24/08/28
【ふるさと納税】どんなにお得な制度でも、するべきではない人4選
ふるさと納税をするときには、本当にメリットがあるのかが気になるかもしれません。ふるさと納税をしても、メリットがない人もいます。今回は、ふるさと納税をしない方がいい人とはどんな人か、4つのパターンを紹介します。
たびたびルールの改正が行われているふるさと納税
ふるさと納税は、自分の好きな自治体を選んで寄付ができる制度です。ふるさと納税した場合、寄付した金額から2000円を差し引きした金額を、所得税の還付や住民税からの控除により取り戻せる仕組みになっています。
ふるさと納税をすれば税金が安くなりますが、寄付により税金を前払いしていることになるため、節税効果はありません。しかし、ふるさと納税をすれば、寄付のお礼として自治体から返礼品をもらえます。2000円の自己負担で特産品などをもらえるため、お得な制度ととらえられています。
近年、ふるさと納税のルールはたびたび改正が行われています。
たとえば、2023年10月には返礼品のルールについて次の2点の改正が行われました。
①募集適正基準の改正
ふるさと納税にかかる経費を寄付金の5割以下に制限するというルールが厳格化されました。これにより自治体で経費削減が必要になり、返礼品の数や容量が減ったり、値上がりしたりしました。
②地場産品基準の改正
返礼品のうち、熟成肉と精米は、原材料が寄付先と同じ都道府県内産である場合に限り返礼品にできることになりました。輸入した肉を地域内で熟成したものなどは認められなくなりました。
また2024年10月・2025年10月には、次の改正も行われる予定です。
①募集適正基準の改正
2025年10月から、ふるさと納税の利用者にポイントを付与するサイトを通じて自治体が寄付を募ることが禁止されます。これにより、ふるさと納税の手続きができる「ふるさと納税ポータルサイト」でふるさと納税をしても、ポイントが得られなくなります。
これに先立ち、2024年10月からはふるさと納税ポータルサイトなどが返礼品を強調した宣伝をすることも禁止されます。
②地場産品基準の改正
2024年10月から、1人1泊5万円を超える宿泊の返礼品は、同一県内で展開している宿泊施設に限られます(5万円以下の宿泊や災害の被災地など対象外あり)。
このように、返礼品が限定されたり、ポイント還元が得られなくなったりする改正こそありますが、実質2000円で返礼品がもらえるという点では、お得な制度に変わりはないでしょう。
ふるさと納税をしない方がいい人とはどんな人?
ところが、ふるさと納税は誰にとってもお得になる制度ではなく、ふるさと納税するメリットがあまりない人もいます。次のような人は、ふるさと納税をしなくてもよいでしょう。
●ふるさと納税をしない方がいい人 (1) 所得がない人
ふるさと納税で寄付した金額は、所得税や住民税からの控除によって取り戻せます。ただし、無職の人や収入のない専業主婦などは、そもそも課税される所得がないため、寄付した金額は戻ってきません。アルバイトをしていても、税金がかかるほどの年収がない人も同様です。
●ふるさと納税をしない方がいい人 (2) 所得が少ない人
所得税や住民税がかかっていても、所得が一定水準以下の人には、ふるさと納税のメリットはありません。ふるさと納税には控除上限額(自己負担2000円で寄付ができる上限額)があり、控除上限額を超えて寄付をすると負担が増えます。年収が少ないと、控除上限額も低くなってしまいます。
たとえば、年収300万円で共働き、子供2人(大学生と高校生)の人の控除上限額は7000円です(総務省のWebサイトより)。ふるさと納税の返礼品は寄付額の3割以下であるため、7000円の寄付で受け取れる返礼品は2100円程度のものです。この場合、自己負担額の2000円とほとんど差がないため、メリットがないことになります。
●ふるさと納税をしない方がいい人 (3) 退職・転職・産休などで収入が変わった人
ふるさと納税では、控除上限額を超えて寄付をすると、自己負担額が増えてしまいます。控除上限額は年収の影響を受けます。ふるさと納税をした年に、退職や転職、産休などで年収が変動すれば、控除上限額を超えて寄付をしてしまうことがあります。
●ふるさと納税をしない方がいい人 (4) お金に余裕がない人
ふるさと納税では、寄付するためにお金を払わなければならず、寄付したお金もすぐに戻って来るわけではありません。手元にお金が全くない場合、無理にふるさと納税をする必要はないでしょう。
税金をしっかり納めている人はふるさと納税をするのがおすすめ
収入が少ない人など、ふるさと納税をするメリットがあまりない人もいます。しかし、一定以上の収入があり税金も納めている人は、ふるさと納税をした方がよいでしょう。
返礼品の改正もありましたが、ふるさと納税はまだまだお得な制度です。欲しい返礼品がある人や、応援したい自治体がある人も、ふるさと納税を活用するのがおすすめです。
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森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー
Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。
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