21/09/14
楽天、SBI、マネックス…3社のIPO(新規公開株)をお金のプロが徹底比較
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IPO(新規公開株)とは、未上場の企業が株式市場に上場すること。企業が株式市場に参加し、投資家に株を買ってもらえるようにすることをいいます。IPO投資は高い確率で利益が出せるため人気です。
そこで今回は、数ある証券会社のなかから、楽天証券・SBI証券・マネックス証券の3社のIPOを徹底比較。また、IPOに詳しいマネーコンサルタントの頼藤太希さんとファイナンシャルプランナーの高山一恵さんに、楽天証券・SBI証券・マネックス証券の3社のIPOのおすすめポイントを教えてもらいました。
●教えてくれたのは…
頼藤太希さん
Money&You代表/マネーコンサルタント
中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。マネーコンサルタントとして、資産運用・税金・Fintech・キャッシュレスなどに関する執筆・監修、書籍、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。『はじめての資産運用』(宝島社)『1日5分で、お金持ち』(クロスメディア・パブリッシング)『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)など著書多数。日本証券アナリスト協会検定会員、ファイナンシャルプランナー(AFP)、日本アクチュアリー会研究会員。
高山一恵さん
Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー
慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演活動、多くのメディアで執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。著書は『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂)、『税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)など多数。ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級FP技能士
IPOを5つのポイントで完全理解!
●IPOのポイント1:「初値売り」で儲ける
IPOの流れを大まかにいうと、①IPOする株の購入申し込み、②抽選(申し込み多数の場合のみ)、③当選者が株を購入する、④上場(初値売り)となります。
IPOで上場した株に最初につく株価を初値といいます。IPOでの投資は、この初値で売る(初値売り)が基本です。初値は、当選者が株を購入する価格よりも上昇することが多いからです。
●IPOのポイント2:驚異の勝率91.3%
2021年9月10日時点で、2021年の上場69社のうち63社の初値が上昇しました。初値が上昇した銘柄の割合(勝率)は驚異の91.3%です。IPOの勝率はこの10年ほど、毎年おおよそ8割〜9割程度で推移しています。「必ず儲かる」とはいえませんが、株初心者でも上場後すぐに初値売りするだけで利益が出しやすいのです。
●IPOのポイント3:爆発的に値上がりする銘柄も
新たにIPOで上場してくる銘柄の中には、大幅に値上がりする銘柄もあります。たとえば、ヘルスケアビジネスを手がけるBCC<7376>は、IPOの当選者の購入価格(公募価格)が1300円だったのに対し、2021年7月6日の東証マザーズ上場後の初値はなんと3350円。仮に抽選に当たって、100株初値売りしたら、それだけで20万5000円儲かったのです(売却手数料・税金は考慮せず)。IPOの銘柄のなかには、初値が2倍、3倍になる銘柄もときどき見られます。
●IPOのポイント4:IPOは買付手数料無料
株の売買には手数料がかかります。手数料の額は、証券会社によって異なります。しかし、IPOの場合は、買付手数料が無料ですから、より利益を出しやすくなります。なお、売却手数料はかかります。
●IPOのポイント5:当たるまで根気よく申し込もう
IPOは、投資家にとても人気があります。IPOのポイント1で「②抽選(申し込み多数の場合のみ)」と書きましたが、ほぼ抽選になると思っていいでしょう。ですから、当たるまで何度も根気よく申し込むことが大切です。
なお、IPOの抽選方法は、金融機関によって異なります。完全に平等な抽選にしている金融機関もあれば、申し込むほど有利になる金融機関もあります。
さらに、IPOを申し込める証券会社は、各社のIPOの手続きを行う幹事証券のみ。毎回、10社程度でしか申し込めません。また、幹事証券のなかでも中心的な役割を果たす主幹事証券では、他の幹事証券よりも多くのIPO株が売り出されます。
抽選に当たるためには、IPOをたくさん取り扱っている証券会社を選ぶことが大切です。
それでは、楽天証券・SBI証券・マネックス証券のIPOサービスを見てみましょう。なお、データは2021年9月10日時点のものです。
IPOおすすめ証券会社1:楽天証券
●楽天証券のIPOのメリット
・完全平等抽選なので、誰でも当たる可能性がある
・楽天銀行との「マネーブリッジ」で入出金の手間が省け、預金金利が0.1%に
・売却手数料が100万円まで無料にできる
楽天証券は、2021年5月に口座開設数が600万口座を突破。多くの人に選ばれているネット証券です。国内の株式投資・債券・投資信託・FX・金投資など、主だった投資はひととおりできます。つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)も好評です。
楽天証券のIPOはコンピューターを用いた完全平等抽選なので、誰でも公平に当選する可能性があります。また、IPOの申し込み時には入金が必要ですが、楽天銀行との「マネーブリッジ」を利用すれば即座に入金が反映されるので便利です。
●楽天証券のIPOの取扱実績
・2021年(2021年9月10日時点)45社
・2020年 38社
・2019年 26社
・2018年 11社
・2017年 7社
楽天証券は、かつてはIPOの取扱件数が多くありませんでした。しかし、2019年ごろから徐々に取扱件数が増加。2021年は集計時点45社と、年々取扱件数が増加しています。これからの拡大に期待できる証券会社です。
IPO株狙いだけを考えると、他の証券会社に分があるのが現状です。とはいえ、楽天証券は総合的に優れたネット証券としておすすめできる証券会社です。IPOは、複数の証券会社から申し込むことができるので、当選確率をアップさせる意味でもおすすめです。
楽天証券では2023年10月1日より国内株式手数料が0円になります(適用には手数料コース「ゼロコース」の選択が必要)。IPO株を売却するときの手数料をゼロにできます。これを活用してIPO株を初値売りすれば、まったくコストをかけずにIPO株に投資できます。
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IPOおすすめ証券会社2:SBI証券
●SBI証券のIPOのメリット
・IPO株の取り扱いが多く、主幹事証券を務めることもある
・IPOチャレンジポイントで当選確率をアップできる
・売却手数料が100万円まで無料にできる
SBI証券はネット証券最大手の証券会社。2020年には長らく国内最大手だった野村證券を口座数で抜き、600万口座を突破しています。SBI証券でももちろん、株式投資・債券・投資信託・FX・金投資などを扱っています。iDeCo(個人型確定拠出年金)は15年以上のサービス提供実績があります。
SBI証券では、IPOの抽選に外れると「IPOチャレンジポイント」がもらえます。次回以降のIPO申し込み時に、IPOチャレンジポイントを使うほど、当選確率がアップします。
●SBI証券のIPOの取扱実績
・2021年(2021年9月10日時点)67社
・2020年 85社
・2019年 84社
・2018年 86社
・2017年 85社
SBI証券のIPO取り扱い件数はネット証券随一。ほとんどの銘柄を扱っています。2021年も、9月10日時点で10社の主幹事証券を務めています。IPO株を狙うなら、ぜひ口座を作っておきたい証券会社です。
SBI証券のIPOは、7割が抽選で決まるのに対し、残り3割がIPOチャレンジポイントによって決定します。IPOチャレンジポイントは、申込ポイント数が多かった人から当たるしくみなので、コツコツと貯めて抽選に参加すればいずれ当たります!
主幹事証券は、店舗証券会社が務めることも多いのですが、SBI証券は主幹事証券をたくさん務めています。主幹事証券だと、割り当てられる株数が多くなるので、その分当たる可能性が高くなります。
>>SBI証券はこちら
IPOおすすめ証券会社3:マネックス証券
●マネックス証券のIPOのメリット
・IPO株の件数が証券会社トップ5に入る多さ
・完全平等抽選なので、誰でも当たる可能性がある
・「新規公開・公募株アラートメール」でIPOの取扱を知らせてくれる
ネット証券大手のマネックス証券でも、IPO株を多数取り扱っています。楽天証券同様、完全平等抽選なので、はじめてIPOに申し込む方でも当たる可能性があります。もちろん、マネックス証券でも国内の株式投資、債券、投資信託、FXなど、さまざまな投資が可能です。つみたてNISA・iDeCoの扱いもあります。
●マネックス証券のIPOの取扱実績
・2021年(2021年9月10日時点)38社
・2020年 50社
・2019年 45社
・2018年 50社
・2017年 49社
マネックス証券では例年50社前後のIPOの取扱実績があります。これは、店舗証券と比較しても多い方ですので、楽天証券同様、当選確率をアップするのに役立ちます。
もし一般NISA口座をお持ちならば、IPO株を一般NISAで購入するのもおすすめ。IPO株で得られた利益にかかる20.315%の税金をゼロにできます。金額が大きくなるほど、節税効果も高くなります!IPO取扱実績が多く、開設しておきたい証券会社の1つです。
新たにIPOを取り扱うときに「新規公開・公募株アラートメール」で知らせてくれるのが便利。IPOの申し込み期間は5日間程度なので、忘れずに投資ができます。
まとめ
楽天証券・SBI証券・マネックス証券の3社のIPOのサービスを比較してきました。「この証券会社がいい」と思ったら、ぜひ口座開設をして、投資をスタートするのがおすすめ。また、ひとつのIPOに複数の証券会社から申し込むことで、当選の確率がアップしますので、複数の証券会社に口座開設しておくのもいいでしょう。
知っているだけでは、お金は増えません。具体的に行動して、お金を増やしていきましょう。
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畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
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