23/10/14
定年後に払い続けると貧乏を招く5つの支出
定年後に時間ができたら、やりたいことがたくさんある、という方も多いのではないでしょうか。
やりたいことを思う存分するためには、それなりにお金も必要になりますが、定年後になると基本的に収入は減ります。
そこで考えるべきは、支出の見直し。今回は、定年後に払い続けてはいけない5つの支出を取り上げます。どれも漫然と続けがちなので、定年を意識し始めたら早めに対策をとりたいものばかりです。
定年後に払い続けてはいけない支出1:高いスマホ代
まずはスマホ代を見直しましょう。
定年退職前後の世代にとって、スマホは40代頃に使い始めたツールではないでしょうか。その後、生活必需品とも言えるほど普及しました。そんななか、スマホ代は必要経費として考えられ、思い切った節約にはつながりにくいものです。
しかし、定年後の限られた収入でやりくりするなら、スマホ代の見直しは避けられません。とはいえ、格安スマホは手続きがオンライン限定だったり、自分で設定したりとハードルは高めです。いざと言う時に、店舗で相談できると何かと安心、という人は、UQモバイルや楽天モバイルなどを検討してもいいでしょう。
定年後に払い続けてはいけない支出2:車関係の支出
首都圏の若者を中心に、車離れが進んでいます。
車はそれ自体の費用もかかりますが、駐車場代、自動車保険、自動車税、車検代、メンテナンス費用、ガソリン代といった費用が維持費としてかかります。特に、昨今はガソリン代の高騰が家計を圧迫していることが問題にもなっています。
こうしたことを踏まえると、定年後、車に乗るならレンタカーやカーシェアリングといった選択肢もいいでしょう。また、公共交通機関とタクシーの利用で十分なら、免許の返納も考えられます。しかし、生活する上で車がないと困る人もいるでしょう。そんな場合でも、低燃費のコンパクトな中古車など、ランニングコストが抑えられる車を選びたいところです。
運転方法ひとつでも燃費は大きく変わります。重い荷物は載せっぱなしにせず、急発進・急ブレーキは避ける安全運転を心がけてください。
定年後に払い続けてはいけない支出3:現役世代のままの生命保険の保険料
生命保険の保険料は、毎月自動的に引き落とされていることが多く、払っていることに無意識になってしまいがちです。しかし生命保険は、ライフステージが変わったら見直すことがセオリーです。保障内容を確認して、ムダな保険料を払うことは避けましょう。
生命保険は、被保険者が亡くなった場合に保険金が出ます。養う家族が多ければ、そのぶん保険金は高額になりますが、子どもの独立などで経済的な責任が軽くなっているのであれば、適正な金額に減額して、支払う保険料を節約しましょう。
定年後に払い続けてはいけない支出4:クレカやサブスクの年会費
現役世代でも、クレジットカードの作り過ぎはよくありません。年会費無料にひかれて作っても、2年度以降は年会費がかかるケースが多くあります。
一定金額の利用があれば年会費無料が継続できる場合でも、クレジットカードが多いと管理しきれず、結局使い切れずに年会費だけがかかることに。
クレジットカードは、ライフスタイルに合わせて2枚、多くても3枚あれば十分です。使っていないクレジットカードの年会費ほどバカバカしい支出はありません。
同様に、サブスクリプションサービスについても、しっかり確認しましょう。
定期的に使うモノ・サービスは、サブスクにしておくといつでも使えて便利。また、都度オーダーするよりおトクなこともあるので、サブスクを利用している人も多いでしょう。
しかし、サブスク契約した当初は「いつも使う」モノ・サービスでも、今はすっかり使っていない、サブスクにしたことすら忘れていた、ということはありませんか。
定年後、ライフスタイルは変わります。クレジットカードの利用明細や、金融機関口座の取引明細などで、必要のないものに大切なお金を払っていないか確認してください。
定年後に払い続けてはいけない支出5:子・孫への大きすぎる援助
子や孫がいると、何かとイベントが多いもの。結婚、出産、進学、卒業といった大きな節目には、お祝いをすることもあるでしょう。また、誕生日やお正月、クリスマスは毎年のことです。
子や孫の喜ぶ顔はうれしいものですが、家計のバランスから見て、大きすぎる援助は控えることが結果的には家族のためです。
子や孫への援助が過大になり自分の蓄えが減ったとして、そのうえで医療費や介護費がかかる事態になった場合、結局は家族に援助してもらうことにならないでしょうか。
その時、子や孫に公平感がなければ親族間のもめごとにも発展しかねません。自分の医療・介護は自分のお金でまかなえるよう準備しておくのが、家族のためにもなります。
定年後にやりたいことリストを作ろう
支出を見直すのは、定年後にやりたいことのためでもあります。
それには、まずは「やりたいことリスト」を作りましょう。そのために必要なお金も忘れずに記入します。はじめはザックリでよいので、金額、時期、どんなふうに、などリスト作りをすることがスタートです。
定年後の家計バランスを見直し、楽しく資金作りをしてください。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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