18/07/27
29歳夫婦・子供2人の家族、貯金700万円。教育資金と老後資金の貯め方は今のままで大丈夫?
FP Cafe「みんなのマネー相談」
今回、FP Cafe「みんなのマネー相談」に投稿された相談は、「教育資金と老後資金の貯め方は今のままで大丈夫?」というもの。
ファイナンシャルプランナーの池田幸代さん、小野みゆきさんがアドバイスしています。一緒に相談内容を見ていきましょう。
※ FP Cafeとは、あなたの思いに共感し、理想とする人生を実現するまで、共に歩んでくれる「伴走者」が見つかるサービスです。数十名の女性ファイナンシャルプランナーが在籍しています。
▼相談者プロフィール
年齢:夫29歳、相談者29歳 長子2歳 第二子0歳
職業:夫 正社員、相談者 正社員(育休中)
住居:賃貸
貯金:700万円
年収:夫27万円、相談者23万円(フルタイム時、現在は育休中のため収入なし)
支出(月):30〜40万円
[内訳] 家賃・光熱費11万円、学資保険1万円、保育料1.5万円、通信費1万円、保険料4千円、家計簿つけていない為その他日用品・食費等で15〜20万円
今回の相談内容(東京都20代 yurianさんからの投稿)
●子どものため、老後のための貯蓄は今のままで大丈夫なのか
子どものため、老後のための貯蓄は今のままで大丈夫なのか知りたいです。
長子の為に18歳時に200万円受け取れる学資保険を組んでいます。第二子(もし設けられたら第三子以降)にも受取金額が同じくらいのものを組む予定です。
子どもは中学までは公立、高校、大学は行きたければ私立(できれば公立)に行ってほしいです。大学の学費、教材費、実家を離れるなら家賃は出してやりたいですが、生活費に関しては本人にバイト等で稼いでほしいと考えています。
子どもの為の貯蓄は学資保険で十分でしょうか?学資保険にプラスして貯蓄すべきならその額はいくらくらいでしょうか?
老後資金に関しては、夫は昨年11月より確定拠出年金を月1万円(会社側で1万円負担なので、実質2万円)積み立てています。私も育休復帰後に月1.5万円積み立てる予定です。
老後はできるだけ子どもの手を借りず過ごしたいと思います。年金制度も老後どうなっているか分かりませんが、現在できる老後資金への備えはこのままで十分でしょうか?
プロフィールに書いた貯蓄額は何かあったときの為、家や車を買う必要が出たときの為と思って銀行口座に入っている額ですが、この中から子どもの為、老後の為に資金を回したほうがいいでしょうか?
ファイナンシャルプランナー池田幸代さんのアドバイス
●「いつ」「何に」「いくら」必要かを知る
こんにちは。ファイナンシャルプランナーの池田幸代です。
子どもさんが小さいうちから、しっかり将来のことをお考えになっていらっしゃいますね。素晴らしいです。将来の夢や希望をかなえるためには、おおまかにどのくらいお金がかかるのかを知ってプランを立てることをおすすめします。
まず教育資金ですが、大学への進学資金をコツコツ貯めながら、幼稚園から高等学校までの教育費は家計の中から支出するのが一般的です。教育資金は、入学の時期がはっきりしているので、計画を立てて貯めていくことができます。
進学については、高校から私立に通ってもいいとお考えですが、高等学校の場合1年間に学校教育費と学校外活動費で公立は約45万円、私立は約104万円の費用がかかります(文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」2017年)。公立と私立では2.3倍もの開きがあります。教育費で生活が苦しくなっては困ります。他の支出のことも考えて、家計のバランスをとる必要があります。
また、大学の費用は初年度1年間では、総務省統計局「小売物価統計調査年報・東京都」(2018年3月)によれば、
国立 授業料538,800円 入学金282,000円 計 約82万円
私立文系 授業料779,906円 入学金 222,715円 計 約100万円
私立理系 授業料1,141,909円 入学金253,461円 計 約140万円
この他に私立の場合は、施設設備費が約20万円かかります。
ご準備予定の教育資金200万円は、ちょうど国立大学の4年分の授業料ですし、私立文系なら2年分の学費にあたります。進路によっては、残りの不足する資金をどう賄うかという問題が出てきます。また学資保険をご検討されていますが、低金利の影響で満期金の受取金額が多くないので、貯蓄重視なら別の商品を視野に入れてもいいでしょう。
●優先順位を決めて貯蓄の目的を考える
預貯金の残高が700万円とのことですが、万が一の場合の資金として給料の半年分くらいを目安に確保しておくと安心です。全部の預金を割り振ってしまうと、病気やケガで費用がかさむときに対応できません。
老後の資金については、一般的には年金以外に3000万円準備できると安心だといわれています。退職金がどれくらいもらえるかで、自分で用意する老後資金は変わってきます。勤務先の会社の規定を確認しましょう。
これから確定拠出年金を増やす予定とのこと。実質月に3万5千円を30年積み立てれば、元本だけで1260万円貯めることができます。もちろん多いに越したことはありませんが、60歳以降でなければ確定拠出年金は引き出しできませんので、注意が必要です。現状では相当額ではないでしょうか。
さらに現在の貯蓄を教育資金に回すかどうかですが、教育資金や住宅資金に対してはローンがありますが、老後資金に関してはローンがありません。できれば老後は子どもたちの手を借りずに過ごしたいと思うのならば、教育費に費用をかけすぎて自分たちの老後の生活資金が準備できないことは避けたいものです。
将来は職場の近くに引っ越しする希望がおありです。引っ越しするにも費用が必要です。また、地方へ移住にも住宅購入が必要になるでしょう。漠然とした希望に優先順位をつけて、貯蓄の目的を明らかにしましょう。
●現状を把握して目標設定する
現在、育児休暇中で収入面が安定していないと思いますが、毎月家計の支出の金額を把握すると、今の自分の現状がわかり、今後の計画が立てやすくなります。もし家計のムダがあれば、改善することで貯蓄や投資に振り分けることもできます。
どんなものにお金を使っているのかを知るために、3ヵ月程度でいいので集計して家計の現状把握をしましょう。お金の使い方を変える絶好のチャンスです。
ファイナンシャルプランナー小野みゆきさんのアドバイス
●老後資金は「確定拠出年金」、教育資金は「学資保険」の棲み分けはOK
yurianさん、こんにちは。
レディゴ社会保険労務士・FP事務所の小野みゆきです。
相談内容を読んで30年前の自分の投稿かと驚きました(笑)
私も2歳違いの子どもがいて、長男に学資保険を18歳満期で200万円すると同時に、二男にも同じ内容で始めました。
また、当時は確定拠出年金がなかったのと、借家に住んでいたのでいつかは住宅購入をと考えていたので、財形住宅を夫の給料から天引きの形でしていました。(住宅購入時に頭金に使って、その後同額を財形年金で積立を始めました。それももうすぐ満期で、老後資金が少しとはいえ確保できている安心感はとても大きいです。)
教育資金ですが、長男は全て公立でしたが下宿、二男は高校と大学は私立で同じく下宿。なので、結果的には200万円では足りませんが、yurianさんが思っておられるように学校の費用と下宿代は親が負担して、生活費はアルバイトと奨学金でということで何とかなりました。でも、もし200万円を用意しておかなかったら、借り入れをするしかなかったし、大学進学を心から後押しできなかったかもしれません。だから、本当に学資保険をしていて良かったと思っています。
なので教育費が200万円でいいかの質問には、それでは足りないという答えになりますが、今の生活も大切に考える必要もあります。
3人の満期金額を変えるわけにもいかないので、となると保険料がおよそ月々3万円になります。それ以上は現実的ではないように思います。
また、確定拠出年金もされているなど、yurianさんは将来をしっかり考えることができる方なので、私は教育資金のことも老後のことも心配しなくていいと感じました。
●20代で700万円の貯蓄は素晴らしいが、家計簿はつけよう
yurianさんの年齢で貯金が700万円あるって、すばらしいです!
家や車を買う予定があるとのことなので、それはそのままでいいのではないでしょうか。
1つだけお願いとしては、池田FPもおっしゃっているように、家計簿をつけてみませんか。育児休暇中、子どもがお昼寝している間にできるぐらいの簡単なざっくりとしたもので十分なので、ぜひ作ってみましょう!
子どもさんの無事な成長と、yurianさんの家計の安心を心から願っています。また、いつでも相談してくださいね!
提供:FP Cafe
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池田 幸代 株式会社ブリエ 代表取締役 本気の家計プロ®
証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不動産賃貸業経営。「お客様の夢と希望とともに」をキャッチフレーズに2016年に会社設立。福岡を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
小野 みゆき 中高年女性のお金のホームドクター
社会保険労務士・CFP®・1級DCプランナー
企業で労務、健康・厚生年金保険手続き業務を経験した後、司法書士事務所で不動産・法人・相続登記業務を経験。生命保険・損害保険の代理店と保険会社を経て2014年にレディゴ社会保険労務士・FP事務所を開業。セミナー講師、執筆などを中心に活躍中。
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