24/12/16
50代で買うと老後破産を招く6つのモノ
50代ともなると、そろそろ「老後」が視野に入ってくる時期ともいえます。老後資金の心配をしている人も多いかもしれませんが、お金を貯めるのと同じくらい重要なのが「無駄な出費をしない」ことです。50代ともなると、子育てが一段落し、比較的お金に余裕があるのは珍しくありません。しかし、無駄遣いをしてしまうと一気に貧乏になる可能性があるため、お金の使い方には引き続き気を付けましょう。今回は、50代で買うと貧乏を招く、できるだけ買わない、手放したほうが良いものを6つ紹介します。
50代で買うと貧乏を招くもの1.手数料の高い金融商品
投資自体は、資産を増やす効率的な方法でもあるため、50代になっても引き続きチャレンジしてほしいところです。しかし、手数料が高い金融商品を選んでしまうと、その分利益が減ってしまうことに注意しなくてはいけません。
たとえば、投資信託を購入する場合、以下の手数料が発生します。
・購入時手数料:投資信託を購入する際に発生する手数料
・信託報酬:投資信託を保有している間支払う手数料
・信託財産留保額:投資信託を売却(解約)する際にかかる手数料
3つの手数料のなかで、もっとも注目したいのは信託報酬です。近年は、購入時手数料や信託財産留保額がかからない投資信託も増えてきました。しかし、信託報酬は保有中ずっとかかります。また、投資信託は長期間保有することが多いため、信託報酬の少しの違いが大きな差になりやすいのです。信託報酬は、アクティブ型よりもインデックス型のほうが安いことが多いので、購入前に必ずチェックしましょう。
また、投資信託以外の金融商品を購入する際にも、手数料には注意しましょう。投資の結果がどうなるかはわかりませんが、手数料は投資の前にわかるのですから、安い商品を選ぶに越したことはありません。
50代で買うと貧乏を招くもの2.保障額が高過ぎる生命保険
生命保険を契約しているなら、今一度保障額を見直してみましょう。
そもそも、生命保険は「万が一のことがあった場合、家族が困窮しないようにするための保険」である以上、子どもが独立した後は保障額をある程度は切り下げても問題ないでしょう。もちろん、50代でも子どもが中学生以下など、まだまだお金がかかる状態ならこの限りではありません。
一方で、50代以上になると病気のリスクが高まるため、医療保険やがん保険の保障を充実させる必要が出てきます。日本は公的医療保険や高額療養費制度など、病気になっても医療費の負担を軽減できる制度はあるものの、自己負担分がゼロになるわけではありません。また、働けなくなった場合でも自分や家族の生活費はかかる以上、十分な備えをする必要があります。
50代に限らず、自分や家族に合った保障を合理的な保険料で受けるためにも、保険はライフステージに応じて定期的に見直しましょう。
50代で買うと貧乏を招くもの3.ポイント稼ぎのためだけの買い物
ポイント稼ぎのためだけの買い物も、50代以降はなるべく避けましょう。
クレジットカード払いや特定の店舗の利用によって貯まるポイントは、別の買い物や航空会社のマイルなどに交換できるため、上手に使えばかなりの節約になるのは事実です。
しかし、ポイント稼ぎのためだけに買い物をするのは、支出が増え、結局は家計を圧迫するため、好ましくありません。「本当に必要なもの、使う予定があるものを購入し、結果としてポイントをもらう」ことを意識して、賢く使いましょう。
50代で買うと貧乏を招くもの4.目標や目的がない自己投資
いくつになっても自己投資をし、自分を高めていくのは素晴らしいことですが、相応のお金もかかることに注意しなくてはいけません。
セミナーや専門学校の講座を受講したり、ジムに通ったりする場合は、「なぜやるのか」「どうなりたいのか」といった目標や目的を明らかにしましょう。ただ何となく周囲がやっているから、何か自己投資しないといけないから、といったあいまいな目標、目的で取り組むのは、お金が出ていくばかりで好ましくありません。
50代で買うと貧乏を招くもの5.使う予定がない自家用車
50代に限らず、節約のために固定費を減らしたいと思うなら、自家用車にも目を向けてみましょう。自家用車を持ち続けていると、自動車税や車検代、保険料やガソリン代など、諸経費が定期的に発生します。自宅に駐車場がないなら、駐車場代も払わなくてはいけません。自家用車を手放せば、これらの諸経費を払わなくて済む以上、老後資金に回せるお金も増やせるでしょう。
車に乗るのは休日だけで、公共交通機関が充実している場所に住んでいるなら、思い切って自家用車を手放すのも一つの選択肢です。どうしても車が必要になったら、レンタカーやカーシェアを使えばさほど問題ないでしょう。なお、公共交通機関があまり充実していない場所に住んでいて、自家用車がないと生活が難しいならこの限りではありません。
50代で買うと貧乏を招くもの6.自分に似合わない服やコスメ
50代に限ったことではありませんが、自分に似合わない服やコスメも、買わないほうが良いものの範疇に入ります。雑誌やWEBでは、たくさんの素敵な服やコスメが紹介されていますが、それらが自分に似合うかどうかはまったく別の問題です。
自分が気に入るものと、自分に似合うものは異なることを意識して買い物しましょう。気に入って買ったものの、いざ着てみた、使ってみたらさほど似合わなかったのでは、タンスの肥やしになるのも時間の問題です。身だしなみを整えるのは重要なことですが、アイテムを選ぶ際は「自分に似合うか」を確認し、吟味して買い物しましょう。
老後破産は他人事ではない
50代から自分のお金の使い方を見直したほうが良い理由の1つに「老後破産は他人事ではない」ことが挙げられます。
日本弁護士連合会消費者問題対策委員会が3年おきに調査している「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」によれば、2020年における破産債務者のうち、70代以上の人の割合は9.35%にも達していました。2002年の同調査では、破産債務者のうち、70代以上の人の割合は2.73%であったことから、約20年の間に4倍近くに達している計算になります。
このデータを見る限りでは「老後破産はだんだんと増えている」といえるでしょう。
老後になると収入が減る一方で、自分や家族の病気・介護などお金が出ていく場面は確実に増えていきます。また、長生きは本来喜ばしいことですが、その分必要な資金も増えるため、なるべく多めに資金を用意して老後を迎えられるに越したことはありません。
50代からでも「無駄なお金は使わず、本当に自分に必要なものにお金を使う」ことを実践するだけでも、老後においては確実にプラスになります。貧乏にならないためにも、ぜひ取り入れてみてください。
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荒井美亜 金融ライター/ファイナンシャル・プランナー
立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融・マネー系の記事を主に手掛けるライターとして活動中。ゲームを通じて全国の高校生・大学生に金融教育を行うプロジェクト「Gトレ」の認定ファシリテーター(講師)として教壇にも立つ。取得資格はAFP(日本FP協会認定)、貸金業務取扱主任者(試験合格)、宅地建物取引士(試験合格)
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