・助産師による分娩介助の対価
・通院に係る交通費(タクシー代は公共交通機関の利用が困難な場合に限る)
・診療や治療に必要なもの(義手・義足・松葉づえ・義歯や補聴器等)の購入費用
・白内障等の治療に必要な眼鏡の購入費用(要処方箋)
・寝たきり状態の人のおむつ代(要証明書)
・温泉療養認定施設の費用(要証明書)
・医療と連携して行われた介護保険サービスを利用した場合の自己負担額

【医療費控除として原則認められないものの例】
・入院中の出前による食事代
・希望による差額ベッド代
・親族に支払う看護料
・健康診断の費用
・美容整形の費用
・美容のための歯列矯正費
・医師等に対する謝礼金
・ビタミン剤など病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品
・インフルエンザなどの予防接種費用
・感染予防のマスク
・疲労回復のためのマッサージや鍼灸
・分娩講座等の受講料
・自家用車のガソリン代や駐車料金

●「セルフメディケーション税制」との併用はできない

「セルフメディケーション税制」という言葉を聞いたことがある、もしくは、医薬品のパッケージで下のマークを見たことがある人も多いかもしれません。

<セルフメディケーション税制 共通識別マーク>

国税庁「タックスアンサーNo.1129 セルフメディケーション税制」より

セルフメディケーション税制は、健康の保持増進および疾病への予防に取り組んでいる人が受けられる医療費控除の特例です。通常の医療費控除との選択適用にはなりますが、納税者本人または生計を一にする配偶者やその他親族のために、「特定一般用医薬品等購入費」を支払った場合、その合計額(保険金などで補てんされる部分は除く)から12,000円を差し引いた金額(上限88,000円)を所得から控除することができます。

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医療費控除のポイント②:差し引きは補てんの対象となる医療費ごと

医療費控除の2つ目のポイントは、保険金などの有無です。支払った医療費を補てんする保険金などの金額は、医療費控除の計算において、差し引く必要があります。

●「保険金などで補てんされる金額」の例

・医療費の補てんを目的として支払を受ける医療保険金や入院費給付金、傷害費用保険金
・健康保険法の規定により支給を受ける療養費や出産育児一時金、家族出産育児一時金、家族療養費、高額療養費、高額介護合算療養費
・医療費の補てんを目的として支払を受ける損害賠償金
・任意の互助組織から医療費の補てんを目的として支払を受ける給付金

国税庁「令和5年分 確定申告書作成コーナー よくある質問」より

補てんされる金額の差し引きは、支払った医療費ごとです。保険金の額が支払った医療費の金額を上回っても、その引ききれない金額を他の医療費から差し引くようなことはありません。

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医療費控除のポイント③:総所得金額等がいくらかを確認

通常は、実際に支払った医療費の合計額から保険金などを差し引いた金額(差引金額)が「10万円」を超えていると医療費控除の対象になりますが、総所得金額等が200万円未満の人は、「総所得金額等の5%」にハードルが下がります。

年金収入には、年齢や年金以外の所得金額、年金受給額に応じた「公的年金等控除」が適用される形で、その所得金額が抑えられています。例えば、70歳で、公的年金等の収入額が250万円、それ以外の所得がない人の総所得金額は、140万円(250万円-110万円)です。総所得金額等が200万円を下回っているため、医療費控除が受けられるかの目安は、10万円ではなく7万円(140万円×5%)となります。

<公的年金等に係る雑所得の速算表(2020年分以後)>

国税庁「タックスアンサーNo.1600 公的年金等の課税関係」より

2022年度の平均年金月額(基礎年金+厚生年金)が143,973円であることからも分かるように、年金暮らしで総所得金額等が200万円を超えている人は、あまり多くないはずです。したがって、支出した医療費の額が10万円を超えていなくても医療費控除の適用を受けられるかもしれないこのルールは、年金暮らしを送るシニア層だからこそ知っておく必要があります。

3つのケースで税金の軽減効果をチェック

医療費控除の3つのポイントが分かったところで、実際に税金の軽減効果があるかどうかを3つの計算例で見ていきましょう。年金収入の金額やその他の所得金額、年齢や配偶者の有無などによって結果は大きく異なるはずです。

●ケース1:平均的な年金収入の「配偶者あり」世帯

65歳以上の公的年金等控除額の最低額は110万円ですが、基礎控除(48万円)もあるため、年金受給額が158万円以下の場合、そもそも所得税は発生しません。それでは、所得の多い夫の方で医療費控除を受けることはできるのでしょうか。

【前提条件】
・年齢:   納税者本人(夫)70歳、配偶者(妻)70歳
・年金受給額:納税者本人193万円、妻92万円
       ※「2017年老齢年金受給者実態調査」の水準に基づく。
       ※その他に所得はないものとする。
・社会保険料:10万円(年間)
・年間医療費:20万円(保険金などの差し引き後)

【計算】
a) 公的年金等に係る雑所得の金額:83万円
193万円-110万円=83万円<200万円
b) 医療費控除の金額:15.85万円
20万円-(83万円×5%)=15.85万円<200万円(上限額)
c) 所得控除の金額:116.85万円
43万円(基礎控除)+48万円(配偶者控除:老人控除対象配偶者)
+10万円(社会保険料控除)+15.85万円(医療費控除)=116.85万円
d) 課税所得の金額:0万円
83万円<116.85万円

このケースでは、基礎控除と配偶者控除(老人控除対象配偶者)の金額だけで所得金額を上回っていることからも分かるように、適用することができない所得控除が発生することになります。

●ケース2:夫の年金収入が平均を上回る「配偶者あり」世帯

それでは、妻の年金額はそのままに、夫の年金額を250万円にするとどうなるでしょうか。

【前提条件】
・年齢:   納税者本人(夫)70歳、配偶者(妻)70歳
・年金受給額:納税者本人250万円、妻92万円
       ※その他に所得はないものとする。
・社会保険料:17万円(年間)
・年間医療費:20万円(保険金などの差し引き後)

【計算】
a) 公的年金等に係る雑所得の金額:140万円
250万円-110万円=140万円<200万円
b) 医療費控除の金額:13万円
20万円-(140万円×5%)=13万円<200万円(上限額)
c) 所得控除の金額:121万円
43万円(基礎控除)+48万円(配偶者控除:老人控除対象配偶者)
+17万円(社会保険料控除)+13万円(医療費控除)=121万円
d) 課税所得の金額:19万円
140万円-121万円=19万円
e) 復興特別所得税を含む所得税額:9,699円
19万円×5.105%=9,699円

所得控除の金額が所得金額を上回っているこのケースでは、夫が確定申告をすることによって、6,636円(13万円×5.105%)税金を軽減することができます。

●ケース3:配偶者なしの単身世帯

次に、税金の軽減効果がなかった1つ目のケースと同じ年金受給額で、配偶者のいない単身世帯ではどうなるのかを見ましょう。配偶者控除(老人控除対象配偶者)の48万円が発生しない点が重要です。

【前提条件】
・年齢:   納税者本人70歳
・年金受給額:納税者本人193万円
       ※その他に所得はないものとする。
・社会保険料:10万円(年間)
・年間医療費:20万円(保険金などの差し引き後)

【計算】
a) 公的年金等に係る雑所得の金額:83万円
193万円-110万円=83万円<200万円
b) 医療費控除の金額:15.85万円
20万円-(83万円×5%)=15.85万円<200万円(上限額)
c) 所得控除の金額:68.85万円
43万円(基礎控除)+10万円(社会保険料控除)+15.85万円(医療費控除)=68.85万円
d) 課税所得の金額:14.1万円
83万円-68.85万円=14.1万円
e) 復興特別所得税を含む所得税額:9,699円
14.1万円×5.105%=7,198円

このケースでも、所得控除の金額が所得金額を上回っており、確定申告をすることによって、8,091円(15.85万円×5.105%)税金を軽減することができます。

ここまで、医療費控除による税金の軽減効果を3つのケースをもとに確認しましたが、年金受給額が平均を上回っている人や、年金以外の所得がある人、配偶者控除などの所得控除額が少ない人は、特に医療費控除のメリットを受けられるかもしれません。そこで最後に、医療費控除の適用を受けるために必要な手続きを確認しましょう。

還付を受けるだけなら申告期限は5年間

医療費控除の適用には確定申告が必要です。所得税の確定申告書を提出すると、追加の手続きなしに住民税にも医療費控除が適用されることになります。なお、確定申告の期間に必ず手続きが必要なのは納税申告がある人です。還付を受けるだけなら、2023年分の医療費控除に係る確定申告書(還付申告書)は、2024年1月1日から2028年12月31日の5年間、いつでも提出ができるので、慌てなくても大丈夫です。しかし、還付申告が遅くなった場合には、住民税には反映されません。別途、市区町村で、「徴収金の過誤納の還付」という手続きを行う必要があります。

まずは、確定申告書に添付する「医療費控除の明細書」の準備から始めましょう。その際、領収書の添付や提示は不要ですが、税務署から領収書の提出や提示が求められる場合があるため、5年間は保存しておかなければならない点には注意してください。

<医療費控除の明細書の様式>

国税庁「医療費控除を受けられる方へ」より

年金暮らしでも医療費控除を上手に活用しよう

今回は、年金暮らしを想定した医療費控除のポイントを、事例も交えて解説しました。医療費控除など所得控除の目的は、最低生活費を課税対象から除外することによって各納税者の事情を考慮し、税金を軽減することにあります。これは、病気やケガなどによって医療機関にかかる機会も増えるシニア層にとっても例外ではありません。

「10万円以上支払っていないから医療費控除は受けられない」と誤解をしていた人をはじめ、まずは2023年に支払った医療費を今一度確認して、必要に応じて確定申告もしくは還付申告を行いましょう。そして、ご両親など、年金暮らしを送る家族がいれば、今回の内容をぜひ教えてあげてください。

神中 智博 ファイナンシャルプランナー(AFP)、1級DCプランナー

1992年宮崎県生まれ。関西学院大学会計大学院を修了後、NTTビジネスアソシエ西日本で、NTT西日本グループの決算や内部統制、DX等の業務に従事。2022年10月に兵庫県で独立系FP事務所ライフホーカーを開業し、現在に至る。NISAやiDeCoを活用した資産形成など、金融系に関する記事をオンラインメディアでも多数執筆。特に、現役世代が今日からできる老後資金対策に力を入れており、「老後不安バスター」として、だれもが老後に向けて自信を持てる社会を目指して奮闘中。
Twitter→https://twitter.com/lifehawker

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