18/07/18
手取り40万円4人家族、子どもの教育費が毎月7万5000円は高い?
家計相談をしていると、いろいろなご家庭の収支を拝見します。お金の使い方は各家庭の考え方によるものなので、どの家庭でもあてはまる正解はありません。
しかし、住居費や教育費などに希望がある場合、現状のままで目標が達成できるかどうかのシミュレーションはできます。その結果、このままで大丈夫かどうかの判断がつくのです。
まずは家計収支の内訳をチェック
今回の相談は、ヨウコさん(36歳)です。千葉県にお住まいで、夫(37歳)、長男(5歳)、長女(3歳)の4人家族。今は夫婦の収入で足りていますが、今のままで将来の教育費が不足しないか心配とのことでした。そこで、まずは現状の確認から始めました。
【収支内訳】
将来の教育費が足りるかどうかが心配
夫婦で手取り40万円の収入があり、今のところ月々の家計に赤字はありません。しかし、このままで将来の教育費が足りるのかどうかが心配とのことでした。
子どもはまだ保育園ですが、ヨウコさんは将来のためにと習い事を積極的にさせています。プール、英会話、音楽教室など、子供が興味を持つことであれば、まずは体験させてあげたいとの気持ちはもっともです。
しかし、教育費にかけられるお金には限りがあることも事実です。今の家計では月7万5000円と、決して少なくない出費をさいています。
幼稚園から大学まですべて公立で約780万円、すべて私立で約2210万円
ヨウコさん夫婦は、小学校は地元の公立に進学させるつもりとのことです。
文部科学省「子供の学習費調査(2016年度)」および「2016年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額の調査結果について」によれば、幼稚園から大学まで、すべて公立なら約780万円、すべて私立なら約2210万円かかります。
四年制大学の学費は国立で約240万円、私立文系で390万円、私立理系で約530万円かかります。
また、大学進学は、入学前にもお金がかかります。受験のための塾や受験料などを併せて100万円ほど見積もっておくと安心です。
入学試験に合格しても、経済的な理由で入学辞退をしなければならない事態は避けましょう。子どもの努力に報いるためにも、親もしっかりした準備が必要です。
大学進学資金は、高校3年生までに準備する
大学進学は、推薦やAO入試など多様になり、高校3年生の秋ごろには初年度納入金をおさめる必要があるケースが少なくありません。そこで高校3年生までには、学費と入学関連費として500万円ほど貯めておくのが理想的。
ヨウコさんの長男は5歳ですから、18歳まで13年間あります。13年間で500万円を貯めるには、単純計算で年38万5000円。1カ月あたり3万2000円です。
長女は18歳まで15年間ですから、同様に計算すると年33万3000円。1カ月あたり2万7000円です。2人分で月5万9000円の貯蓄をしていくとよいでしょう。
現在の家計で貯蓄は月1万2000円。それには、今の教育費は見直す必要があります。習い事などの教育費は、月収の5%を目安に。ヨウコさんの家庭の場合、40万円の5%ですから2万円です。
子どもとよく話し合って、本当にやりたいことに絞ると学習効果も上がるでしょう。
また、保険料も見直す余地があります。ヨウコさんの夫に万一のことがあっても、遺族年金などの公的保障があるため高額すぎる生命保険は無駄。掛け捨てのリーズナブルな生命保険で、月収の3~5%程度に抑えたいですね。
教育資金づくりに適した制度
〇つみたてNISA(積立NISA)
2018年から始まった制度で、年間40万円までの資金で運用した利益については税金がかからないとういメリットがあります。
運用は投資信託で行いますが、すべて金融庁の定めた基準をクリアしたものだけで、手数料が安く、リスクが抑えられた商品になっていますので、投資初心者にも安心して利用できます。
〇ジュニアNISA
子ども名義で利用できるNISA(少額投資非課税制度)で、つみたてNISA(積立NISA)同様に運用益に税金がかかりません。ただし、年間の資金は80万円までです。
払い戻しは、子どもが3月31日時点で18歳となる1月1日から可能です。それまでは原則として払い戻しはできません。払い戻しをした場合は、運用益に遡って課税されますので注意しましょう。
〇学資保険
親の死亡保障と教育資金準備を兼ねた保険。一般的に、子供が15歳や18歳になる満期まで毎月保険料を払い込んで、満期が来たらお金を受取ります。
保険料を払い込んでいる間に、親が死亡した場合には、以後の保険料の支払いは不要で、満期のお金は当初の契約通りの金額が受取れます。
子どもの希望をかなえてやりたいと思うのはまさに親心。だからこそ、資金計画は目先のことにとらわれず、大きな目標に向けてしっかり取り組んでいただきたいと思います。
つみたてNISA(積立NISA)おすすめ金融機関4選
つみたてNISA(積立NISA)スタートにぴったりの金融機関をご紹介します。
● SBI証券
・ほとんどの投資信託を網羅。有力商品を選びやすい
・毎日・毎週・毎月・複数日・隔月の5つの購入タイミングを選べる
・SBIハイブリッド預金を使うと入金・出金がスムーズ
● マネックス証券
・取扱商品が100本以上。100円から購入可能
・チャットによる質問対応、パソコン出張サービスなどサポートが充実
・アプリ・パソコンツールが豊富で使いやすさに定評
● イオン銀行
・イオン内に店舗があるため、買い物ついでに立ち寄れる
・年中無休で夜21時まで営業(一部例外あり)のため、相談しやすい
・「イオン銀行Myステージ」のポイントが貯まり、普通預金金利がアップ
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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