18/05/14
年収900万円夫婦、貯金30万円。3年後に子供を生むならいくら貯金すべき?
FP Cafe「みんなのマネー相談」
今回、FP Cafe「みんなのマネー相談」に投稿された相談は、「3年後に子供を一人持つとすると、どれくらいの貯金をしていくべき?不動産ローンの可能な目安は?」というもの。
ファイナンシャルプランナーの小野みゆきさんと中村芳子さんが、家計分析の上、アドバイスしています。一緒に相談内容を見ていきましょう。
※ FP Cafeとは、あなたの思いに共感し、理想とする人生を実現するまで、共に歩んでくれる「伴走者」が見つかるサービスです。数十名の女性ファイナンシャルプランナーが在籍しています。
▼相談者プロフィール
年齢:夫 30歳、相談者 29歳
職業:夫 正社員、相談者正社員
住居:賃貸(マンション)
貯金:夫 20万円、相談者 10万円
年収:夫 450万円、相談者 450万円
月収:夫 35万円、相談者 30万円
月の支出:20万円
[内訳] 家賃 12万円、光熱費約1万円、食費約6万円、奨学金返済6万円、レジャー費4万円
年に数回旅行、家具の購入など、定期的に大きな出費がある
今回の相談内容(東京都 20代さんからの投稿)
●3年後に子供を希望していますが、貯金目標はどれくらいにすべき?
今まで好きに使ってきた分貯金がほとんどありませんが、これからしっかり貯金をしていこうとしています。
3年後に子供を希望していますが、どれくらいの貯金を目標していくべきなのでしょうか。子供には、教育の幅の自由を持たせてやりたいと考えています。
また、子供を一人持つとして、不動産ローンの可能な目安を教えてください。
東京23区のどこかに中古マンションで良いので、マイホームの購入を希望しています。
なるべく夫婦ともに働き続けていきたいと考えています。
ファイナンシャルプランナー小野みゆきさんのアドバイス
●強制的に貯蓄できる仕組みの活用が必須
こんにちは。「中高年女性のお金のホームドクター」レディゴ社会保険労務士・FP事務所の小野みゆきです。
少し厳しいことを言いますが、一般的な賃貸マンションに二人暮らしで、900万円の年収があって、貯金の合計が5年で30万円というのは、奨学金を返済しているとはいえ、貯金があまりにも少なすぎます。
これからは、確実に貯蓄をしていきましょう。
そのためには、給料から天引きされる、「財形貯蓄制度」「持株制度」などがあれば優先して使いましょう。「自動で」「強制的に」貯蓄できますので、確実にお金が貯まっていきます。
●教育資金:オール公立なら1000万円、私立なら2000万円必要
お子さんを一人希望とのことですが、もし幼稚園から大学まで私立に通わせるとすると、およそ2200万円以上必要といわれています。ずっと公立としても1000万円近くは必要です。
とはいっても、一時的に使うわけではないので、そこまで心配はいりません。お二人が今までどおり働いていけば、十分賄える金額です。
●住宅を購入するかの前に、頭金300万円はまず貯めよう
お二人とも働いていたいとのことなので、今までとおりの収入が続けば、ローンの返済についても心配はありません。
年収900万円世帯なら、金融機関はなるべく多額の資金を貸したいので、もっと借りてくれと言ってくるかもしれません。住宅会社はなおさらです。
お二人の収入からいくと、手取り収入の20%の返済率として、月々10万円の返済です。その場合、35年返済で約3300万円借入れ可能です。返済期間や利率によって金額は変わります。
いまは住宅購入を目指して、頭金300万円を貯めるつもりで、貯蓄の仕組みを作りましょう。お二人の年収であれば、1年から1年半で貯まるはずです。
ファイナンシャルプランナー中村芳子さんのアドバイス
●貯めるべき金額は手取り収入の15%
こんにちは、ファイナンシャルプランナーの中村芳子です。
まず、いくら貯金したらいいか。これを肝に銘じてください。今までは、いくら貯めればいいかわからなかったと思います。
貯めるべき金額は、ずばり、手取り収入の15%です。
お二人とも年収が450万円なので、それぞれ年67.5万円ずつ、計135万円ずつが目標です。奨学金返済中なので楽ではないかもしれませんが、いままで貯めなかった分も取り返すつもりで努力したいところ。
大切なポイントは、この15%貯金は、住宅資金、子どもの大学費用、老後資金など以外に「使ってはいけない」点です。
旅行や、家具の買い替えなどは、ボーナスから出すか、「使うための取り分け」口座に、積み立ててそこから使うようにします。
年間、いくらくらいの「取り分け予算」が必要かは、去年の実績から見積もって、ボーナスからいくら、月々からいくら「取り分ける」と計画を立てて、実行してください。
●15%貯金は自動積立を活用する
そして15%貯金は、かならず自動積立を使って貯めます。小野FPの提案のように「勤務先の財形貯蓄」のほか、銀行の自動積立定期がおすすめです。
ベースの貯金がないので、持ち株制度はまだ早いかもしれません。
15%の自動積立をし、使う為の取り分けを実行し、クレジットカードを原則使わない(または月収の10%以内、一回払いのみ)ことを実行すれば、「あら、不思議」とびっくりするくらい、自然にお金が貯まります。
彼30歳、相談者の方は29歳と若いので、いま貯める習慣をつければ、これからいろいろなことが実現できます。子どもも育てられますし、マンションも手に入れられます。
ただし、マンション購入は急がず、ふたりめの子どもが生まれて上の子が小学校に入るくらいを目安にしてください。15%貯金をすれば、子どもふたりを無理なく大学へ進めることができます。
提供:FP Cafe
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小野 みゆき 中高年女性のお金のホームドクター
社会保険労務士・CFP®・1級DCプランナー
企業で労務、健康・厚生年金保険手続き業務を経験した後、司法書士事務所で不動産・法人・相続登記業務を経験。生命保険・損害保険の代理店と保険会社を経て2014年にレディゴ社会保険労務士・FP事務所を開業。セミナー講師、執筆などを中心に活躍中。
中村 芳子 (有)アルファアンドアソシエイツ代表
日本の女性ファイナンシャルプランナーの第1号。お金の著書20冊以上。むずかしいお金のことをやさしく解説するのが得意。辛口だが優しいアドバイスに定評がある。現在は、女性とカップル、外国人のお金の相談に力を入れている。証券会社、銀行などのアドバイザーもつとめる。著書は「いま、働く女子がやっておくべきお金のこと」(青春出版社)「結婚したら、やっておくべきお金のこと」「20代のいま、やっておくべきお金のこと」(ダイヤモンド社)、「いま、働く女子がやっておくべきお金のこと」(青春出版社)など多数。FP Cafe登録パートナー
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