19/02/12
昨年離婚した38歳会社員女性、息子の学費と住宅購入どちらを優先すればいいのか
FP Cafe「みんなのマネー相談」
今回、FP Cafe「みんなのマネー相談」に投稿された相談は、「昨年離婚しました。息子の学費と住宅購入どちらを優先すればいい?」というもの。
ファイナンシャルプランナーの中村芳子さんがアドバイスしています。一緒に相談内容を見ていきましょう。
※ FP Cafeは、あなたの思いに共感し、理想とする人生を実現するまで、共に歩んでくれる「伴走者」が見つかるサービスです。数十名の女性ファイナンシャルプランナーが在籍しています。
▼相談者プロフィール
年齢:相談者38歳、子ども3歳
住居:賃貸マンション
職業:正社員(事務)
貯金:150万円、子ども名義120万円、持株会120万円
年収:600万円
月収:約26万円(手取り)、養育費2万円→全額貯金
ボーナス:約180万円(年間、手取り)
支出:
[家賃]:9万8000円
[水光熱費]:1万円
[通信費]:5000円
[保険]:1万3000円
[保育園料]:3万円
[奨学金返済]:1万2500円(あと1年)
[食費]:4万円
[日用品]:1万円
[美容・被服費]:1万5000円
[趣味]:3000円
[交通費等]:5000円(駐輪場代や休日の電車バス代)
[レジャー]:10000円(レジャー、交際費、実家に帰る費用など)
今回の相談内容(東京都30代emiさんからの投稿)
昨年離婚したばかりです。
お恥ずかしながら今までほとんど貯金を出来ていません。
しかし、母子家庭ということで私に万が一のことがあっても息子ができるだけ苦労しないで済むように、環境を整えたいと思っています。
▼聞きたいこと
1.子供の学費を貯めるのが先か、住宅購入を目指すのが先か
当初、まずは子供の学費を500万円貯めてしまってから、次に住宅購入資金を貯めようと思っていました。しかし私に万が一のことがあっても息子が苦労しないで済むように…ということや私の年齢を考えると、学費を貯めるより先に住宅購入を目指したほうがいいのでしょうか?
今のところ生命保険としては、一括で500万円払われるものと、年金方式で月10万円×15年間受け取れる保険の2つに入っており、その他に退職金(現時点で約350万円)や持株会も支払われます。
2.もし住宅購入を目指すとすると、購入までに現金はどの程度必要でしょうか?
3.現在は月収では毎月ギリギリか、今は転居したばかりで季節ごとの生活必需品がそろっておらずそれを購入したりすると赤字で、貯金はボーナスからしか出来ていません。正直、今の家計でこれ以上どこを削ればいいのかわからないのですが、何かアドバイスをいただけないでしょうか?
※家賃についてはやや高めだと自覚していますが、都内で職場が近く、子どもに何かあってもすぐに駆け付けられること、母子家庭で子供との時間をできるだけ長く確保したかったこと、離婚前となるべく環境をかえず同じ保育園に通い続けたかったことからやむをえず今の物件にしました。
ファイナンシャルプランナー中村芳子さんのアドバイス
● 年収が高く月2万円の養育費受け取りがあるので、経済面で困らない
Emi さん、こんにちは、ファイナンシャルプランナーの中村芳子です。
いろいろ心配なこともあると思いますが、まず、安心してください。年収が600万円と高く、月2万円の養育費を受け取っているので、経済面で困ることはまずありません。いまは、あまり貯金できていないということですが、新しい暮らしが落ち着くまでは、気にしないようにしましょう。ボーナスから貯金できているなら、毎月から無理をして貯めなくても大丈夫です。
国や地方自治体は、ひとり親家庭をいろいろな形でサポートしているので、これらを上手に使って、お金の面だけでなく、時間や心のゆとりを確保してください。
● こども手当を大学入学費用の貯金に回せば、必要額は貯まる
お子さんの教育費を早く貯めたい、と考えておられますが、当面、子ども手当を大学入学費用のための貯金に回していけば、必要な額は貯まります。あわてて500万円を貯める必要はありません。拝見すると、無駄な支出は見当たりません。生活費を削る必要はないでしょう。4月から、保育料が安くなるので、少しゆとりが出るかもしれません。
● 必要なら、こどもを受取人にした死亡保険500万円程度契約するのも手
「私に万が一のことがあったとき」を心配していらっしゃいます。そのときは、父親(元夫)がお子さんをひきとって育てることになるのではないのでしょうか。まずはそのことを考え、必要な話し合いをしておかれるとよいと思います。その上で、必要と思われるなら、お子さんを受取人にした死亡保険500万円程度を契約しても良いでしょう。ネット系の生命保険なら、保険料は月1000円以下です。
● 住宅購入は生活が落ち着いて、頭金を貯めてから検討を
住宅購入も考えているとのこと。あわてないことです。ふたりの生活が落ち着き、頭金を十分(最低でも600万円)貯めてからです。
● 大きな決断をするときは信頼出来るファイナンシャルプランナーに相談
離婚をすると、お金のこと、生命保険、住宅購入、子どものことなど大切なことを、ひとりで決めなくてはいけなくなり、精神的な負担が大きくなったり、間違った決断をしてしまうことがあります。割高なものを売りつけられたり、詐欺にあうこともあります。
大きな決断をするときは必ず、信頼出来るファイナンシャルプランナーに相談することをお勧めします。今の時点でも、いちど相談なさると、将来の見通しが立って、こころが軽くなるはずです。子どものためにも、まずお母さんが不安から解放され、ハッピーになることが第一です。
ぜひ、お問い合わせください。
提供:FP Cafe
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中村 芳子 (有)アルファアンドアソシエイツ代表
日本の女性ファイナンシャルプランナーの第1号。お金の著書20冊以上。むずかしいお金のことをやさしく解説するのが得意。辛口だが優しいアドバイスに定評がある。現在は、女性とカップル、外国人のお金の相談に力を入れている。証券会社、銀行などのアドバイザーもつとめる。著書は「いま、働く女子がやっておくべきお金のこと」(青春出版社)「結婚したら、やっておくべきお金のこと」「20代のいま、やっておくべきお金のこと」(ダイヤモンド社)、「いま、働く女子がやっておくべきお金のこと」(青春出版社)など多数。FP Cafe登録パートナー
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