26/06/28
【知らないと大損】手続きしないともらえない、親族が亡くなった後にもらえるお金7選

身近な親族の死は、避けて通ることができないものです。悲しみに暮れる暇もなく、さまざまな手続きが遺族に押し寄せます。今回は、公的な年金・医療・介護制度において、亡くなった後に手続きをするともらえる(もしくは返ってくる)お金を7つ紹介します。
亡くなった後の手続きでもらえるお金(1):遺族基礎年金
遺族年金は、亡くなった人が生活を支えていた遺族が受け取る給付です。受け取れる遺族年金の種類や年金額は、亡くなった人の加入履歴や遺族の状況によって変わります。
国民年金に加入中の人が亡くなったときに支給されるのが、遺族基礎年金です。受け取ることができるのは、子のいる配偶者、または条件を満たす子です。
【遺族基礎年金の年金額(2026年度)】
(1)子のある配偶者が受け取るとき
・1956年4月2日以後生まれ:84万7300円+子の加算額(※)
・1956年4月1日以前生まれ:84万4900円+子の加算額(※)
(2)子が受け取るとき(1人あたりは、次の金額を子の数で割った額)
・84万7300円+2人目以降の子の加算額(※)
(※)子の加算額
・1人目および2人目:各24万3800円
・3人目以降:各8万1300円
遺族基礎年金は、子がいることが前提の年金です。ここでの「子」は、18歳になった年度の3月31日までにある子ども、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子どものことを指します。したがって、子どもがすでに独立している場合などには受け取れないほか、すべての子どもが18歳の年度末を迎えると受け取る権利がなくなる点に注意が必要です。
亡くなった後の手続きでもらえるお金(2):寡婦年金・死亡一時金
遺族基礎年金の受給対象とならない場合、「寡婦年金」や「死亡一時金」の支給対象にならないかをチェックしましょう。
●寡婦年金
国民年金の第1号被保険者(任意加入被保険者を含む)としての期間が10年以上ある夫が、年金(老齢基礎年金・障害基礎年金)を受け取ることなく亡くなった場合には寡婦年金の対象になるかもしれません。寡婦年金は、夫によって生計を維持され、10年以上婚姻関係のあった妻(事実婚も含む)が、60歳から65歳になるまでの5年間受け取ることができる年金です。
寡婦年金の額は、亡くなった夫が受けられたであろう老齢基礎年金額の4分の3です。妻が自身の老齢基礎年金を繰り上げ受給していると、請求ができない点に注意が必要です。また、再婚した場合にも受給資格はなくなります。
●死亡一時金
国民年金の第1号被保険者(任意加入被保険者を含む)としての期間が36月(3年)以上ある人が亡くなった場合、老齢基礎年金または障害基礎年金のどちらも受けずになくなった場合、遺族(配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順)は死亡一時金がもらえるかもしれません。いくら受け取れるかは、亡くなった人が保険料を納めた月数によって決められています。
【死亡一時金の金額】
・保険料納付月数36月以上180月未満 :12万円
・保険料納付月数180月以上240月未満:14万5000円
・保険料納付月数240月以上300月未満:17万円
・保険料納付月数300月以上360月未満:22万円
・保険料納付月数360月以上420月未満:27万円
・保険料納付月数420月以上 :32万円
※死亡した月の前月までに付加保険料を36月以上納付していた場合は8500円が加算。
寡婦年金と同様、亡くなった人がすでに年金(老齢基礎年金・障害基礎年金)を受け取っていた場合には請求ができないほか、遺族基礎年金を受け取れる遺族がいる場合には受け取れない点には注意が必要です。
なお、寡婦年金と死亡一時金の両方の受給要件を満たしていても、受け取れるのはどちらか一方です。
亡くなった後の手続きでもらえるお金(3):遺族厚生年金
遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者、もしくは被保険者だった人が亡くなった場合に支給されます。
<遺族年金を受けることができる遺族と年金の種類>

日本年金機構「遺族年金ガイド(令和8年度版)」より
対象となる遺族のうち、子のない夫、父母、祖父母については、亡くなった時点で55歳以上の人でなければ受給できません。
遺族厚生年金は、保険料を納めた期間や額に応じて年金額が決まる報酬比例の年金です。受け取る遺族厚生年金の額は、亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の金額です。ただし、在職中に亡くなった場合等においては、最低保障として300月(25年)とみなして計算が行われます。もし厚生年金保険に加入していた期間が300月(25年)に満たない場合には、300月とみなして計算されます。65歳以上で自身の老齢厚生年金の受給権がある人がもらう遺族厚生年金については、老齢厚生年金に相当する部分の金額は支給されません。
なお、遺族厚生年金は2028年4月に見直しが行われる予定で、受給対象者の男女差が解消されます。
遺族厚生年金では「中高齢寡婦加算」にも注目です。中高齢寡婦加算とは、夫が亡くなったときに40歳以上で子のない妻や、40歳に達した当時に子がいた妻に対し、65歳になるまでの間、遺族厚生年金に63万5500円(2026年度・年額)の加算があります。
また、中高齢寡婦加算を受けている妻が65歳になると、中高齢の加算はなくなります。以前は会社員や公務員に扶養されている妻で、国民年金に任意加入していなかった人もいます。そこで妻の年金総額が急に低くなってしまわないように特別な加算が行われています。これを「経過的寡婦加算」といい、1956年4月1日以前生まれの妻が、65歳以降受け取る遺族厚生年金に加算されます。ただし、1956年4月2日以降に生まれた人にはありません。
亡くなった後の手続きでもらえるお金(4):未支給年金
公的年金の支給は2ヶ月に一度、原則偶数月の15日に行われますが、支給されるのはその前月までの2ヶ月分です。したがって、年金は後払いのしくみのため、年金受給者が亡くなると、必ず1~3ヶ月分の未支給年金が発生することになります。年金の受給停止手続き(死亡の届け出)と合わせて、未支給年金の請求手続きを行いましょう。この未支給年金は請求しないと受け取ることができません。
年金を受け取る権利があったにも関わらず、請求をせずに亡くなってしまった場合にも未支給年金の請求ができます。ただし、繰り下げて増額された年金額ではなく、65歳から死亡時までに受け取るはずだった年金の総額が、未支給年金として請求できます。
【亡くなったタイミングと未支給年金の月数】
・偶数月の14日以前に亡くなった:亡くなった月を含む3ヶ月分
・奇数月に亡くなった:亡くなった月を含む2ヶ月分
・偶数月の15日以降に亡くなった:亡くなった月のみ1ヶ月分
未支給年金を受け取れるのは、亡くなった人と生計を同じくしていた遺族です。遺族が「自己の名」で請求を行うことになるため、受け取った未支給年金は相続税の課税対象とはならず、受け取った遺族の一時所得となります。
亡くなった後の手続きでもらえるお金(5):葬祭費・埋葬料(費)
葬祭や埋葬を行った人に対しては、亡くなった人が加入していた公的医療保険から給付金が支給されます。保険証の返却および資格喪失の手続きと合わせて、支給申請書の提出手続きを忘れないようにしましょう。
●葬祭費
国民健康保険や後期高齢者医療制度の被保険者が亡くなった場合には、葬祭を行った人(喪主)に「葬祭費」が支給されます。金額は自治体によって異なりますが、3~5万円(東京23区は一律7万円)が一般的です。
●埋葬料・埋葬費
健康保険に加入している会社員などが亡くなった場合に、故人に生計を維持され埋葬を行った人に支給される「埋葬料」は、一律5万円。もし対象となる人がいない場合には、実際の埋葬に要した費用が、5万円を上限に「埋葬費」として支給されます。なお、被扶養者を亡くした被保険者に支給される「家族埋葬料」は、5万円です。
加入している健康保険によってはさらに、埋葬料に上乗せする形で独自の給付を行っていることがあります。独自給付の有無や金額等についても確認しておくとよいでしょう。
亡くなった後の手続きでもらえるお金(6):高額療養費・高額介護サービス費
同一月にかかった医療費の自己負担額を、一定の金額(自己負担限度額)までに抑えてくれる「高額療養費制度」。限度額を超えた分は払い戻しが受けられますが、亡くなった人に対する未支給分は相続人による請求が可能です。同様に亡くなった人が受け取るはずだった「高額介護サービス費」も相続人が代理で請求・受取りが可能です。
亡くなった人がすでに支給決定されていた場合は振込口座の変更手続きを、未申請だった場合は相続人代表者として支給申請を行います。さらに、医療費の自己負担も合算して限度額を超えていた場合、「高額介護合算療養費」の対象になることもあります。それぞれの保険者の案内に従って手続きを行いましょう。
なお、死亡後に高額療養費や高額介護サービス費の払い戻しによって相続人が受け取った金額は、相続財産に含めなければなりません。相続税の申告が必要な場合は留意してください。
亡くなった後の手続きでもらえるお金(7):介護保険料等の還付
年金・医療・介護、それぞれの公的保険制度に加入している人が亡くなった場合、被保険者資格の喪失日は亡くなった日の翌日です。そして、この資格喪失日が属する月の前月分までの保険料が月割で計算され、精算手続きが行われることになります。死亡日時点では、払い過ぎになる場合と不足する場合があります。過不足が生じた場合には、市区町村から通知が来ます。
精算で明らかになった保険料の過不足は相続財産です。つまり、相続人が受け取った還付金は相続税の課税対象となる一方で、相続人が不足分を納付した場合には、その債務を遺産総額から控除することができます。相続税の申告がある場合は、漏れがないよう書類をきちんと保管しておきましょう。
手続きは後回しにせずまとめて済ませよう
身近な親族が亡くなると、さまざまな手続きが必要になります。その手続きには期限が設定されており、期限内に行うことは大変です。またなかには時効が数年間あるため、後回しにすると忘れてしまいがちになるので、まとめて済ませるように心がけましょう。
相続は何度も経験するものではないので、見落としがあるかもしれません。不安があれば、市区町村の窓口や年金事務所、加入している健康保険などにも相談しながら、必要な手続きを進めましょう。
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池田 幸代 株式会社ブリエ 代表取締役 本気の家計プロ®
証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不動産賃貸業経営。「お客様の夢と希望とともに」をキャッチフレーズに2016年に会社設立。福岡を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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