23/11/05
楽天、SBI、マネックス…3社のつみたてNISA(積立NISA)をお金のプロが徹底比較
※本記事ではアフィリエイト広告を利用しています。
つみたてNISA(積立NISA)は、投資の利益にかかる税金をゼロにできる、とてもお得な制度。2023年6月末時点で約835万人(金融庁「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査」より)が利用しています。特にこれから投資でお金を増やしていきたいならば、つみたてNISAははじめにぜひ活用したい制度です。
とはいえ、つみたてNISAは1人1口座しか持てません。そこで今回は、数ある証券会社のなかで特におすすめできる楽天証券・SBI証券・マネックス証券の3社のつみたてNISAを徹底比較。つみたてNISAに詳しいマネーコンサルタントの頼藤太希さんとファイナンシャルプランナーの高山一恵さんに、楽天証券・SBI証券・マネックス証券の3社のつみたてNISAのおすすめポイントを教えてもらいました。
●教えてくれたのは…
頼藤太希さん
(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント
中央大学商学部客員講師。早稲田大学オープンカレッジ講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。女性向けWebメディア『FP Cafe』や『Mocha(モカ)』を運営すると同時に、資産運用・税金・Fintech・キャッシュレスなどに関する執筆・監修、書籍、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)など著書累計120万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。
高山一恵さん
Money&You 取締役/ファイナンシャルプランナー
一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演活動、多くのメディアで執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。月400万PV超の女性向けWebメディア『Mocha(モカ)』やチャンネル登録者1万人超のYouTube「Money&YouTV」を運営。著書は『11歳から親子で考えるお金の教科書』(日経BP)、『マンガと図解 定年前後のお金の教科書』(宝島社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)など著書累計120万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。
つみたてNISAを5つのポイントで完全理解!
●つみたてNISAのポイント1:投資の利益にかかる税金が20年間ゼロ
投資の利益には20.315%の税金がかかります。つみたてNISAでは、この税金が最長20年間ゼロになるので、より効率よくお金が貯められます。
●つみたてNISAのポイント2:年間40万円まで投資できる
つみたてNISAで非課税にできる投資額(非課税投資枠)は年40万円までとなっています。なお、2024年からは後述する「新NISA」がスタートしますが、2023年につみたてNISAで投資した商品は2042年まで非課税で保有し続けられます。
●つみたてNISAのポイント3:少額でもスタートできる
つみたてNISAは金融機関によっては100円からでもスタートできるなど、少額投資に対応。なお、楽天証券・SBI証券・マネックス証券はいずれも100円から投資できます。もちろん、後から増額することもできます。
●つみたてNISAのポイント4:長期の積立に適した商品が買える
つみたてNISAで購入できるのは、金融庁の基準を満たす約250本の投資信託・ETF(上場投資信託)。手数料が安く、長期間の投資に適した商品が揃っています。つみたてNISAでは、これを積立で購入することで、リスクを抑えてじっくり資産形成できます。
●つみたてNISAのポイント5:金融機関によりサービスの詳細が異なる
つみたてNISAは銀行や証券会社でスタートできますが、金融機関によって取り扱いのある商品の数が異なります。一般に、ネット証券はたくさんの商品を取り扱っており、その他のサービスも充実しています。一方、銀行や店舗証券の場合は、商品を絞り込んでいます。
つみたてNISAは1人1口座。ですから、どの金融機関でつみたてNISAを始めるかは重要な要素です。1年に1回、別の金融機関に乗り換えることもできますが、手間がかかります。
サービスが充実した証券会社でつみたてNISAをスタートすれば、後で乗り換える必要もなくなりますし、何よりお得です。そこで、つみたてNISAに適した証券会社として、楽天証券・SBI証券・マネックス証券のつみたてNISAを紹介します。
つみたてNISAおすすめ証券会社1:楽天証券
●楽天証券のつみたてNISA概要
・購入できる投資信託:203本(信託報酬の幅:年0.05775%〜1.65%)
・最低投資金額:月100円
・投資頻度:毎月・毎日
楽天証券は、2023年4月に口座開設数が900万口座を突破。楽天証券によると、国内証券会社単体では最多とのことで、多くの人に選ばれているネット証券です。つみたてNISAで購入できる投資信託の本数は200本以上。信託報酬(投資信託の保有中にかかるコスト)が0.1%を切る商品も扱っています。また、つみたてNISAでは毎月積立だけでなく、毎日積立も可能となっています。もちろん、つみたてNISAだけでなく、株式投資・債券・投資信託・FX・金投資など、主だった投資はひととおり可能。iDeCo(個人型確定拠出年金)も運営管理手数料が無料※となっており好評です。
※手数料についてのご注意 毎月発生する費用については、国民年金基金連合会、および事務委託先の信託銀行で発生するものがあります。詳細は公式サイトをご確認ください。
2023年4月には国内株式の単元未満株取引サービス「かぶミニ®︎」もスタート。通常100株単位で取引する株式500銘柄をリアルタイムで1株から取引できるようになりました。2023年6月には3,000円から・1株から株の積立投資ができる「かぶツミ®︎」のサービスも始まりました。さらに2023年10月1日より国内株式手数料が0円になります(適用には手数料コース「ゼロコース」の選択が必要)。つみたてNISAでの投資だけでなく、株式投資も少額からスタートできます。
●楽天証券のつみたてNISAのメリット
・楽天キャッシュ決済(電子マネー)の支払いで楽天ポイントが貯まる
・楽天カードクレジット決済で楽天ポイントが貯まる
・楽天ポイントを使って投資信託を購入すると楽天市場の買い物のポイントが最大+0.5倍
・楽天銀行との「マネーブリッジ」で入出金の手間が省け、預金金利が最大0.1%に
・「ハッピープログラム」で投資信託残高に応じて楽天ポイントが受け取れる
・投資情報の提供も充実
・「投信NISA週末専用ダイヤル」で土・日9時〜17時にも問い合わせ可能
楽天証券でのつみたてNISAでは楽天キャッシュ決済・楽天カードクレジット決済が利用可能。楽天キャッシュ決済では、楽天カードからチャージして支払うことで一律0.5%の楽天ポイントがもらえます。また、楽天カードクレジット決済のポイント還元率も2023年6月積立分よりアップ。楽天カードは0.5%、楽天ゴールドカードは0.75%、楽天プレミアムカードは1%の楽天ポイントがもらえます。
楽天ポイントコースとマネーブリッジを設定し、楽天ポイントを1ポイントでも使って3万円以上の投資信託を購入すると、SPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象に。楽天市場での買い物のポイント付与率が最大+0.5倍になります。
投資情報の提供も充実。誰でも見られるウェブサイト「トウシル」では、投資初心者から上級者まで対応した投資情報を発信。同じ楽天グループの「楽天Kobo」とコラボして、毎月おすすめのマネー本を無料・20%オフで提供しています。また、アプリ「iSPEED」を使って、日経テレコンを利用したり会社四季報の情報を見たりできます。
楽天証券と楽天銀行を「マネーブリッジ」で連携し、「ハッピープログラム」に申し込むと、毎月末時点の投信の残高がはじめて一定額に到達した場合に10ポイント〜500ポイントの楽天ポイントがもらえます。お金だけでなく楽天ポイントも増やせてお得です。
楽天経済圏を使う方にはSPUのポイントアップがうれしいですね。SPUは他にも楽天カードや楽天市場アプリの利用、楽天の各種サービスを使うことで、楽天市場の買い物でポイントが貯めやすくなります。
>>楽天証券はこちら
つみたてNISAおすすめ証券会社2:SBI証券
●SBI証券のつみたてNISA概要
・購入できる投資信託:208本(信託報酬の幅:年0.05775%〜1.65%)
・最低投資金額:月100円
・投資頻度:毎月・毎週・毎日
SBI証券はネット証券最大手の証券会社。2023年3月、SBI証券・SBIネオモバイル証券・SBIネオトレード証券・FOLIOのSBIグループ合計で1000万口座を突破しています。SBI証券でも、200本以上の投資信託に投資できますので、希望する商品はほとんど網羅しています。加えて、毎月・毎週・毎日のタイミングで積立投資が可能です。
SBI証券でも、つみたてNISAだけでなく、さまざまな投資ができます。株式投資ではIPO(新規公開株)の幹事を多数務めているほか、iDeCoのサービス提供実績も15年以上と、定評があります。
また、「NISAはSBIでGO!キャンペーン」では、総合口座・NISA口座開設(金融機関変更のみも可)を行い、クイズに全問正解・エントリーで2,000円がもらえるキャンペーンも実施しています(NISA口座開設完了期間12月中旬予定までが対象)。
●SBI証券のつみたてNISAのメリット
・三井住友カードのクレカ積立でVポイントが貯まる(基本還元率0.5%)
・三井住友カードの「Olive」で「三井住友カードつみたて投資」で投資ができる
・投信マイレージサービスで投資信託残高に応じてTポイント・Vポイント・Pontaポイント・dポイント・JALのマイルが受け取れる
・「NISA枠ぎりぎり注文」で非課税投資枠を使い切れる
・投資信託の積立に特化した「かんたん積立アプリ」がある
・「NISA・投信土日専用デスク」で土・日9時〜17時にも問い合わせ可能
SBI証券では三井住友カードを利用したクレカ積立が可能。Vポイントが0.5%から5%(カードの種類により異なる)貯まります。また、投信マイレージサービスによって最大で年0.25%(JALのマイルは最大で年0.125%)のTポイント・Vポイント・Pontaポイント・dポイント・JALのマイルがもらえます(どのポイントを受け取るかは自分で選べます)。
また、「かんたん積立アプリ」を利用すると、積立投資の保有状況や積立の設定がかんたんにできます。かんたん積立アプリには、リスク許容度に合わせた商品を提案する機能も付いています。
そのうえ、2023年9月30日発注分からの国内株式、2024年1月からの新NISAの米国株式・海外ETFの売買手数料が無料になります(取引報告書・各種交付書面を電子交付に切り替える必要あり)。
※VポイントとTポイントは2024年春に統合。青と黄色の「Vポイント」となる予定です。
「NISA枠ぎりぎり注文」を設定しておけば、分配金が出てつみたてNISAの非課税投資枠が減った場合に、自動的に注文金額を引き下げて購入してくれます。年40万円の非課税投資枠をフルに使い切りたい方におすすめです。
投信マイレージサービスを利用すれば、Tポイント・Vポイント・Pontaポイント・dポイント・JALのマイルのなかから好きなポイントが貯められます。普段から利用しているポイントを選んで貯めるのがおすすめです!
>>SBI証券はこちら
つみたてNISAおすすめ証券会社3:マネックス証券
●マネックス証券のつみたてNISA概要
・購入できる投資信託:199本(信託報酬の幅:年0.05775%〜1.65%)
・最低投資金額:月100円
・投資頻度:毎月・毎日
マネックス証券でもつみたてNISAで200本近くの投資信託を購入可能。100円から積立投資できるうえ、毎月・毎日積立を選ぶこともできます。
マネックス証券は昔から米国株や中国株といった外国株に定評がありますが、つみたてNISAはもちろん、株式投資や債券など、他の投資も充実しています。2024年からの新NISAでは、すべての取引の売買手数料が無料になります。
●マネックス証券のつみたてNISAのメリット
・マネックスカードのクレカ積立でマネックスポイントが貯まる(基本還元率1.1%)
・保有する投資信託の残高に応じて、最大年率0.08%のマネックスポイントが貯まる
・定期自動入金サービスで入金忘れを防げる
・資産設計をアドバイスする「MONEX VISION」が使える
・「つみたてNISA・iDeCoシミュレーション」が便利
・投資情報の提供も充実
マネックスポイントはAmazonのギフト券やTポイント、航空会社のマイルなどと交換できるポイント。マネックス証券での投資信託の購入にも使えます。投資信託を保有しているだけでもらえる、つみたてNISAと相性のいいサービスです。また「MONEX VISION」は今の自分の資産構成(ポートフォリオ)から目標とするポートフォリオに近づけるための投資法をアドバイスしてくれるツール。今後の運用プランを考えるのに便利です。投資情報サイト「マネクリ」の記事も充実しています。
「つみたてNISA・iDeCoシミュレーション」では、投資目的や年収、積立金額などを入力するだけで、つみたてNISAとiDeCoのどちらを使うべきか(あるいは、併用すべきか)をわかりやすく教えてくれます。
「定期自動入金サービス」を利用すると、指定の金融機関から月に1回無料でお金を引き出し、つみたてNISA口座に入金してくれます。入金忘れを防げますし、お給料の入った直後に設定しておけば「先取り貯蓄」にも使えます。
2024年からの新しいNISA制度が発表
2022年12月16日に公表された「令和5年度税制改正大綱」に、2024年からNISA制度が大幅に拡充されることが盛り込まれました。新しいNISA制度は「新NISA」と呼びたいと思います。
【2024年からの新NISA】
(株)Money&You作成
新NISAの特徴は、次のとおりです。
●現行の一般NISA・つみたてNISAは2023年末で買付終了
現行の一般NISA・つみたてNISAの買付は、2023年末で終了します。ただし、現行の一般NISA・つみたてNISAで保有していた資産は、2024年以降も現行の非課税期間で保有できます。
●制度の恒久化・非課税保有期間の無期限化
運用益の非課税保有期間は一般NISAが5年間、つみたてNISAが20年間でした。新NISAでは、制度が恒久化。非課税保有期間が無期限になるため、より長期間投資ができるようになります。
●年間の投資枠の拡大・生涯投資枠の新設
現行のつみたてNISAは年40万円、一般NISAは年120万円までですが、新NISAでは「つみたて投資枠」で年120万円、「成長投資枠」で年240万円、合計で年間360万円まで投資できるようになります。
また、新たに生涯にわたる非課税限度額(生涯投資枠)が設けられます。生涯投資枠の上限は1800万円(うち成長投資枠は1200万円)です。なお、商品を売却して生涯投資枠に空きが出た場合、その空きを利用して新しく非課税の投資をすることができます。
●投資商品
つみたて投資枠ではつみたてNISA、成長投資枠では一般NISAと同様の商品を購入できます。ただし、安定的な資産形成のため、成長投資枠では「高レバレッジ投資信託」などの商品は投資対象から除外されます。また、回転売買(金融機関が手数料を取るために何度も売買を繰り返させること)の規制が行われます。
新NISAが2024年からだからといって、2024年まで待つ必要はありません。2023年からつみたてNISAをスタートさせ、投資に長く取り組むのがおすすめです。
まとめ
楽天証券・SBI証券・マネックス証券の3社のつみたてNISAのサービスを比較してきました。「この証券会社がいい」と思ったら、ぜひ口座開設をして、投資をスタートするのがおすすめ。知っているだけでは、お金は増えません。具体的に行動して、お金を増やしていきましょう。
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畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
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