子供誕生と同時に夫は事業失敗。毎月の赤字家計を改善するには？

FP Cafe「みんなのマネー相談」

今回、FP Cafe「みんなのマネー相談」に投稿された相談は、「子供誕生と同時に夫は事業失敗。教育費確保&住宅購入の余地はありますか？」というもの。

ファイナンシャルプランナーの中村芳子さんが、家計分析の上、アドバイスしています。一緒に相談内容を見ていきましょう。

※ FP Cafeとは、あなたの思いに共感し、理想とする人生を実現するまで、共に歩んでくれる「伴走者」が見つかるサービスです。数十名の女性ファイナンシャルプランナーが在籍しています。

▼相談者プロフィール

年齢：夫 34歳、相談者 25歳、子供 1歳
職業：夫美容師、相談者来月からパート
住居：賃貸（アパート）
貯金：50万円（うち教育資金20万円）
年収：300万円
月収：夫 24万円、相談者 5〜6万円を予定
月の支出：26万円
[内訳] 家賃7万円、光熱費約1.5万円、食費約4万円、保険約2万円、車5.5万円、消耗品（オムツなど）1万円、夫小遣い2万円、通信費2万円、外食費1万円

今回の相談内容（山梨県 20代さんからの投稿）

●毎月赤字家計、どこを見直せば良い？

子供誕生後、夫は事業失敗し地元へ出戻り。給与は半分に、貯金は600万から30万円に。私は引っ越しに伴い仕事を退職。

借金がないのは幸いですが毎月赤字続きで本当に先が見えません。
子供を大学まで出してあげられるか心配です。

今の状況で教育資金を確保しながら、マイホームを検討する余地はありますか？その場合、家計はどう見直していけばよいでしょうか？

外食は出来るだけ控えるようにしていますが夫の休みが月2日程しかなく朝から晩まで私1人で家事育児をしていると参ってしまい夕食を作れない日につい頼ってしまいます。
また、交通手段が車以外ない田舎では、1人1台必須です。

ファイナンシャルプランナー中村芳子さんのアドバイス

●家計見直しの余地があるとすれば「保険料」

今は赤字続きということですが、家計を拝見すると、節約を心がけておられるようです。食費も月4万円とのこと。疲れていて時間がない時、気分転換をしたいときに、外食をするのは生きていくために必要ですよね。

見直しの余地があるとすれば、保険の2万円です。これが生命保険であれば、掛け捨て保険を上手に利用することで、保険料を減らすことができます。ただ、車の保険を合わせての金額なら、減らすのは難しいかもしれません。

現在の赤字は、まゆみさんがアルバイトかパートを始めて、月5万円の収入が入るようになれば解消し、月3万円以上の貯金ができるようになるのではないでしょうか。少なくともパート収入の半分を貯めるように心がけてください。

●支出を減らすのには限界がある。収入を増やす視点を

また、月5、6万円のパートに甘んじないで、収入を増やすにはどうしたらいいか、長い目で考えてみましょう。

お子さんの大学進学は、これから貯めれば、心配することはありません。
まず、児童手当を全額子ども名義で貯めていきましょう。これだけで190万円前後になります。

東京の私立大学（文系）に自宅外から4年間通うのにかかる費用は、学費と生活費を合わせてだいたい1000万円です。貯蓄目標はこの半分。
残り半分は、大学在学中の親の収入や子自身のアルバイト収入からまかなえるからです。月1.5万円を子3歳から18歳まで15年間貯めると270万円、児童手当貯金190万円と合わせて460万円になります。

教育費目的以外の貯金も大切です。ご主人の収入が増えたタイミングで金額を決め、増やし、毎月の貯金を続けて下さい。
数年のうちに、教育費以外に月3万円以上の貯金ができるようになることをめざしましょう。

●住宅購入は教育費確保のあと

マイホームが欲しいということ。前向きで、いいですね。
いますぐは無理なので、教育費以外の貯金が400万円以上できてから、考え始めるのが現実的です。あせらないことが大切です。まだ若いのですから、いくらでも可能性はあります。

ご主人の帰りが遅く、朝から晩までひとりで家事育児をしているとのこと。辛いですね。
地域の子育て支援の場所に出かけ、相談してみましょう。お友達をつくり、助けてもらい、いろいろな情報を集めましょう。

ひとりで頑張っていると、煮詰まってしまい、自分のためにも、子どものためにも、ご主人のためにもよくありません。いろんな人に助けてもらいながら、上手に息抜きをしてください。

いまは大変でも、きっと良くなります。家族一緒の時間が増えますように。

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提供：FP Cafe

日本の女性ファイナンシャルプランナーの第1号。お金の著書20冊以上。むずかしいお金のことをやさしく解説するのが得意。辛口だが優しいアドバイスに定評がある。現在は、女性とカップル、外国人のお金の相談に力を入れている。証券会社、銀行などのアドバイザーもつとめる。著書は「いま、働く女子がやっておくべきお金のこと」（青春出版社）「結婚したら、やっておくべきお金のこと」「20代のいま、やっておくべきお金のこと」（ダイヤモンド社）、「いま、働く女子がやっておくべきお金のこと」（青春出版社）など多数。FP Cafe登録パートナー