17/03/01
【投資女子への道】第23話 ファンダメンタルズ分析④ 〜マーケットでは、ビックマウス君も大変だ！〜
OLの神崎美穂（37）と山口玲奈（33）は、株式投資のスクールに通っています。今回は「ファンダメンタルズ分析④」ということで、株王子・川本の講義中ですが・・・・・・。
業績予想って何？
川本「投資判断する上で最も重要な指標が、企業の『業績予想』です。PERもこの予想の利益を使って計算します」
玲奈「予想を用いるんですか？実績ではなくて」
川本「そうです。例えば、玲奈さんのパン屋さんが大人気だとします。来年は、清澄白河と目黒にもう1店舗ずつ出店するとしたら、今の1店舗だけの業績を見ても意味がないですよね」
美穂「そっか。株価は会社の将来の成長性で上がるから」
玲奈「あの、来期の業績予想はどこの会社でも発表しているんですか？」
川本「いいえ。法的な義務がないので、ソフトバンクや楽天、証券会社など、不確定要因が多く業績予想が難しい会社は発表していません。しかし、業績予想がある企業の方が、株主にとってはそれだけ情報開示がある訳で、株を買いやすいですよね」
玲奈「それはそう。彼氏は、謎のお仕事している人より、きちんと勤め先が分かる人の方が安心です」
美穂「あれ？玲奈ちゃんは、普通の人はつまんない、ビックマウス君くらいが丁度いいって言わなかった？」
玲奈「落ち着いたんですよ、私も」
川本「（笑って） 日本の企業は3月末決算が多く、4〜5月にかけて最終決算が発表されます。この時に来期の業績予想も同時に発表されます。それによって株価が動くので、私も大忙しになります」
美穂「年1回の繁忙期なんですね」
四半期ごとの利益が加速していたら買い
（画像：筆者提供）
川本「ところが、実は多くの企業は、年に4回、四半期ごとに決算を発表します。第1四半期、第2四半期、第3四半期、〇〇年決算期と続きます」
美穂「えー、大変！」
川本「ここで質問。業績予想が発表された後、第1四半期が前年と同じ期の第1四半期より利益がうんと伸びていたら、どうなります？」
玲奈「それは、業績予想より、さらに利益がプラスになるのかも？」
川本「そうです。その『かも』 で株価が動きます。それが、第2四半期、第3四半期と加速していたら？」
美穂「予想した業績より、もっと儲かりそうってことで、上方修正？」
川本「美穂さん。良くわかりましたね！」
美穂「はい！大好きなコトバですから」
川本「一方、利益が届かなければ、下方修正が発表されます」
美穂「（両手で耳を塞いで） 嫌いです。そのコトバ」
川本「実際、下方修正の場合、株価が極端に反応して、大きく下落することが多いですね」
玲奈「そんなに下がるんなら、最初から業績予想を低めに出しておけばいいじゃないですか」
川本「そうはいかないですよね。投資家の信頼を得るには、精度の高い予想を出すことが必要です。いつもビックマウス君では相手にされなくなるし、保守的過ぎても、見向きもされない。その辺りは、銘柄を継続して見続けていくと、この会社は保守的、こっちは少しビックマウス君などわかってきます」
玲奈「やっぱり一人とじっくり付き合う方が、深く理解できるってことか…、ま、ビックマウス君も大変ってことですね！」
美穂「おあとがよろしいようで」
(続く)
＊本記事で紹介する個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。購入する場合は自己責任でお願い致します。
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・第20話「ファンダメンタルズ分析① 〜イケメン社長を見つけたらリサーチ開始〜」
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岡田 禎子 「投資は面白い」がモットーなFP日本証券アナリスト協会検定会員（CMA）、ファイナンシャル・プランナー（CFP）
証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴しさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう、執筆とセミナーなどで活動中。
TVドラマ「インベスターZ」の脚本協力なども行なっています。
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