16/11/21
おひとりさまが、老後に備えておきたいことは
就活、婚活、妊活、そして終活……。人生のイベントを、「〇〇活」と表現することが流行り出したのはここ数年前でしたね。
読者世代が最も気になるのは、やはり「婚活」「妊活」ではないでしょうか。
しかし、その一方で、「結婚はしないかもしれない、子どもはもうけないかもしれない」という声も聞こえてきます。生き方が多様な社会になってきたのです。
今回は、もし生涯独身だった場合を想定して、備えておきたいポイントを考えてみましょう。
2000万円の貯蓄は、できて「当たり前」
まずおひとりさまと子どものいる家庭で圧倒的に違うのは、子にかかる養育費・教育費の有無。子ども一人が成人までにかかる総費用は、筆者は2000万円と試算します。
よく子ども一人に1000万円、といわれますが、あれは教育費のみの話です。
生活費や仕事への制限などを加味すると、プラス800万円、その資産が手元にあった場合の仮の運用益を、年利1.1%としても20年間で200万円の利息があります。
非常に雑な計算ですが、計2000万円になります。
つまり、子どものいない独身者、もしくは共働き世帯は、定年の60歳ごろまでに、個々に2000万円の貯蓄が出来ていて「当たり前」だと思って下さい。
介護費用にかかる値段は?
独身者から最も多く聞こえる声は、「老後の心配」です。経済的な心配は子育て世帯よりは少なく、問題は「身近に面倒を見てもらう人がいない」ということ。
その解決策としては、今のところ民間保険会社の「介護保険」や、個々の資産により「お金で解決する」ほかありません。
福祉施設に入る事になれば、その種類にもよりますが初期入居費に億単位の費用が必要なところもあります。逆に初期入居費がかからずに、毎月の固定費で30万~40万円かかるところも。
費用が安くて済む特別養護老人ホーム(特養)などは、待機人数が多く申し込みをしてもなかなか入れない状態ですから、やはり「お金に頼る」ことにならざるを得ません。
仮に初期費用0円で、毎月の利用料40万円の施設に、5年間住むとしましょう。(平均介護年数4年11カ月 「生命保険文化センター調査」)
40万円×12カ月×5年=2400万円
ざっとこれだけの費用がかかるのです。
今後30~40年で、介護にかかるコストダウンが、企業努力により可能になると仮定しても、日本の福祉分野における歳出は拡大し、人口減で歳入は減っていきますから、消費税増税などで結局、個人の負担金額は相殺、もしくは増加してゆくことが見込まれます。
なんだか暗い話になりそうですが、人間老いは誰しも訪れる事です。
最低限の備えはしっかりと行い、ファミリー世帯も独身世帯も、それぞれの形で豊かな人生を送れるように、計画をしましょう。
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佐々木 愛子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅰ種
国内外の保険会社で8年以上営業、証券IFAを経験後、リーマンショック後の超低金利時代、リテール営業を中心に500世帯以上と契約を結ぶ。FPとして10代のうちから金融、経済について学ぶ大切さを訴え活動中。
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