20/07/17
ペットとの生活費、犬は猫の2倍!? ペットを飼うための費用はいくらか
最近ではコロナウィルスの感染症を避け、自宅にいる時間が増えています。動画などで見る、愛らしいペットの姿をみていると「かわいいな」「欲しいな」という気持ちになるものです。
しかし、ペットはモノとは違い、生き物です。一緒に生活するとなると、いろんな費用がかかってきます。かわいいという理由で衝動的にペットを飼ってしまった後、「こんなはずでは…」という後悔をしないためにも、事前に、ペットを迎え入れるとかかるお金について把握しておくことが大切です。そこで、今回はペットを飼うとき、飼った後にかかる費用を紹介します。
ペット購入時にかかる費用をチェック!
ペットで人気があるのは、やはり犬と猫。一般社団法人ペットフード協会「令和元年全国犬猫飼育実態調査」によれば、犬の飼育数は約879.7万頭、猫の飼育頭数は約977.8万頭となっています。とても多くの人がペットと一緒に生活していることがわかります。では、実際に犬や猫を購入する時にどのくらいの費用がかかるのでしょうか。犬と猫、わけてみていきましょう。
●犬を購入するときにかかる初期費用とは?
一般社団法人ペットフード協会「令和元年全国犬猫飼育実態調査」によれば、人気の犬種1~4位は、トイ・プードル、チワワ、柴犬、ミニチュア・ダックスフンドでした。しつけ、散歩、家の中での飼育を考えると、小型~中型の大きさはちょうど良く、人気がでるのは頷ける気がしますね。
これら血統証明書がついている犬は、ペットショップで購入するとなれば、20~50万円ほどの値段がついています。それ以外に、犬を購入するときにかかる費用は以下のようなものがあります。
①役所へ犬の登録
犬を飼うことになったら、お住まいの市区町村の保健所生活衛生課への登録が必要になります。登録にかかる費用は1頭あたり3,000円です。
②狂犬病の予防接種
狂犬病は、犬だけでなくヒトにも感染する病気であり、万が一、発症すると治療法がない怖い病気です。そのため、日本では「狂犬病予防法」が定められ、年に1回の予防注射を受けることが義務づけられています。狂犬病予防接種には、3,500円ほどの費用がかかります。もし、法律に違反した場合は、20万以下の罰金が課されてしまいます。愛犬や家族、友人を守るためにも必ず予防接種を受けましょう。
③混合ワクチン
狂犬病予防接種のように法律で定められているものではありませんが、犬が病気にかからないよう、免疫をつくるための3種~11種の混合ワクチンを接種します。費用は1回あたり5,000円~1万円くらいになり、動物病院ごとに少し違いがあります。子犬の場合、ワクチンを有効に働かせるため、最初の年は2~3回接種が必要になります。その後、年1回ずつになります。
④生活に必要なモノ
犬と生活するために準備するモノは以下のようなものがあります。
・ケージ
・トイレとトイレシート
・フード用食器・水飲み用食器
・ドッグフード
・おもちゃ、お手入れブラシ、首輪、ペットキャリーなど
小型犬、中型犬であれば、だいたい2~3万円ほどですべて揃えることができます。
●猫を購入するときにかかる初期費用とは?
一般社団法人ペットフード協会「令和元年全国犬猫飼育実態調査」によれば、人気の猫種は、雑種です。犬との出会いはペットショップというケースが多いようですが、猫は子猫を保護するケース、友人・知人からもらうケースなどが多いようです。この場合、ペットを購入する費用はかかりません。しかし、ペットショップなどで血統証明書のついた猫種を購入するとなれば、やはり20~50万円ほどかかります。
それ以外に、猫を購入するときにかかる費用には、以下のようなものがあります。
①混合ワクチン
犬と同じく猫も、感染すると命の危険が伴う病気を予防するため、混合ワクチンを接種します。ワクチンには3~7種の混合のものがあり、どれを選ぶかで費用が違います。費用は1回あたり3,000円~1万円くらいです。動物病院ごとに少し違いがあります。子猫も子犬と同じく、ワクチンの効果を高めるため、最初の年は2~3回の接種が必要になり、その後は年に1回のみとなります。
②寄生虫の検査
ノラ猫を保護した場合、ノミやダニ、寄生虫に感染していることが多くあります。ノミや寄生虫は、ヒトにも感染し、思わぬ健康被害を引き起こす可能性があります。一緒に生活するのであれば、衛生面での注意は大切です。家族、友人を守るためにも動物病院で検査をしてもらいましょう。検査・虫下しの投薬も含めて費用は、3,000~1万円ほどになります。
③生活に必要なモノ
・トイレと猫砂(頭数+1が理想)
・フード用食器・水飲み用食器
・キャットフード
・おもちゃ、爪とぎ、お手入れブラシ、ペットキャリーなど
犬と同じく、猫の場合も2~3万円ほどですべて揃えることができます。
以上を踏まえると、購入時の費用は犬も猫もおおよそ30万円〜60万円程度だといえます。
ペットとの生活費は犬が猫の2倍!
犬や猫などペットは、飼い始めるときの費用もいろいろですが、その後、ペットと生活する際、継続的にかかる費用をみていきましょう。継続的にかかる費用を把握しておけば、予算管理に役立ちます。
アニコム損害保険の調べ(2019年)によれば、犬にかける年間費用は約30万円、猫は約15万円です。それぞれの費用をみてみることにしましょう。
●ペットにかける年間支出費用
出典:アニコム損害保険株式会社「毎年恒例!ペットにかける年間支出調査(2019年)をもとに筆者作成
●犬を飼うときの年間費用
犬の年間費用のなかで大きな割合を占めている項目は「病気やケガなどの治療費」「フード・おやつ」「シャンプー・カット・トリミング代」「ペット保険料」などがあります。
トイ・プードルや、ミニチュアダックス、チワワなどの長毛種のシャンプー・カットは、見た目の清潔さ、健康管理としても必要です。また、散歩など飼い主と出かける機会が多い犬は、他の犬と遭遇し、ケガをすることも考えられます。犬の歯は結構鋭いため、噛まれた傷口は小さくても深くなることもあります。
犬には、人間のような健康保険制度はありませんが、ペット保険を備えることで、急なケガで治療費がかかりすぎるという出費を避けることができます。さまざまな人、動物と出会う機会の多い犬は、トラブルを招かないためのしつけは大事です。場合によっては、トレーナによるしつけ・トレーニングを利用することも必要になります。
●猫を飼うときの年間費用
猫の年間費用のなかで大きな割合を占めている項目には「フード・おやつ」「ペット保険料」「病気やケガの治療費」などがあります。猫の場合は、年齢に関係なく尿結石や膀胱炎など泌尿器系のトラブルを招くことがあり、日ごろからの、食事管理、衛生管理はとても大切です。万が一に、病気になっても早めに治療すれば、心配はありません。
猫も人間のような健康保険制度がないので、ペット保険を利用しながら、万が一の病気に備えることが必要です。一生の大半を家の中で過ごすことになる猫にとって、ストレス解消になるキャットタワー、爪とぎなどの買い替えも必要になります。
今の住居はペットが飼える環境ですか?
現在のお住まいがペットに適した環境かどうか把握しておくことも大事です。ペットに適した環境かどうかを考える場合、物件自体がペットOKかということ以外に、ペットが安心して暮らせる環境かどうかという点もチェックしておきましょう。
というのも、犬・猫どちらも聴覚が発達しているため、1日の大半を過ごす住環境が騒がしいと、ストレスを感じてしまうからです。犬や猫がストレスを抱えると、さまざまな問題行動を招いたり、健康不慮につながったりすることになります。そうなれば、楽しいはずのペットとの生活が、飼い主の悩みの種になってしまいます。人間のように話ができないペットがリラックスできるかどうかしっかり確認しましょう。
まとめ
ペットとの暮らしは、毎日の喜びや癒しも与えてくれる心の美容液のようなものです。そんなペットとの暮らしにはいろんな費用がかかるものです。これからペットを飼うことを考えるなら、まずは費用をしっかり把握することポイントです。何にどれだけかかるかイメージできれば、責任を持った飼い方ができます。そうすることで、ペットとの暮らしはより一層充実したものになります。
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舟本美子 ファイナンシャルプランナー
「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー
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