25/04/21
【知らないとヤバイ】スマホしながら自転車の罰金・反則金はいくら?

自転車は手軽で便利な乗り物です。免許はいらないし、置き場所にも困りません。荷物が多くてもスイスイ移動できて助かりますね。
ただ、交通事故のリスクが決して小さくないことは見逃せません。自転車の安全運転はとても重要ということで、2024年11月から罰則が強化。たまに目にする「スマホしながら自転車」(自転車の「ながらスマホ」)も、罰則が厳しくなりました。
今回は、自転車のながらスマホをした場合の罰金がいくらか、安全運転と交通違反についてお伝えします。
東京都内の交通事故、45.8%が自転車がらみ
警視庁のデータによれば、2024年の東京都内の交通事故は3万103件。そのうち1万3773件が自転車の関係している交通事故です。実に45.8%が自転車がらみの事故なのです。
<東京都内の事故件数と自転車がらみの事故件数の割合>

警視庁「交通事故全体に占める自転車関与事故の推移」より筆者作成
グラフのとおり、近年自転車がらみの事故の割合は増加しています。全国的にも、事故の件数こそ地域により差がありますが、同様の傾向になっています。
自転車の事故が多いのは、交差点や交差点付近、そして単路(中央線などで道路の中央が定められていない道路)が約半数ずつです。そのうち、交差点・交差点付近では出会いがしらの事故が、単路では単独での事故が多いことが特徴になっています。死亡事故も起きています。
自転車の交通違反の罰則強化
自転車がらみの事故の増加をうけて、2024年11月より、自転車の交通違反の罰則が強化されました。なかでも、自転車の「ながらスマホ」の罰則が、従来よりも厳しくなりました。具体的には、次のとおりです。
【自転車のながらスマホの禁止事項】
・自転車運転中にスマホで通話すること(ハンズフリー装置を併用する場合等を除く)
・自転車運転中にスマホに表示された画面を注視すること
※どちらも自転車が停止しているときを除く
自転車運転中にスマホを手で持って画面を見ることはもちろん、自転車に取り付けたスマホの画面を見るのも禁止されました。
【自転車のながらスマホの罰則・罰金内容】
◯2024年10月まで
5万円以下の罰金
◯2024年11月から
・自転車運転中に「ながらスマホ」をした場合
6か月以下の懲役または10万円以下の罰金
・自転車運転中の「ながらスマホ」により交通事故を起こすなど交通の危険を生じさせた場合
1年以下の懲役または30万円以下の罰金
自転車のながらスマホをして事故を起こすなど、危険が生じた場合には「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」に。事故を起こさなかったとしても、自転車のながらスマホをすると「6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金」です。
自転車の運転中に電話で話していたり、メールチェックや地図アプリなどの画面を見ていたりする人をたまに見かけますが、とても危険な行為であることを自覚してほしいと思います。
また、自転車の「酒酔い運転」はこれまでも罰則・罰金の対象でしたが、酒酔いよりも呼気に含まれるアルコール濃度が低い「酒気帯び運転」も、2024年11月からは罰則・罰金の対象に。
酒酔い運転は、「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」で、罰則は従来どおりです。酒気帯び運転は罰則がありませんでしたが、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」となりました。
お酒を飲んだ帰り道、アルコールが残っているのに自転車を運転したら道路交通法違反です。罰則・罰金が適用されます。
軽い気持ちで自転車に乗って、出合いがしらに歩行者と衝突、ということになったら大変なことです。
さらに、今後113種類の違反項目に反則金が導入される予定です。車やバイクと同様に、違反すると「青切符」が公布され、5000円〜1万2000円程度の反則金を納付しなければなりません。
主な違反項目には、
・信号無視
・一時停止無視
・2人乗り
・傘さし運転
・イヤホンをつけての運転
などがあります。
青切符の対象は16歳以上、2026年5月23日までには導入される見通しです。
リスクに備える保険とは?
自転車運転で違反した場合の罰金・反則金は自分で払わなくてはなりませんが、もしも誰かにケガをさせてしまい賠償責任を負うことになった場合には、とても払きれない高額な賠償金になるケースもあります。
そのようなリスクに備える「自転車保険」もありますが、「個人賠償責任保険」でも自転車事故による高額な賠償金の支払いに備えられます。
個人賠償責任保険は、誤って他人にケガをさせたり、他人の物を壊して損害賠償の責任を負ったりした時に補償する保険です。個人賠償責任保険は、自動車保険や火災保険、住宅総合保険の特約についていることもありますので、確認しておくといいですね。
個人賠償責任保険の補償の金額は、5000万円程度からありますが、1億円以上を目安にしておくといいでしょう。
ただし、個人賠償責任保険で補償を受けられるのは、他人をケガさせたり、他人の物を壊したりした時です。
同居の親族、たとえば子どもを乗せていた時の事故で子どもケガをさせたり、自分の荷物を壊してしまったりしても、「他人」ではないので補償の対象ではありません。
保険は大切ですが、まずは安全運転が第一です。
自転車も、ながらスマホやアルコールは厳禁。罰金だけでなく、危険だからこそ取り締まりが強化されるのです。
周りに気を付けて運転することを肝に銘じていただきたいと思います。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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