20/06/29
1000万円以上貯蓄している人が、最低限守る5つのルール
貯蓄をすると一口に言っても、やり方は人それぞれ。仕事、暮らし方、価値観などが異なれば、収入だけではなく支出をする項目や金額も、大きな違いがあるからです。
それでも、1000万円以上の貯蓄をしている人には、共通する貯蓄を成功させるルールがあります。ルールを守ることで、1000万円以上の貯蓄がグッと近づきます。
さて、どのようなルールなのか順番に見ていきましょう。
ルール1:貯蓄の王道は、先取り貯蓄。残ったお金でやりくり
1000万円以上の貯蓄を早く実現させようとするなら、生活費の節約は必要です。では、節約を心掛けて支出をしていけばいいのでしょうか。
お給料など、毎月の収入があったら節約しつつ食費や日用品を購入し、水道光熱費が預金から引き落とされ、1カ月間使って残った分を貯蓄する。このような計画ではお金はなかなか貯まりません。
お金は手元にあれば使ってしまうもの。お財布にたくさん入っていれば気が大きくなり、いつもなら買わないものにまでお金を払ってしまうことはよくあります。
逆に考えると、お金は無ければ使えません。お財布に入っていなければ無いなりに、なんとかしようと考えます。自分だけは強い意思があるので大丈夫、などと過信してはいけません。
1000万円貯蓄をする人は、収入があったら貯蓄分を先取りして貯めます。そして、残った分で生活費をやりくりしていくのです。
意思が弱いわけではありません。強い意思は、貯蓄を先取りする時に発揮します。毎月5万円を定期預金に貯めていく、と決めたら、「今月はイベントが多いから4万円でいいかな」、などと自分に言い訳をして貯蓄分を減らすことはしません。
自分で決めた先取り貯蓄の金額を、しっかり守り続けているのです。
あるいは、強制的に先取り貯蓄ができる仕組みを作ってしまいます。
勤務先で財形貯蓄や社内預金の制度を利用すると、給与から貯蓄分が差し引かれて振り込まれますので、最初からなかったものとして生活費を考えられるのです。
そのような制度がなくても、金融機関の自動入金サービスを利用する方法もあります。給与が振り込まれる口座から、別の金融機関で開設した貯蓄用口座に自動的にお金を入金させられるので、しっかり貯蓄を続けられます。
ルール2:予算を立てて、守って、振り返る【家計のPDCA】
それでは、先取り貯蓄の金額はどのように決めているのでしょうか。早くたくさん貯めたくても、無理のある貯蓄金額では、結局引き出して使ってしまいます。
まずは自分が生活費にいくらの支出をするのか、現状の把握をすることが大切。
食費、日用品費、水道光熱費、携帯電話代の他に、ヘアサロンや化粧品などの美容代、服や靴とそのメンテナンスに使う衣料代、習い事をしていればそちらにもお金がかかります。
また、家賃または住宅ローンの支払い、生命保険・医療保険など、毎月決まった金額の支払いもあります。
支出の把握をするには、家計簿をつけることがよいとされています。ただ、なかなか続かないことも。頑張ろうと決心したものの、ほどなく挫折してしまった人は少なくありません。
家計簿を続けるコツは、完璧を目指さないことに尽きます。
少しくらい計算が合わなくても大丈夫ですし、使途不明金は支出の1割までなら許容範囲内と考えて、完璧な計算よりも続けることを優先させましょう。
スマホで使える家計簿アプリを利用すると、スキマ時間に記録ができていいですね。
また、ノートにレシートを張り付けて、合計金額を計算するだけの方法も、手間がかからなくて続けやすいものです。
支出を項目ごとに計算したら、検証をします。無駄遣いはなかったか、もっと節約できたのではないかなど、家計の記録は検証のための資料です。
そして、検証をふまえて翌月の予算を立てます。
予算を守って支出を管理・記録して、月末には検証、そしてまた次の月の予算を立てて、と繰り返すことで少しずつ家計が改善していきます。
ルール3:支出にはメリハリをつけてストレスフリーに
このように、支出を計画的に管理するには予算を立てて守ることが必要不可欠です。
しかし、あまり厳しく考えすぎるとかえって逆効果になることも。
1000万円貯蓄をする人は、全ての支出を切り詰めてギリギリまで頑張るようなことはしません。我慢しすぎるとかえってストレスがたまり、何のための節約だかわからなくなってしまいます。
節約は貯蓄のため、貯蓄は夢や希望の実現のため、つまり自分の幸せのためです。幸せのためにストレスをためていては本末転倒。ストレスがたまりすぎて散財に走ってしまったら、それまでの努力が水の泡です。
予算を立てる時には、メリハリをつけると上手くいきます。
節約するべき費用は削り、自分の楽しみのための費用は十分確保します。そしてしっかり守る。大切なのは、計画=予算を立てることと、守ること、検証すること。決してガマンをすることではないのです。
ガマンばかりの暮らしは楽しくありません。メリハリのある支出で暮らしを楽しみながら貯蓄をすると、無理なく計画通りに続けていけます。
ルール4:決めた事をすぐ実行。「時間ができたら…」の甘えは絶対しない
支出を検証すると、「もう少し費用が抑えられたらな」、と考える項目はどうしても出てきます。そんな時、雑誌やインターネットなどで良さそうなヒントを見つけることもあるでしょう。
1000万円貯蓄をする人は、良さそうだと思ったことはとりあえず試してみることが多いようです。
やってみてダメだったら、また元に戻せばいいのです。どんなに効果的、と紹介されている節約方法でも、自分に合わないことはあります。合わなければ長続きしません。トライ&エラーを繰り返すうち、自分なりのスタイルが形になってくるのではないでしょうか。
1000万円貯蓄をする人に聞いてみると、成功続きだったわけではありません。
予定通りに貯蓄できない時期があったり、おトクだと思って買ったものが粗悪品だったり、そんな失敗を繰り返しながら、大きな貯蓄を作っていったのです。
やると決めたらすぐに実行にうつす、ダメだったらやめる、そんな行動力が大きな貯蓄をする人にはあります。
ルール5:貯蓄の目的、目標額、期限を決める
さて、そもそも貯蓄とは何のためにするのでしょうか。それは、人によってさまざまな思いがあるのだと思います。
マイホームなど欲しいものを買うため、起業するため、老後の不安を解消するため…。では、希望をかなえるには、そのお金はいつまでに必要なのでしょうか。
金額は「少しでも多いほうがいい」、期限は「早ければ早いほどいい」などと漠然としていると、1カ月にいくらずつ貯めていけばいいのか予定が立ちません。予定が立たないと、せっかく頑張って貯蓄をしていても順調なペースなのか、それとも遅すぎ、あるいは早すぎなのかもわかりません。
将来的な見通しが無ければ、頑張る張り合いがなくなり、その結果貯蓄を続ける気持ちを失うことにもつながりかねません。
1000万円貯蓄をする人は、貯蓄の理由と目標額・期限を明確にしています。そうすることによって、最も効率的な貯蓄方法を選ぶことができるので、貯蓄が着々と進みます。貯蓄が計画通りに進めばさらにモチベーションがあがる、といい循環ができていきます。
「1000万円の貯蓄」という大きな目標にゴールするには、決して短くない道のりがかかります。気持ちを保つためにも、いつまでに貯めるのか、期限をしっかり決めておくといいのです。
1000万円の貯蓄は特別なことではありません。しかし、誰にでもできるわけではありません。
何のために1000万円貯蓄をするのか、そしてそれはいつまでなのか、まずはじっくり考えてみてはいかがでしょうか。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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