18/04/29
50代で貯蓄ゼロの人がすべき3つのこと
人生の後半戦が始まる50代は、節目の時期でもあります。それまでは若さにまかせて無理や無茶をしてきた人も、リタイア後が視野に入ってくると「このままでいいのだろうか」と考え始めます。マネープランもまた同様。
そんな時期に貯蓄ゼロでは、将来が不安です。50代は老後に向けて貯蓄をする最後のチャンスとも言えるでしょう。
「家計の金融行動に関する世論調査」(単身世帯調査、2017年)によれば、一人暮らしの50代で、貯蓄ゼロの割合は43.0%。決して他人事ではない数字です。
そこで、貯蓄ゼロの50代がするべき3つのことについてお伝えします。
(1)支出の見直し:目標は20%のダウンサイジング
現役世代では、子供がいれば教育費が大きな支出になるでしょう。子供がいなければいないなりに出費はかさむものですが、家計が赤字になってもお金なら稼げばいい、と思える時期はそろそろ卒業です。
50代で貯蓄ゼロの人に多い家計のパターンは、「収入=支出」です。あればあるだけ使ってしまうので、お金が貯まらないのです。
では、「収入-支出=余りを貯蓄」が良いのでしょうか。収入から生活費などの支出を使い、余った分を貯蓄にまわす。しかし、このパターンもお金は貯まりません。お金はあれば使ってしまうものです。
望ましい家計は、「収入-貯蓄=残ったお金で支出」です。収入から貯蓄分を差引いて、余った分で生活費の支出をします。この場合、収入を10とすると、貯蓄を2、支出を8の割合にしましょう。
「収入(10)=支出(10)」から、「収入(10)-貯蓄(2)=支出(8)」にするので、支出を20%ダウンサイジングすることになります。将来のために貯蓄を増やし、ゆとりのある老後に備えたいですね。
また、リタイア後、再就職をしても収入は下がることが避けられない場合がほとんどです。年金生活になれば、さらに収入は下がることも考えられます。来るべき日の暮らしに向けて、早めに支出を減らした生活に慣れましょう。
(2)収入の見直し:労働収入アップ+長く続けられる仕事へ
現役世代の時は、本業をしっかり勤めることが王道です。スキルアップをすれば収入もやりがいも増えていきます。その姿勢は保ちながらも、50代になったらリタイア後も続けられる仕事を探しておくとよいでしょう。
仕事の内容は適性にもよるので一概には言えませんが、在宅で出来る仕事は自分のペースで進められるので人気です。パソコンを使ったクラウドワークは、スキルに合わせてさまざまな仕事が紹介されています。
また、医療・介護に関係する仕事も関心が高いジャンルです。介護スタッフは資格がなくてもできますが、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)の資格を取得しておくと就職に有利です。
薬局やドラッグストアで需要のある資格なら、登録販売者があります。第2の薬剤師とも言われる国家資格で、市販薬の約90%を占める第2類と第3類の医薬品販売ができます。受験資格は無く、通信講座で学んで目指せる資格です。
もちろん、資格があるからと言って収入が約束されるわけではありません。せっかく時間とお金をかけるのですから、資格の需要や実用性、取得しやすさを考えてから決めましょう。
長く続けられる仕事があれば、それだけ収入が増え、貯蓄が増えます。老後の安心にもつながります。
(3)お宝探し:身辺整理と収入の一石二鳥を狙う
50代になると、身の回りのモノを減らしていくように考える人が増えます。終活にはまだ早い世代ですが、それでも徐々に減らして身軽になっていくことで、その後の暮らしやすさがアップします。
早いうちに身辺整理をすることのメリットは、身軽になることだけではありません。身の回りに眠るお宝を見つけて、高く売ることができるのは、元気がなくては難しいでしょう。
ブランド物のバッグやアクセサリー、昔集めたマニアックな品物、凝ったインテリアや雑貨など、高く売れるインターネットサイトを探すのも楽しいのではないでしょうか。
特にアクセサリーは、売る先によってかなり値段が変わります。どんなに素敵なデザインだと思っていても、買い取り価格は金やプラチナの地金としての価格しか付かないこともあります。
ただし、転売ルートを持っている業者であれば高値が付くこともあるので、数箇所で査定をすることをオススメします。
そして、売ったお金はしっかり貯蓄にまわすことを忘れずに。
できることから少しずつ始める
50代は老後のために貯蓄ができる最後の時期とも言われます。教育費や住宅ローンなどがあると、なかなか貯蓄が難しい場合もありますが、できることから少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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