26/01/29
【知らないと損】失業給付をもらうと社会保険料が発生する「日額3612円の壁」

「在職中は年収130万円を超えて扶養から外れていたけれど、退職したら扶養に入れる!」そう期待している人も多いでしょう。しかし、失業給付の基本手当日額が3612円を超えたため扶養に入れず、社会保険料の負担が発生するケースが見受けられます。退職すれば収入は減るのに、どうして扶養に入れないのでしょうか?それは、失業給付には「日額3612円の壁」があるからです。今回は「日額3612円の壁」について、わかりやすく解説します。
失業給付に存在する「日額3612円の壁」とは?
社会保険に「130万円の壁」があることをご存じの方は多いと思います。年収が130万円を超えると社会保険の扶養から外れて、社会保険料を負担しなければいけなくなります。社会保険の収入基準には失業給付も含みます。ただ、失業給付は日額で支給額を決めるため、社会保険の収入基準は基本手当日額で判定します。
日額3612円はどのように計算した金額なのかは、下記の計算で求められます。
〇年収130万円÷12ヵ月÷30日=3611.111…円
よって、失業給付の基本手当日額が3612円未満の場合、配偶者の扶養に入れますが、日額3612円以上の場合は、年収130万円以上とみなされ収入基準を超えるので、社会保険の扶養から外れることになります。
60歳以上は日額5000円の壁
通常、社会保険は年収130万円以上で扶養から外れますが、60歳以上の場合は収入基準が異なり、年収180万円以上になると社会保険の扶養から外れます。また、60歳を過ぎてから退職して失業給付を受ける場合、収入基準は以下のように求めます。
〇年収180万円÷12ヵ月÷30日=5000円
60歳以上の場合、失業給付の基本手当日額が5000円以上になると、社会保険の扶養から外れることになります。
扶養から外れた場合の注意点
失業給付が日額3612円以上の場合(60歳以上は日額5000円以上)、社会保険の扶養から外れるので、社会保険の切り替え手続きをする必要があります。
60歳未満で基本手当日額3612円を超えるときは、会社を退職後、14日以内に役所で国民健康保険と国民年金へ切り替える手続きをしましょう。60歳以上で基本手当日額5000円を超える場合は役所で国民健康保険の加入手続きを行います。くれぐれも切り替え手続きを忘れないようにしましょう。
また、国民健康保険や国民年金の加入に伴い、社会保険料の負担が発生します。
・60歳未満の場合:国民健康保険料・国民年金保険料
・60歳以上の場合:国民健康保険料
国民健康保険料は前年の所得により算出され、お住まいの地域によっても異なります。たとえば東京都新宿区の概算早見表(2025年度)によると、前年所得が300万円の場合で月2万7615円(40〜64歳以外)・月3万3817円(40〜64歳)となっています。国民年金保険料はみな一律で、2025年度は月1万7510円、2026年度は月1万7920円です。
扶養から外れた場合の負担は大きいので、いくらになるのか確認しておきましょう。
基本手当日額が扶養の範囲内であれば、社会保険料の負担はありません。配偶者の勤め先で社会保険の扶養手続きをしてもらいましょう。
失業給付は非課税所得
60歳未満は基本手当日額3612円以上、60歳以上は5000円以上になると社会保険料の負担が発生します。ただ、ハローワークで受給する失業給付は非課税所得です。そのため失業給付以外に収入がなければ、所得税や住民税の負担はありません。
失業手当にも“壁”があることをお忘れなく
在職中は扶養から外れて働いていても、退職したら収入が減るので扶養に入れるものと考えている人は少なくないでしょう。しかし、退職後に受給する失業給付は、社会保険の収入基準を判定する際に日額で反映されます。そのため、基本手当日額が60歳未満は3612円、60歳以上は5000円以上になると扶養から外れ、社会保険料の負担が発生するので注意が必要です。ただ、失業給付は社会保険の収入基準に含まれますが、非課税所得なので、その他の所得がなければ所得税や住民税の負担は発生しません。
このように、失業給付の基本手当日額によっては社会保険の扶養から外れる場合があることを頭に入れておき、自分の基本手当日額を確認しておくと安心です。また、基本手当日額3612円(60歳以上は5000円以上)を超えるときは国民健康保険料や国民年金保険料(60歳未満の場合)の負担が生じるため、どれくらいの金額を負担することになるのか試算しておくことをおすすめします。
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前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。
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