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20/08/09

家計・ライフ

猫を飼うとかかるお金まとめ!用意するべきもの完全ガイド!

アニコム損害保険の調べ(2019年)によれば、猫を飼うのにかかる年間費用は約15万円です。標準的な目安として参考になります。しかし、実際に猫を飼うようになると、何を重点的に考えるかでかかるお金も変わってきます。今回は、我が家で飼っている猫1匹あたりにかかった費用もあわせて紹介しながら、実際にかかる費用について紹介します。

猫を飼い始めるときの費用

一般社団法人ペットフード協会「令和元年全国犬猫飼育実態調査」によると、一番飼われているのは雑種猫です。雑種猫は、拾ったり、譲り受けたりで費用はとくに発生しません。一方、血統書(血統証明書)つきの猫を飼おうと思えば、費用がかかります。
実際に人気のある猫種が、どのくらいで購入できるかみていきましょう。

●血統書つきの猫たちのお値段は?

・アメリカンショートヘア  7万~38万円
筋肉質で頑丈な体を持ち、とてもフレンドリーで、遊び好きな性格が人気。大きな縞模様が特徴。

・スコティッシュフォールド  14万~35万円
オスは、やんちゃで甘えん坊、メスはのんびりした性格が人気。
折れた耳と、丸い顔が特徴。耳が折れているため、通気性が悪く、外耳炎などの病気に注意が必要。

・ペルシャ  20万~40万円
「猫の王様」と呼ばれる猫。おとなしく、物おじしない堂々とした性格が人気。
つぶれた鼻、大きな目、ゴージャスな被毛(体を覆う毛)が特徴。
長毛種であるため、艶のある被毛を維持するために、小まめな手入れが必要。

・ノルウェージャンフォレストキャット  18万~51万円
寒い国のノルウェーが原産ということもあり、もふもふの毛、ふさふさの長い尻尾が人気。大柄な体、順応性が高く、賢いのが特徴。
毛量が多いため、換毛期はごっそり毛が抜けます。小まめな手入れが必要。

・マンチカン  13万~40万円
短い足で、トコトコ歩く姿がとても可愛い猫。他の猫に比べると、体は小さめ。活発に動き、好奇心が旺盛でだれとでも仲良くなる性格が人気。

・ロシアンブルー  13万~27万円
グレーのびっしり生えた被毛とグリーンの瞳が印象的な猫。
人見知りで、独りで過ごすことも苦にならない、物静かな猫。一人暮らしでも飼いやすさが人気。

血統書つきの猫を飼うことになれば、初期費用は10万~55万円ほどが必要です。
猫種ごとにいろんな特徴があり、気をつける部分も違います。例えば、短毛の猫の手入れは簡単なブラッシングで済みますが、長毛種はトリミングなどへ連れていき、定期的な手入れが必要となることもあります。先々のことも考えながら、どの猫を飼うか考えましょう。

●猫と暮らすための初期費用

ペットショップで猫を購入したら、あわせて生活に必要なモノも準備しましょう。

①混合ワクチン 9,000円~3万円(初年度混合ワクチン3回分)
猫が感染すると厄介な病気の免疫を作るためワクチンを接種します。猫用に3~7種のワクチンがあります。費用は3,000円~1万円ほどですが、最初の年については、 生まれてから2~6か月までに3回ワクチンを接種する必要があります。翌年から、年1回だけで免疫を維持することができます。猫の生後月数によっては、ワクチン接種済の場合もあります。

②生活に必要なモノ  2~3万円
・トイレと猫砂(頭数+1が理想) 
・フード用食器・水飲み用食器(素材はプラスチックより陶器のものが理想) 
・キャットフード(1か月分)
・おもちゃ、爪とぎ、お手入れブラシ、ペットキャリーなど
特にこだわりなく標準的なものとした場合の金額です。

③健康診断
ノラ猫を保護したら、猫エイズなどの病気にかかっていないかの検査と、ノミダニ、寄生虫の駆除が必要。まず動物病院で診てもらいましょう。
・各種検査 5,000円~1万円
・ノミダニ駆除、寄生虫駆除 3,000円~5,000円

動物病院ごとにバラつきはありますが、費用の目安は、8,000円~1万5,000円ほどです。ノラ猫(雑種)を保護した際は、猫そのものに費用はかかりませんが、健康かどうか最初に確認するには、費用がかかります。とはいえ、最初に体の状態を把握しておけば、その後は安心して暮らせます。

猫と一緒に暮らすときにかかる費用とは

次は、猫と長く暮らす際にずっと必要になる費用です。
主に、変動費(猫の生活費)についてまとめます。具体的に、食費、サプリメント、猫のトイレ、被毛や口腔ケア、爪とぎ、キャットタワーなどがあります。猫が元気に長生きしすることを優先して考えました。

①猫にかかる食費
キャットフードには、ドライタイプとウェットタイプの2種類があります。ドライタイプは水分量が10%以下、一方ウェットタイプの水分量は70%以上というのが特徴。猫は、ごくごくと水を飲まない性質があります。そこで筆者は、水分を自然に摂れるウェットフードを取り入れるようにしています。ウェットフードには、「ちゅーる」などのおやつも含まれています。
・ドライフードは3,000円×12ヶ月=36,000円
・ウェットフードは5,000円×12ヶ月=60,000円

②サプリメント
食事で不足する栄養を補うため、サプリメントを活用します。6~7歳を過ぎると、筋肉量が減って内臓の働きが鈍くなるため、便秘になりがちに。乳酸菌を取り入れることで改善することがあります。猫の便臭を抑える働きもあり、飼い主にとっても、うれしい効果があります。
・乳酸菌サプリメント 2,000円×12ヶ月=24,000円

③グルーミング用品
猫は、被毛を舐めて自分でお手入れをします。その際に、毛を飲み込み、胃腸炎を起こすことがあります。健康維持には、小まめなブラッシングが必要です。夏と冬の換毛期は、自宅でシャンプーします。筆者は、シャンプーは自然素材で界面活性剤が入っていないものを選ぶようにしています。

また、猫の健康には口腔ケアも必要です。猫は、毎日の食事で口腔内に汚れが溜まり、歯周病になるケースが多いです。歯周病菌は心臓病、腎臓病などの病気を引き起こす原因になるため、口腔ケアは、毎日するのがベターです。ただ、手間もかかるため、2~3日に一回でも大丈夫です。猫の口に直接入るものになるため、天然素材のものを選ぶ方が安全です。
・シャンプー、ブラシ 年間2,000円~3,000円
・猫の口腔ケア用品 2,000円×12ヶ月=24,000円

④猫のトイレ 年14,400円
猫のトイレは猫砂だけのタイプと、ペットシーツと猫砂の2層式になったタイプの2種類があります。猫の好みが優先ですが、2層式タイプの方が、おしっこの色を正確にチェックでき便利です。猫は、膀胱炎や尿管や腎臓にミネラルの石ができる尿結石などの泌尿器系トラブルが多い動物なので、トイレ掃除の際に、健康チェックをするようにしましょう。また、とても清潔好きな猫が気持ちよくトイレできるよう、筆者は毎日のトイレシートの交換以外に、トイレそのものを1~2週間に一回は洗うように心がけています。
・システムトイレのシート、猫砂 1,200円×12ヶ月=14,400円

⑤爪とぎ、キャットタワー
猫の爪とぎは本能の行動です。特に、賃貸物件にお住いの方は、しっかり準備しないと、壁や柱などに傷をつけてしまいます。また、室内で過ごす猫のストレス発散のために、上下運動は大事です。キャットタワーでは、爪とぎと運動を兼ねることができ便利です。大きさもいろいろあるため、部屋の広さにあったものを選べます。ボロボロになるため、状況に応じ買い替えが必要になります。
・爪とぎ 1,000円×12ヶ月=12,000円
・キャットタワー 6,000~10,000円 (年1回ペースで買い替え)

健康で過ごすことを目標にすると、毎日の食事・衛生管理などの費用と合わせて、世話にかける時間も相当です。小まめに管理すれば、大きな病気を防ぐことができます。

猫の万が一のときに必要な費用

猫の万が一に備える費用に、ペット保険や毎年の健康診断・ワクチン費用、光熱費があります。これらは、毎年、固定的にかかる費用になります。

①ペット保険・ペット貯蓄
ペット保険は、人間のように公的健康保険制度を持たないペットの万が一の病気やケガを備えるための便利なツールです。高額化するペットの治療費用を抑えることができます。一方、ペット貯蓄は、ペットの万が一に備える貯蓄です。毎月、少しずつお金を積み立て、高齢化したときの治療費に備えます。

ここは、飼い主ごとに考え方が分かれる部分となります。最近のペット保険は、保険料、補償内容が充実したものが多くなっています。必要なポイントを絞れば、費用を抑えることもできます。我が家は、20歳近い高齢猫が多く、ペット保険に加入できる年齢の頃は、今ほど選択肢も広くなかったため、ペット貯蓄で準備しています。
・ペット貯蓄 2,000円×12ヶ月=2万4,000円

②健康診断やワクチンなど予防費
猫が15歳になるころまでは年1回の血液検査で健康状態をチェックします。15歳以上になると、慢性疾患リスクも高まり、注意が必要になるため、年に2回に増えます。
ワクチンは、年齢に関係なく3種混合ワクチンを継続し、免疫が落ちないようにしています。
・15歳未満は年1回の血液検査による健康診断 9,900円
・15歳以上は年2回の血液検査による健康診断 9,900円×2回=19,800円
・3種混合ワクチン 3,000円(年1回)

③光熱費
家の中で暮らす猫は、熱中症リスクがある夏場は、冷房が欠かせません。また、冬場はペットカーペットなどで寒さを予防します。
・年間を通して追加となる光熱費 600円×12ヶ月=7,200円

まとめ

アンケートの猫を飼うのにかかる年間費用15万円に対して、我が家の費用は、23万円ほど。高齢猫ということもあり、食費にかける費用が多い傾向となりました。

このように、猫も飼うとなれば、それなりのコストがかかってきます。また、お金だけでなく、手間も時間もかかります。しかし、猫との暮らしは、日々を楽しくするかけがえのないものです。大事な家族となる猫と充実した生活には、計画的なお金の準備が要です。

舟本美子 ファイナンシャルプランナー

「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー

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