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21/08/17

資産運用・経済

つみたてNISA(積立NISA)とは何?基本の仕組み・メリット・デメリット・注意点をお金のプロが徹底解説

将来のお金の不安に備えて資産運用を始める方が増えています。資産運用といってもさまざまですが、これからはじめて投資する方におすすめなのは、つみたてNISA(積立NISA)を活用することです。つみたてNISAを利用すれば、税金をゼロにしながら効率よく、堅実にお金が増やせるからです。事実、ネット証券大手の楽天証券では「コロナショック」の2020年3月から2021年2月末までの約11か月でつみたてNISAの口座数が50万口座増加。100万口座を突破しています。

そこで今回は、つみたてNISAの基本の仕組み・メリット・デメリット・注意点を改めて解説。絶対押さえておきたい基礎から意外なルールまで、あますことなく紹介します!

つみたてNISAってどんな制度? つみたてNISAの基本の仕組み

NISAは「少額投資非課税制度」と呼ばれる制度です。投資で得られた税金には、通常20.315%の税金がかかります。しかし、金融機関にNISA口座を開設し、そのNISA口座内で投資を行った場合、この20.315%の税金をゼロ、つまり非課税にできるのです。

私たちが利用できるNISAの制度は3つあります。一般NISA、ジュニアNISA、そしてつみたてNISAです。この3つの制度はそれぞれ、1年間に投資できる金額や運用できる商品、利用できる人などが異なります。

つみたてNISAの概要を表にまとめましたので、まずはご覧ください。

●つみたてNISAの制度概要

筆者作成

つみたてNISAは2018年にスタートした制度。当初、2037年までの予定でしたが、制度改正により2042年まで5年間、延長されています。
2018年から2042年まで、毎年新規に40万円投資ができますので、最大累計投資金額は1000万円となります。2021年に開始した場合は、累計で880万円の投資が可能です。

2042年に投資した商品が、2061年まで非課税で運用できるのですから、2021年から始めると40年近くと長いスパンでの投資になります。ですから、今から利用しても十分にその恩恵を受けることができます。

つみたてNISAの8つのメリット

つみたてNISAのメリットは8つあります。

●つみたてNISAのメリット1:最長20年にわたって利益にかかる税金が非課税!

つみたてNISAは、年間投資上限額40万円までの投資で得られた利益を最長20年間非課税にできる制度です。この非課税のパワーは、あなどれません。
たとえば、投資で100万円の利益が出たとします。これを受け取るとき、通常の口座(課税口座)だと20.315%の税金が引かれるため、受け取れる金額は79万6850円になってしまいます。税金だけで20万円も引かれてしまうのです。しかし、つみたてNISAで投資すれば、100万円を丸ごと受け取れるのです。税金はルールに沿って支払わないといけないものですが、投資の利益を減らす立派なコストでもあります。つみたてNISAを利用すれば、そのコストをなくし、利益を最大化できるというわけです。

●つみたてNISAのメリット2:20歳以上なら誰でも非課税!

つみたてNISAを利用できる人は、日本に住む20歳以上の方です。同じく利益を非課税にできるiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は現状60歳になるまでしかお金を積み立てられません(2022年5月からは「65歳」に改正)。たとえば、今55歳の方が長期投資でお金を増やしたい場合、iDeCoでは10年間(法改正後)しか積み立てられません。しかし、つみたてNISAなら55歳でスタートして20年間という長期間、じっくりと非課税のメリットを生かして積立投資ができます。

●つみたてNISAのメリット3:100円・1000円といった少額で積立投資できる!

「投資って、お金持ちがするものでしょ」そう思っている方はぜひ考えを改めてください。つみたてNISAは、少額でスタートができます。たとえば、大手ネット証券のSBI証券・楽天証券・マネックス証券などでは、月々100円から積立が可能。その他の金融機関でも、1000円程度からスタートできます。「年40万円」の上限があるので、毎月の投資額は3万3000円程度(金融機関によって異なります)。
iDeCoは最低月5000円からという条件があります。月5000円よりも少ない金額でスタートしたい場合でもつみたてNISAは活用できます。
先に紹介した楽天証券では、つみたてNISAの毎月積立設定金額の平均(2021年5月)は2万7050円とのことですが、1万円以下の方も20%います。まずは少額から始めて、慣れてきたら投資金額を増やすのもいいでしょう。


●つみたてNISAのメリット4:設定すればあとは勝手に投資が進む! ほったらかし可能

つみたてNISAでは、指定の日に指定した金額が引き落とされ、商品が買い付けられます。一度設定すれば、あとはその設定にしたがって、淡々と投資が進んでいきます。毎月操作する手間も、売買のタイミングをはかる手間もいりません。忙しい方でも、ほったらかしにしておくだけで資産が増えるのですから、楽ですね。

●つみたてNISAのメリット5:あらかじめ絞り込まれた商品から購入できる!

つみたてNISAで購入する商品は、投資信託・ETF(上場投資信託)を購入します。投資信託は、投資家から集めたお金を「ファンドマネージャー」と呼ばれるプロの投資家が運用してくれる商品です。投資信託は1本で数十本から数百本もの株式・債券・不動産などに分散投資しています。現在、日本で販売されている投資信託は約6000本もあります。でも、このなかからいきなり選べといわれても、難しいですよね。
その点、つみたてNISAでは、金融庁の条件をクリアした、長期で資産が増やせると見込まれる商品しか購入できないようになっています。2021年8月6日時点で、全部で199本あります。このなかから選べばいいのですから、ずいぶん楽になりますね。

●つみたてNISAのメリット6:「ドルコスト平均法」で平均購入単価が安くなる!

金融商品のように、値動きのあるものへの投資は、「長期・積立・分散」投資がセオリーです。そうすることで、大きな値下がりを押さえつつ、堅実にお金を増やせると考えられます。
投資信託の値段(基準価額)は、日々上下に動きます。ですから、あるときに一括で買ってしまうと、その後に値下がりしたときに大損してしまう可能性があります。しかし、長期間、定期的に一定額ずつ積立購入すると、基準価額が安いときにはたくさん買い、高いときには少ししか買わないことになります。その結果、徐々に平均購入単価が下がるのです。こうした購入方法を「ドルコスト平均法」といいます。
平均購入単価が下がれば、一時的に相場が下落しても、再び上昇したときに、利益を出しやすくなるのです。

●つみたてNISAのメリット7:低コストの商品が選びやすい!

つみたてNISAの商品となるには、
・信託期間(投資信託の運用が行われる期間)が20年以上
・分配金の支払い頻度が毎月ではない
・手数料(信託報酬)が低水準
・販売手数料が無料
といった条件を満たす必要があります。
このなかで特に大事なのが、保有中ずっとかかる手数料、信託報酬が低いかどうかです。つみたてNISAは長期にわたる投資が基本ですから、ちょっとの手数料の差が運用成績の差になってあらわれます。つみたてNISAの商品には信託報酬が安いものが多いので、コストを抑えた投資ができます。

●つみたてNISAのメリット8:お金はいつでも引き出せる!

つみたてNISAでは、積み立てた資産をいつでも自由に換金できます。ですから、若い人ならば「住宅資金」「教育資金」、年配の方なら「老後資金」「余暇資金」などといった目的でコツコツとお金を運用していくことができます。
前述のiDeCoは、原則として60歳まで引き出すことができません。つみたてNISAにはない税制優遇もあり、老後資金を用意するのには向いているのですが、逆にいえば老後資金にしか使えません。使い勝手はつみたてNISAのほうがいいでしょう。

SBI証券[旧イー・トレード証券]

つみたてNISAの4つのデメリット

つみたてNISAは誰にでもおすすめの投資なのですが、「万能な投資」ではありません。デメリットも4つあります。

●つみたてNISAのデメリット1:元本割れの可能性がある

いくら金融庁の基準を満たした投資信託・ETFを購入するといっても、投資は投資。元本保証はありませんので、値下がりしてしまう可能性があります。もっとも、上で紹介したドルコスト平均法を活用するので、値下がりに動じずに投資を続けることで、平均購入単価を下げる期待ができます。

●つみたてNISAのデメリット2:購入できない商品も多い

つみたてNISAでは、金融庁の基準を満たした投資信託・ETF以外購入できません。対象外の投資信託・ETFや、株やREIT(不動産投資信託)といった他の金融商品などは購入できません。さらに、最近話題のFIRE(経済的自立と早期リタイア)で注目される米国株や高配当ETFなどにも投資はできません。

●つみたてNISAのデメリット3:非課税期間が期限つき

つみたてNISAの非課税期間は20年。20年経過後も商品を売らずに持ち続けることはできますが、この場合、商品が課税口座に移されてしまいます。そして、以後は利益に対して20.315%の税金がかかってしまいます。さらに、仮に課税口座に移されたときに値下がりしていると、その値下がりした金額で商品を購入したとみなされてしまい、税金で損をする可能性があります。
たとえば、ある年に投資した40万円の投信が、非課税期間の終了時に20万円に下がっているとしましょう。これを課税口座に移した場合、課税口座ではこの商品を「20万円で買った」とみなしてしまうのです。つまり、このあとに価格がもとの40万円に戻ってから売却すると、「20万円の利益が出た」として、利益の20万円に税金がかかってしまいます。

●つみたてNISAのデメリット4:損益通算・繰越控除ができない

通常、投資で得られた利益や損失には「損益通算」や「繰越控除」という仕組みが利用できます。損益通算は、複数の口座で生まれた利益と損失を合算すること。繰越控除は損失を最大3年間繰り越して、翌年の利益から差し引くことができる仕組みです。いずれも、投資の利益にかかる税金の負担を減らすのに役立ちます。
しかし、つみたてNISAは損益通算や繰越控除の対象外。仮につみたてNISAの商品が損失を抱えていても、損益通算や繰越控除をすることはできません。

たとえば、A投信で10万円の利益、B投信で20万円の損失が出ているとします。この2つの投信を2つの課税口座で取引している場合は、損益通算や繰越控除ができます。
しかし、つみたてNISA口座では損益通算や繰越控除ができないため、下の図のように、税金を減らしたり、損失を繰り越したりすることはできなくなってしまいます。

・損益通算や繰越控除ができない

筆者作成

つみたてNISAの4つの注意点

最後に、デメリットというほどではありませんが、つみたてNISAの注意点をご紹介します。

●つみたてNISAの注意点1:購入した年に売却しても非課税枠は復活しない

つみたてNISAの年間40万円までの非課税枠は使い切りです。たとえば、ある年につみたてNISAで20万円分投資し、購入した商品を売却したとします。しかし、売却しても非課税枠は復活しないので、この年内に非課税で投資できる金額は残り20万円となります。つまり、早く売却してしまうと、その分非課税で運用できた期間をみすみす手放すことになってしまうのです。
投資が進んで資産配分が偏ったとき、商品を売却・購入して配分を元に戻す「リバランス」もしにくくなってしまいます。非課税投資の恩恵をなるべく受け続けるためにも、これまで買った商品はそのまま保有しておいて、新たな商品を購入するのがいいでしょう。

・非課税枠は再利用不可

筆者作成

●つみたてNISAの注意点2:非課税枠は翌年に持ち越せない

毎年の非課税枠の40万円は、1年限りです。使い切らなくても、翌年に持ち越すことはできません。非課税の恩恵を少しでも多く受けたいならば、非課税枠は毎年40万円、なるべく使い切るほうがいい、というわけです。

●つみたてNISAの注意点3:分配金の再投資でも非課税枠を消費する

つみたてNISAで投資信託を購入したときに得られる分配金。分配金は再投資することで、お金が新たなお金を生み出す複利効果が期待できます。しかし、つみたてNISAで分配金を再投資に回すと、その分非課税枠を消費します。さらに、40万円ぴったり投資しているなどで、非課税枠を超えてしまうと、その分は課税口座で再投資されてしまいます。これを防ぐには、再投資される分配金のおおよその金額を考慮して、積立金額に少し余裕を持たせておけばいいでしょう。

・分配金の再投資の扱いに要注意

筆者作成

●つみたてNISAの注意点4:金融機関によって取扱商品が異なる

つみたてNISAの商品数は199本(2021年8月6日時点)なのですが、そのすべてがすべての金融機関で購入できるわけではありません。SBI証券や楽天証券のような大手ネット証券では、できるだけ多くの商品を扱う方針なので、だいたい揃っています。しかし、街の中に店舗を構える銀行や証券会社の場合は、商品数を数本程度に絞っている場合があります。つみたてNISAの口座を開設する前に、自分の欲しい商品が買えるかをチェックしましょう。

つみたてNISAは誰もが利用すべき制度

以上、つみたてNISAの概要・メリット・デメリット・注意点をお話ししてきました。つみたてNISAは万能な制度ではありませんが、投資初心者でも非課税の恩恵を受けながらお金を堅実に増やすことができます。

事実、つみたてNISAの総口座数は増え続けています。金融庁「NISA・ジュニア NISA 口座の利用状況調査」によると、つみたてNISAの口座数は2021年3月末時点で約361万口座となっています。2020年12月末が約302万口座でしたから、3か月で59万口座も増えているわけです。多くの人に支持されている制度だとわかるでしょう。

将来の資産を増やすためにも、つみたてNISAをぜひスタートさせてくださいね。

つみたてNISAの始め方についてはこちらの動画で紹介しています。よろしければご視聴ください。

将来のためにつみたてNISAを始めよう! おすすめ金融機関3選

つみたてNISA(積立NISA)スタートにぴったりの金融機関をご紹介します。

● 楽天証券

ここがポイント!

取扱商品が100本以上。
100円から毎日積み立て可能

・専門家による投資情報が充実している

楽天スーパーポイントで投資信託が買える

● SBI証券

ここがポイント!

ほとんどの投資信託を網羅。有力商品を選びやすい

・毎日・毎週・毎月・複数日・隔月の5つの購入タイミングを選べる

・SBIハイブリッド預金を使うと入金・出金がスムーズ

● マネックス証券

ここがポイント!

取扱商品が100本以上。100円から購入可能

チャットによる質問対応、パソコン出張サービスなどサポートが充実

アプリ・パソコンツールが豊富で使いやすさに定評

頼藤 太希 マネーコンサルタント

(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍90冊、累計150万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。twitter→@yorifujitaiki

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