17/11/21
ペットにかかる費用は意外と多い!? 飼う前に知っておきたいお金のこと
「動画を見ていると、つい欲しくなっちゃって」と、ひとり暮らしの女性からペットの購入を機に家計相談されることが続いています。家に帰ったときにペットが出迎えてくれると嬉しい反面、食事代や予防接種など予想以上の出費に戸惑うことも。
今回は、ペットを飼うことでかかる費用についてご紹介します。
購入時にかかる費用
ペットと言っても犬や猫、爬虫類や熱帯魚など種類は様々。かかる費用も大きな幅があります。犬の場合は「犬種」や「血統証明書の有無」によって価格に違いがあり、生後90日を過ぎた犬を飼う場合には市区町村への畜犬登録と狂犬病予防接種を行うことも義務付けられています。
ひとり人暮らしの家計で購入できるのは小型犬がほとんど。家で飼うためのゲージやペットシーツなどの準備も必要です。ペットショップで購入する場合は、それらも含めていくらかかるかを聞いておくと安心です。
ペットを飼うためにかかる維持費
ペットの購入費用だけでなく、ペットを飼うためにかかる維持費も事前に把握しておかなければならないでしょう。アニコム損害保険の調べ(2016年)によれば、犬にかける年間費用は34万円、猫は16万円だそうです。
ペットにかける年間支出額
出典:アニコム損害保険株式会社「毎年恒例!ペットにかける年間支出調査(2016年)」
例えば、犬を飼い始めてからかかる費用として、ペットフードなど家の中でかかる費用の他に散歩用の首輪やリード、動物病院へ行くときなどに使用するドッグキャリーも必須です。シャンプー代やトリミング代、ノミやダニの駆除費用など清潔に保つための費用もかかります。
病気や怪我の治療費もばかになりません。避妊、去勢手術をする場合、手術料以外に麻酔料・血液検査料・入院費用・薬代などが必要です。ペットも寿命が延びているので、人間と同じように「がん」になったり、白内障になったりと手術の後も治療が続く病気になることも考えられます。
ペットには公的な保険制度はなく、病院でかかる費用はすべて飼い主の負担。ペット保険に加入するなど、経済的な負担を軽減してくれるサービスの利用も検討したいところです。
この他にも、しつけ・トレーニング料や、出張・旅行など一緒に連れていけないときのペットホテル代、ドッグラン施設を利用する費用なども想定しておきましょう。
また、犬は体温調節が苦手なので、ペット用冷暖房器具が必要な場合もあります。ペットを残して留守にするときは、エアコンをつけっぱなしにするという人も。電気代の請求が来て驚いたという話もよく聞きます。安易に飼うと決めずに、後々かかる費用についてもしっかりとチェックしておきましょう。
今の住居はペットが飼える環境ですか?
そもそも住んでいるところが、ペットを飼っていいのかどうか調べておく必要があります。ペットOKの物件でも、犬の鳴き声がうるさいと苦情が入り泣く泣く手放したという人もいます。子犬の頃はかわいくても、成犬になると家の中では飼えなくなることも。近所に迷惑をかけないために躾をきちんとする、家で飼いやすい犬種を選ぶといった工夫も大切です。
ペットを飼うことは命を預かること。最期のときまで寄り添う覚悟が必要です。どれだけの経済的負担が掛かるのかを知って、ペットが寿命を迎える最期の日まで飼う余裕があるかを考えてみてください。
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辻本 由香 おふたりさまの暮らしとお金プランナー
企業の会計や大手金融機関での営業など、お金に関する仕事に約30年従事。27歳で阪神大震災、43歳で乳がんを発症した経験から、備えることの大切さを伝える活動を始める。現在は奈良で独立系のFP事務所を開業。セミナーを主としながら、子どものいないご夫婦(DINKS・事実婚)やシングルの方の相談業務、執筆も行っている。著書『がんを生きぬくお金と仕事の相談室』(河出書房新社)。
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