24/11/28
【2025年3月開始】「マイナ免許証」メリットと注意点 従来の免許証を手放すのは危険?
マイナンバーカードを健康保険証として利用する「マイナ保険証」が話題ですが、マイナンバーカードと運転免許証を一体化させた「マイナ免許証」も登場することをご存知ですか。マイナ免許証は、2025年3月24日から運用開始になる予定です。
今回は、マイナ免許証の概要、メリット、注意点などをわかりやすくご紹介します。
2025年3月から始まるマイナ免許証ってどんなもの?
マイナ免許証は、マイナンバーカードと運転免許証が一体化される制度。免許証のICチップに記録されている免許保有者の写真、有効期間、免許の種類、眼鏡の着用などの条件などの情報をマイナンバーカードのICチップに加えることで、マイナンバーカードを免許証として利用できるようにするものです。
一体化で似た制度といえば、マイナ保険証があります。こちらは、2024年12月2日に健康保険証の新規発行や再発行が廃止され、マイナ保険証を基本とする運用に変わるものです。医療機関等の受診はマイナ保険証を利用する仕組みに変更されます。現行の健康保険証は2025年12月1日までに使えなくなります。ただ、その後マイナ保険証を持っていない方も追って届く「資格確認書」を提示することで医療機関を原則3割負担で受診できます。
一方、マイナ免許証は2025年3月24日から運用が始まりますが、現行の免許証は廃止されるわけではありません。マイナ免許証と運転免許証の両方を持つこともできます。そして、マイナ免許証は任意ですので、取得しなくてはならない、ということもありません。
マイナ免許証のメリット3つ
マイナ免許証のメリットには以下の3つがあります。
●マイナ免許証のメリット1:マイナ免許証のみの新規取得・更新の手数料が安い
マイナ免許証と従来の運転免許証は両方持つこともできますが、マイナ免許証のみ保有することもできます。その際の、新規取得や更新にかかる手数料は以下のとおりです。
<免許証の種別と新規取得・更新の手数料>
筆者作成
新規取得・更新にかかる手数料は、マイナ免許証のみにすると従来の免許証よりも安くなります。一方、運転免許証のみの場合は今後、新規取得で300円、更新で350円高くなります。マイナ免許証と運転免許証のセットだと、さらに100円上乗せされます。
●マイナ免許証のメリット2:優良者・一般運転者は講習がオンラインで受けられる
運転免許証は、数年に1度更新があります。今までは、更新のたびに運転免許センターや警察署で、30分から2時間の講習を受ける必要がありました。今後、免許証の更新においては、講習をオンラインで受けることもできます。そうなれば、パソコンやスマートフォンなどを通して講習を受けることができます。
ただし、対象になるのは、無事故・無違反の「優良運転者」と、軽微な違反のみの「一般運転者」の場合のみです。なお、パソコン等での講習では、本人がちゃんと受講しているかをチェックする必要があります。対応方法として、画面上で受講者の顔の確認が行われたり、講習内容について確認テストを行ったりするなどが行われる予定です。
●マイナ免許証のメリット3:住所変更がワンストップでできる
引っ越しや結婚をした場合、運転免許証の住所や氏名の変更が必要です。現状は、自治体に届け出をしてから、運転免許センターや警察署で住所や氏名の変更手続きを行います。今後、マイナ免許証になれば、自治体で行った住所変更の手続きが自動的に警視庁のシステムに反映されることになります。ただし、これには本人の同意が求められます。
とはいえ、免許証の住所や氏名の変更手続きがワンストップで済むのは非常に便利といえるでしょう。
マイナ免許証にも注意点あり
従来の運転免許証から、マイナ免許証に変更することで、新規取得、更新の手間が大きく省かれ便利になります。多くの方は「マイナ保険証のみでよい」と思うかもしれません。
しかし、優良運転者と一般運転者の運転講習はオンラインで受けられても、視力検査や写真撮影などは警察署・運転免許センターで行う必要があります。
また、マイナ免許証のみにして、万が一マイナンバーカードを紛失してしまうと、マイナンバーカードの再発行に現状1~2か月かかります。今後5日程度に短縮される予定ですが、それまでは運転ができなくなってしまいます。
そのうえ、海外で車の運転をする方は、警視庁のシステムと情報が共有されないため、今までと同様の運転免許証を持つ必要があります。
マイナンバーカードには免許証の期限が記載されていない点にも注意が必要でしょう。
こうしてみると、まだまだ従来の免許証は「不要」とまでは言えないかもしれません。
しかし、マイナ免許証を利用すれば、発行・更新の手数料がいままでよりも安くなり、住所変更もワンストップで済みます。安全運転講習もパソコンやスマホで受講できます。運転免許証の更新等に必要な手間が大幅にカットできる点で便利になります。しかし、注意点もいくつかあります。これから免許を取る方はもちろん、更新を控えている方も、どれを利用するのかよく確認したうえで手続きしましょう。
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舟本美子 ファイナンシャルプランナー
「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー
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