26/06/22
【申請しないと大損】3歳未満の子がいる会社員が、将来の年金額を減らさない「特例制度」

厚生労働省の発表によれば、2025年の出生率が過去最低を記録し、出生数も最少の67.1万人になったそうです。結婚や出産を考える際には、雇用と所得の安定が必要不可欠ですが、少子化対策として、子育て世代が仕事を続けやすい環境を整えることも重要です。
今回は、仕事と育児の両立を支援する制度の一つである「養育期間特例制度」について解説していきます。
養育期間特例制度とその背景
子どもが小さい間は、育児のために働く時間を短縮したり、残業を減らしたりすると、収入が減ってしまいます。そればかりか厚生年金の年金額は、加入期間中の標準報酬月額をベースに計算されるので、特例制度がなければ将来受け取る年金額まで減ってしまうことになります。子育てにお金がかかるうえ、老後の年金も減ってしまうのならば、いっそ子どもを持たない選択をする人も出てくるかもしれません。
養育期間特例制度とは、3歳未満の子を養育する人が、育児休業明けの時短勤務などで、標準報酬月額が下がった場合に、将来受け取る年金額が減らないように、子が3歳になるまでは収入が減る前の標準報酬月額(従前標準報酬月額)で計算してもらえる制度です。
<養育期間特例制度のイメージ>

厚生労働省の資料より
養育期間特例制度の目的は、育児による収入減少と将来の年金額の低下を防ぐことです。少子化対策・育児と仕事の両立支援策として導入された経緯があります。
養育期間特例制度が適用になる場合
養育期間特例制度は、3歳未満の子を養育する厚生年金の被保険者が対象です。養育特例の対象となる期間は、3歳未満の子の養育開始月から養育する子の3歳の誕生日のある月の前月までです。この期間に勤務時間短縮などで標準報酬月額が下がった場合に適用されます。被保険者(本人)の申出によって、収入が減る前の高い標準報酬月額をその期間の標準報酬月額とみなして年金額が計算されます。納める保険料は、収入が減った後の標準報酬月額で計算されます。
養育期間特例制度は、もし申出が遅れた場合でも過去2年分まで遡って適用が可能です。ただし、養育開始月の前月から1年以内に被保険者期間がない場合は、みなし措置は受けられません。また、育児休業中で「保険料(掛金)免除」を受けている期間は対象外になります。
養育期間特例制度を利用する場合には、事業主経由で「厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書」という書類を年金事務所へ提出します。退職済みの方の場合は、退職先ではなく自分で手続きを行います。申出書は、日本年金機構のサイトからダウンロードすることができます。
養育期間特例制度の注意点
養育期間特例制度は、本人の「申出」によってのみ適用されるという特徴があります。会社が本人の申出がないのに手続きを進めることはできません。同じ養育期間であっても、申出するかどうかは本人の意思で決まります。
また、養育期間特例制度は、男女ともに適用になる制度です。たとえば、専業主婦の妻がいる場合の夫にも適用されます。また、共働きの場合には夫婦そろって適用されます。
男性従業員の場合、短時間勤務を選ぶ方が少ないので、男性従業員への案内が漏れるケースが見られます。会社がこの制度をよく知らなければ説明ができませんし、従業員が制度を知らなければ申出ができないので、せっかくの制度を利用しないままになってしまうことがあります。
さらに養育期間特例制度は、事業所ごとに養育特例の手続きを行う必要があるので、転職した場合や転籍した場合には、転職先、転籍先でも再度申出書の提出が必要になります。
子どもが小さいうちは、さまざまな病気にかかったり、想定外の連続だったりします。育児というとまだまだ女性に負担がかかりがちです。時短勤務の予定はなく、収入が下がることはないだろう考えている男性でも、育児のために残業をしないようにすると、標準報酬月額が下がるケースがあります。養育期間特例制度の申出書の提出は個人の判断になりますが、申請をしておくことをおすすめします。
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池田 幸代 株式会社ブリエ 代表取締役 本気の家計プロ®
証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不動産賃貸業経営。「お客様の夢と希望とともに」をキャッチフレーズに2016年に会社設立。福岡を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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