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17/07/31

家計・ライフ

100年生きる時代、早期退職してマネー的に生きていけるの?

7月、8月は、夏休みにお盆休みにと、仕事から離れてのんびりできる時期ですね。のんびりした日々を過ごしていると、早く仕事を辞めて、あとは、好きなことをして日々過ごすのもいいなーと思ってしまう人も多いのではないでしょうか。
とはいえ、現実は、少子高齢化が進み、お給料も右肩で上がらない時代。本当に早く仕事を辞めることができるのでしょうか?

人生100年時代を迎え、よりお金が必要な時代に

早期退職をして、仕事に追われず、日々楽しく過ごす、そんな生活に憧れを持つ人も少なくないことでしょう。

私のところには、30代、40代の女性の方が相談にいらっしゃることが多いのですが、早期退職の夢を抱いている人は少なくありません。では、実際には可能なのでしょうか?

現実問題、今後、女性はますます長生きする傾向にあり、平均寿命が100歳を超えることも珍しくない世の中になります。先日、30歳の女性の方が50歳でリタイアしたいと、相談に来ましたが、夢を叶えるとなると、かなりまとまった金額を貯める必要があります。

ちなみに、どのような老後の生活を望んでいるかにもよりますが、例えば、現在の高齢者の生活を参考に考えると、現在の60歳以上の高齢世帯夫婦2人の年金収入の平均は21.3万円、それに対して支出の平均は26.8万円。あるデータによると、日本人女性の平均寿命は、近い将来、90.13歳になるとのこと。仮に90歳まで生きると仮定し、年金だけで暮らそうと思うと、不足する金額は約1700万円に。これに1人あたり500万円の介護費用(2人で1000万円)が加わると2700万円程度は必要です。

50歳で仕事を辞める場合には、8300万円が必要!?

ただし、これは65歳で仕事を辞めた場合。仮に50歳で仕事を辞めた場合、50歳から年金を受給できる65歳までの無年金期間の生活費をプラスしておく必要があります。

仮に毎月の生活費が20万円だとすると、20万円×12ヶ月×15年間=3600万円を準備する必要があります。先ほどの金額2700万円と合わせると、6300万円となります。

ちなみに私たちが年金を受給するときには少子高齢化が加速し、現在の年金受給額の6割〜7割になるといわれています。そうすると、6300万円にさらに2000万円程度がプラスになり8300万円程度が必要になる計算に。

50歳でリタイアしようと思うと、現実はなかなか厳しいことがおわかりいただけたでしょうか。

目標を達成するには、毎月15万円を年利7%で運用すること

現在30歳の人が50歳までにこの金額を貯めようと思うと、例えば、手取り給料30万円の半分15万円を21年間、年利7%で積み立て運用できると、約8500万円になります。

つまり、これからの時代は、早期に完全にリタイアするというのは、よほどの投資家か事業が成功するか資産家でないと難しいのが現状です。

長生き時代に備えるには、安定的に長期的に働くことが大切なのです。とはいえ、今と同じペースでずっと働き続けるのは難しいのもわかります。ですから、40代までは週5日バリバリ働き、50代からは週に2日〜3日働くとい具合に働き方を柔軟に変えられるような仕事のスキルを持っていることが大切です。自分だけにしかできない知識や技術があれば、働き方を調整してもニーズはあります。

高度な仕事のスキルがあれば、日本にこだわらず、海外でも仕事ができるので、選択肢もぐっと広がるでしょう。今はインターネットも発達していますし、枠にとらわれず、いろんな視点から考えてみましょう。



高山 一恵 ファイナンシャルプランナー

(株)Money&You取締役。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。女性向けWebメディア『FP Cafe』『Mocha(モカ)』や登録者1万9000人超のYouTubeチャンネル『Money&YouTV』を運営すると同時に、全国で講演活動、執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『マンガと図解 定年前後のお金の教科書』(宝島社)、『11歳から親子で考えるお金の教科書』(日経BP)など書籍100冊、累計170万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。X(旧Twitter)→@takayamakazue

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