26/06/26
貯金できない人は「クレカの使い方」を知らない

クレジットカードは、今の暮らしに欠かせない便利な道具です。現金を持ち歩かなくても買い物ができ、ネットショッピングや公共料金の支払いにも使えます。ポイントが貯まることを考えると、現金で払うより得だと感じる人もいることでしょう。しかし、その便利さの一方で、クレジットカードを使うようになってからなぜかお金が残らない、毎月の引き落とし額を見て驚く、という人もいます。
貯金できなくなるのは、カードそのものが悪いからではありません。問題は、カード払いが少し先の自分が払うお金だと意識しないまま使ってしまうことです。そして、いくら使ったのか、いつ引き落とされるのかを確認しないまま、支払いだけが後からやってくるのです。今回は、クレカの使い方で注意したいポイントを紹介します。
クレカで払うと、お金を使った実感が薄くなる
現金で買い物をすると、財布の中のお金が減ります。1万円札を出せば、手元のお金が減ったことが目に見えてわかります。ところがクレジットカードの場合、カードを差し出したり、スマホで決済したりするだけで支払いが終わります。その場では財布のお金も、銀行口座の残高も減りません。そのため、お金を使ったという実感がどうしても薄くなりがちです。
特に注意したいのは、1回あたりの金額が小さい買い物です。コンビニで数百円、ネット通販で数千円、サブスクで毎月数百円。ひとつひとつは大きな支出ではなくても、月末にまとめて見ると、思った以上の金額になっていることがあります。ポイントが貯まるからとカード払いを選んでいるつもりでも、そのために支出が増えてしまえば、家計にとっては本末転倒です。大切なのは、ポイントがつくかどうかよりも、その支払いをした後にお金が残るかどうかです。
カード払いは、未来の自分への請求書
クレジットカードで買い物をした日は今日でも、実際に口座からお金が引き落とされるのは翌月以降です。つまり、カード払いは今のお金を使っているというより、未来の自分に請求書を送っていると考えたほうが近いかもしれません。今、銀行口座にお金があるからといって、その全額を自由に使えるわけではありません。すでにカードで使った分は、次の引き落とし日に支払う予定のお金です。貯金をしたいなら、今払えるかだけでなく、払った後にいくら残るかを見ることが大切です。
たとえば、今月カードで5万円使った場合、翌月の口座から5万円が引き落とされます。そのときに家賃や光熱費、通信費なども重なれば、思っていたより手元にお金が残らないことがあります。クレカ払いは、便利な後払いです。だからこそ、使った時点でこれは未来の自分が払うお金と意識しておく必要があります。
貯金できない人は、支払いの出口を見ていない
お金が残らない人の中には、買い物をするときには気をつけているつもりでも、支払いの出口を見ていない人がいます。たとえば、今月いくらカードを使ったのかを把握していない、引き落とし日がいつなのかを意識していない、支払い口座にいくら入っていれば足りるのかを確認していない、こうした状態が続くと家計はどうしても乱れやすくなります。
そんなに使ったつもりはないのに、請求額が高いと感じるときは、使いすぎそのものよりも、途中で確認する機会が少なかったことが原因かもしれません。
クレジットカードは、使った瞬間にお金が減らないからこそ、自分で確認する仕組みを持つことが必要です。アプリで利用額を見る、引き落とし日をカレンダーに入れる、週に1回だけ明細を確認する。それだけでもお金の流れはかなり見えやすくなります。
リボ払い・分割払いは、支払いを軽く見せる仕組みに注意
クレジットカードを使う上で、特に気をつけたいのがリボ払いと分割払いです。リボ払いは、毎月の支払額を一定にできるため、一見すると家計にやさしいように見えるかもしれません。しかし、支払いが少なく見える分、利用残高が残りやすく、手数料もかかります。毎月払っているのに、なかなか残高が減らないという状態になることもあります。
分割払いも同じです。1回で払うには少し高いものでも、数回に分ければ買いやすく感じます。ただし、回数や条件によっては手数料がかかり、本来の価格より多く支払うことになります。貯金をしたい人にとって大切なのは、毎月いくらなら払えるかではなく、手数料を払ってまで今買う必要があるかということです。
基本は1回払いにする、1回払いで払えないものはいったん立ち止まる。このルールを持つだけでも、クレカによる使いすぎは防ぎやすくなります。
クレカを使うなら、確認することは3つだけ
クレジットカードを上手に使うために、難しい管理をする必要はありません。まず確認したいのは、次の3つです。
1つ目は、いくら使ったかです。カード会社のアプリや明細を見れば、今月の利用額はすぐに確認できます。月末だけでなく、週に1回見るだけでも使いすぎているかもと早めに気づけます。
2つ目は、いつ引き落とされるかです。給与日と引き落とし日のタイミングがずれていると、口座残高が不足しやすくなります。支払日を意識しておくことは、家計管理の基本です。
そして3つ目は、支払方法が1回払いになっているか。気づかないうちにリボ払いの設定になっていないか、自動リボの登録をしていないかも確認しておきたいところです。
この3つを確認するだけで、カード払いはかなり管理しやすくなります。
クレカはやめなくていい。お金の流れを見える化すれば味方になる
貯金したいからといって、クレジットカードをすべてやめる必要はありません。大切なのは使い方を決めることです。たとえば、公共料金や通信費などの固定費だけをカード払いにする。食費や日用品は月の上限を決めて使う。カードを何枚も使わず、メインの1枚にまとめる。こうしたルールを作ると、支出の流れが見えやすくなります。
クレカは、使い方によっては家計を乱す原因にもなりますが、何にいくら使ったか明細が記録として残るので家計管理の道具にもなります。しかし、その記録を見なければ意味がありません。支払い後にお金が残ることを優先する、リボ払いや分割払いを避け1回払いで払える範囲におさめる、利用額と支払日を確認する、この習慣があれば、クレジットカードは貯金を邪魔するものではなく、お金の流れを整える味方になります。
クレカはお金が減らない魔法ではありません。未来の自分が払うお金です。未来の自分に負担を残さないためにも、便利さに流されるのではなく、自分で使い方を決めて管理できるようにしておきたいですね。
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黒須 かおり ファイナンシャルプランナー(CFP)
女性を中心に、一生涯を見守るFPとしてmoney&キャリアのコンサルティングを行う。幸せになるためのお金の知識など幅広い資金計画とライフプランのアドバイスを手がけている。金融機関にて資産形成のアドバイザーとしても活動中。FP Cafe登録パートナー
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