18/06/04
教育資金を貯めるなら、学資保険とつみたてNISA(積立NISA)どちらがいい?
子どもが生まれると考えなければならないのは「子どもの教育資金」です。
今まで、最もメジャーな方法は学資保険ですが、現在は、マイナス金利の影響により、利回りが小さくてほとんど増えないものばかりです。
他に良い方法はないのかということで、ジュニアNISAがありますが、今回は、2018年から始まった「つみたてNISA(積立NISA)」を活用して「子どもの教育資金を貯める」ということを考えてみます。
また、学資保険とつみたてNISA(積立NISA)の比較してみました。
教育資金はいくら必要?
教育資金というと主に大学進学費用というイメージが強いのではないでしょうか。日本学生支援機構の「平成28年度学生生活調査」によると、大学の学費は1年間だけで国立大学64万2500円、公立大学66万1300円、私立大学136万900円がかかるという調査結果が出ています。なお、この結果は平均ですので大学によって、文系理系によって違いがあります。文系の方が理系よりも学費が小さい傾向にあります。
また、地方からの進学の場合は「生活費」もかかるということを念頭に置いておいた方がいいでしょう。筆者の場合は、1ヶ月10万円の仕送り(家賃込)を4年間だったのでそれだけで合計480万円、それに礼金敷金、家具代、引っ越し代などを考えると諸々で500万円は超えています。
学費もそうですが、地方からの進学を考える場合は生活費の方が高くなる可能性もありますので、地方在住の方はそちらも考慮して教育資金を考えてみてください。
学資保険で貯めると、どんな感じ?
学資保険の特徴は、「決められた保険料」を「決められた期間」払い込めば、「決められた利率」で「決められた金額」を確実に受け取れることです。
ある保険会社の学資保険の例です。
契約者:30歳女性(母親) 被保険者:0歳(子ども)
払込期間:15年間(子どもが15歳になるまで)
保険料:15949円(総額2870820円払込)
受取総額:300万円
受取率:104.4%
学資保険最大のメリットは、契約時に「毎月の保険料」、「払込期間」、「受取総額」、「受取率」が全て契約時に決まり、それが確実です。
一方、学資保険のデメリットは、途中で家庭環境や意向、家計のバランスなどが変わった場合でも途中でやめたら基本的に元本割れになることです。家計が苦しくなり、保険料を減らしたいとしても、解約すれば元本割れになります。
また、途中で教育方針が変わり、もっとお金を貯めたいとしても増額することができません。融通が利かないことが最大のデメリットです。利率は確かに大切ですが、それだけを優先して確実だからといって無理をしてしまうと、「最後まで続けられるのか」ということになります。
つみたてNISA(積立NISA)で貯めると、どんな感じ?
つみたてNISA(積立NISA)の特徴として、年間投資上限額は40万円(毎月約3.3万円)、非課税期間は20年間、対象商品は金融庁が選定した投資信託となります。
つみたてNISA(積立NISA)のメリットは、投資信託で運用するので、運用収益が期待できます。その運用収益には、通常約20%の税金が掛かるところ、つみたてNISA(積立NISA)では非課税です。どうしてもお金が必要な時は、投資信託を解約し、現金化することもできます。また、積立金額を減らしたり増やしたり都度変更することができますし、当初は教育資金が目的で積立をしていて、途中で目標が変わった場合や教育資金以外に活用することができるなど、学資保険と比べて融通が利きます。
つみたてNISA(積立NISA)のデメリットは、投資信託ですので、運用成果がどうなるかわからないというのが最大のデメリットです。元本を大きく増やすこともできますが、逆に減らすこともあります。
つみたてNISA(積立NISA)で実際に運用をしてみるとこのような数字になります。例えば、毎月1万5000円を15年間(リターン5%)で積立をした場合は270万円の元本が、400万9334円までお金が成長します。運用収益は約131万円です。
資金の使途は自由!増やしながら貯める「つみたてNISA(積立NISA)」を活用しよう
筆者は「つみたてNISA(積立NISA)」を活用して、お金を育てることを軸に考えていくことをオススメします。NISAの中には「ジュニアNISA」という制度もありますが、ジュニアNISAは年間投資上限額が80万円、非課税期間が5年間、子供が18歳になるまでは原則引き出しできない(引き出すと非課税メリットがなくなる)、金融機関を変更できない(変更すると遡って課税される)といった点もあるので、期間が短い、融通が利かないという面からつみたてNISA(積立NISA)を活用することをオススメします。
つみたてNISA(積立NISA)を活用して投資をする事で、日常生活を送りながら、毎月積立、しかも口座振替で世界へ向けてお金を「旅をさせる」ことができます。
経済情勢などで上がり下がりもありますが、「かわいい子には旅をさせよ」ということわざがあるようにお金も旅をさせると大きく成長する可能性が生まれます。
また、ご自身が「経済」や「お金の流れ」に目を向けることにも繋がり、「まなびの機会」を得る事にもなります。それをお子さんにも伝えていっしょにまなんでいく機会にもなります。
「お金を旅させて成長を促すこと」と「まなびの機会」に両方が期待できるつみたてNISA(積立NISA)を軸に教育資金を貯蓄していくことをオススメします。
つみたてNISA(積立NISA)おすすめ金融機関4選
つみたてNISA(積立NISA)スタートにぴったりの金融機関をご紹介します。
● SBI証券
・ほとんどの投資信託を網羅。有力商品を選びやすい
・毎日・毎週・毎月・複数日・隔月の5つの購入タイミングを選べる
・SBIハイブリッド預金を使うと入金・出金がスムーズ
● マネックス証券
・取扱商品が100本以上。100円から購入可能
・チャットによる質問対応、パソコン出張サービスなどサポートが充実
・アプリ・パソコンツールが豊富で使いやすさに定評
● イオン銀行
・イオン内に店舗があるため、買い物ついでに立ち寄れる
・年中無休で夜21時まで営業(一部例外あり)のため、相談しやすい
・「イオン銀行Myステージ」のポイントが貯まり、普通預金金利がアップ
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大場 脩 ファイナンシャルサポーター
山形をベースに全国で活動するファインシャルプランナー。お金のことはシンプルに前向きに考えるのがモットー。保険、資産運用、各種ローン、家計改善など身近なお金のことが得意。できるだけ専門用語を使わず、わかりやすくお金のことを伝えている。
HP:http://fp-syu.com
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