220万円の借金で悩む32歳派遣社員。返済の優先順位とすべき手段は？お金のプロがアドバイス

FP Cafe「みんなのマネー相談」

今回、FP Cafe「みんなのマネー相談」に投稿された相談は、「カードローン、奨学金、生活福祉資金を合わせて220万円の借金があります。どのように返済していくのがが良いか」というもの。

ファイナンシャルプランナーの中村芳子さんがアドバイスしています。一緒に相談内容を見ていきましょう。

※ FP Cafeは、あなたの思いに共感し、理想とする人生を実現するまで、共に歩んでくれる「伴走者」が見つかるサービスです。数十名の女性ファイナンシャルプランナーが在籍しています。

▼相談者プロフィール

年齢：32歳
住居：賃貸マンション（一人暮らし）
職業：派遣社員（技術職）
貯金：0円
年収：200万円
月収：約20万円
支出：家賃5.8万円(水道費込み)、電気・ガス代 1万円、携帯・ネット代 8千円、食費約1.5万円、定期代 1.1万円、奨学金返済2.6万円、カードローン返済2万円、生活福祉資金返済5千円、美容・被服費1.5万円
借金残高：奨学金180万円、カードローン120万円、生活福祉資金23万円

今回の相談内容（大阪府30代さんからの投稿）

将来は管理栄養士免許を活かして独立して働きたいと思っています。そのために、借金（特にカードローン）を早く返して、スキルアップや独立のためにもっとお金を使いたいです。

実は今、3つの借金があり、それを並行して返済していますが、一度奨学金の返済を止めて、カードローンと生活福祉資金返済を優先しようと考えています。ただ、これが良いのか悪いのか悩んでいます。3つの借金を賢く返す方法を知りたいです。

家族に迷惑をかけたくないので、実家には戻るつもりはありません。家賃をもう少し抑えたいですが、安全面を考えると不安もあります。
とにかく借金を早く返して、前に進みたいです。これからどうすれば良いのか、お金のプロの方のご意見を伺いたいです。よろしくお願い致します。

ファイナンシャルプランナー中村芳子さんのアドバイス

● 120万円のカードローン。月2万円の返済では年6万円しか借入は減らない

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの中村芳子です。
カードローン120万円のほかに、奨学金、生活福祉資金の借入れがあり「とにかく、借金を早く返して、前に進みたい」ということ。お気持ちはよくわかります。

状況を冷静に見てみましょう。現在、120万円のカードローンを2万円ずつ返済していますが、この方法では年に6万円ほどしか借入残高は減りません。理由としては、返済のほとんどが利息に充てられるからです。１年後の残高は（新規に借り入れなかったとして）114万円ほどです。貯金がないので、カードローンを借り増してしまうリスクがあります。

● 自力で返済できるカードローン金額は、年収の3分の1

現在の手取り年収は200万円。自力で返済できるカードローンの金額は、年収の３分の１または30％までとされています。120万円のカードローンを（ほかの借金はとりあえず無視して）自力で返すためには360万円の収入が必要だということです。週末にバイトをしても、派遣を主として年360万円をすぐに稼ぎだすのは難しいと思います。

● ローン返済ですべき手段は2つ、一番は債務整理

お勧めするのは、次のふたつです。
１）消費者金融センターや法テラスなどの専門家にローン返済について相談する。
２）正社員などの仕事を探し年収をアップする。

ローンについて現実的なのは、たとえば「債務整理」をし、15％の金利をゼロにしてもらい3年ほどで返済してしまう（月々の返済額34000円ほど）などの案です。今の15％の金利では返済しても返済しても借金残高は減りません。

節約などを工夫していますが、借金を返済し終わり、その後借金しない生活を送るには、収入を増やすことが必須です。まずは年収300万円を目ざしましょう。

● 独立の道を探すよりは、収入アップの仕事に就くのが先決

管理栄養士は激務で薄給ということですが、根気強く仕事を探してはいかがでしょう。ウェブサイトで見たところ、年収320〜400万円の求人もあるようです。また、独立して働くには、その業界でキャリアを積んで実績があることが求められます。地方自治体のキャリア相談などの窓口を尋ねてみるといいでしょう。

借りたお金はちゃんと返したい、と考えるのは良いことですが、前進して夢をかなえるために「債務整理」などをすることは、時に必要なことです。借金対策は１日も早く取り組むことが大切。ぜひ、専門の窓口に相談してください。
そして、一歩一歩自分の夢に近づいていきましょう。

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中村芳子 (有)アルファアンドアソシエイツ代表

日本の女性ファイナンシャルプランナーの第1号。お金の著書20冊以上。むずかしいお金のことをやさしく解説するのが得意。辛口だが優しいアドバイスに定評がある。現在は、女性とカップル、外国人のお金の相談に力を入れている。証券会社、銀行などのアドバイザーもつとめる。著書は「いま、働く女子がやっておくべきお金のこと」（青春出版社）「結婚したら、やっておくべきお金のこと」「20代のいま、やっておくべきお金のこと」（ダイヤモンド社）、「いま、働く女子がやっておくべきお金のこと」（青春出版社）など多数。FP Cafe登録パートナー