18/10/17
自分のお金が社会にインパクトを起こす「ソーシャルレンディング投資」
10月2日(火)、日本を支える金融の街、日本橋兜町・茅場町にてクラウドクレジット株式会社主催「女性のためのソーシャルレンディング勉強会」が開催されました。
勉強会は3部制となっていて、第1部は「クラウドクレジットの会社紹介やソーシャルレンディングの仕組みについて」、第2部は「具体的なファンド事例の紹介」、第3部は「社会インパクト投資について」でした。
講師は、第1部は広報・マーケティング部の水野綾香さん、第2部は商品部の松浦麗華さん、第3部は人事部兼法人営業部の原佑理子さんです。
参加者は10名ほどで、まだソーシャルレンディングに一度も投資をしたことがない初心者が集まりました。
今回はその内容をちょこっとご紹介したいと思います。
クラウドクレジットってどんな会社?
冒頭にクラウドクレジット株式会社(以下、クラウドクレジット)の紹介がありました。
クラウドクレジットは2013年1月に設立した会社であり、投資型クラウドファンディング(いわゆるソーシャルレンディングのこと)サービスの運営を行っています。
なお、クラウドクレジットは、9月22日より中京圏でテレビCMを放映していて、そのムービーが流れました。
クラウドクレジットが扱うソーシャルレンディングは、主に発展途上国への支援。
ムービーでは、ケニア・メキシコなどの現地の街並みや支援を受けた方のインタビューなども流れ、途上国への投資を通じて、生活へ役に立つことはもちろん、経済発展を促しているということが伝わってきました。
クラウドファンディングは大きく分けて3つ、細くは5つに分類される
© Money&You Inc.
クラウドファンディングは大きく分けて「寄付型」「購入型」「投資型」の3つに分類できます。
寄付型は、金銭的・物質的なリターンなどの見返りを求めずにプロジェクトに出資をするものです。購入型は、プロジェクトを支援することで、サービスや商品など、金銭以外のリターンが得られるもの。投資型は、プロジェクトに出資をすることで、金銭的リターン(分配金等)を得られるものです。
投資型はさらに「ファンド型」「株式型」「貸付型(ソーシャルレンディング)」の3つに分かれています。
そして、ソーシャルレンディングと一口に言っても、国内に23社ほど運営会社があり、貸し出し先の事業内容や地域も異なります。国内の運営会社は、ほとんどが不動産開発や再生可能エネルギーが貸し出し先ですが、クラウドクレジットのソーシャルレンディングは海外に特化しているのが特徴です。
成長需要の大きい発展途上国に対して、資金余剰国(特に日本)のお金を移したいという事業コンセプトのもと、クラウドクレジットは事業を推進しています。
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ソーシャルレンディングの魅力は?リスクは?
気になるソーシャルレンディングの魅力、そしてリスクは次のように説明がありました。
●ソーシャルレンディングの魅力は?
・債券や預金よりも利率が良い
・少額からの投資が可能
・金融市況の動向に直接影響されない
●ソーシャルレンディングのリスクは?
・元本が保証されていない
・流動性が低い(満期まで解約できない)
・期待利回りを下回る可能性がある
広報・マーケティング部の水野綾香さんから「高いリターンが期待できる資産ですが、流動性が低い、元本が保証されていないなどのリスクもありますので、資産の10%程度を目安にポートフォリオに組み入れてほしい」とありました。
また、「1つのプロジェクトだけに大きな金額を入れるのではなく、5〜10コのプロジェクトに分散して投資するのが良い」とありました。
気になるクラウドクレジットの実績ですが、累計出資金額は135億円(2018年9月28日時点)、投資実績の平均利回り7.8%(2018年7月末時点)とのこと。元本割れしたプロジェクトは4%ほどありますが、理由としては資金回収ができなかったわけではなく、為替変動による為替差損とありました。
なお、クラウドクレジットは、2018年6月に「社会インパクト投資宣言」を発表しています。これは、投資家から集めたお金が、現地に届いてどのように影響があったのかを数字で計測し、今後情報を公開していくというものです。
具体的なファンド事例を紹介
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第2部では、商品部の松浦麗華さん本人が、実際に携わった「メキシコ女性起業家支援ファンド」と「パキスタン未電化地域支援ファンド」の説明がありました。
今回はそのうち「メキシコ女性起業家支援ファンド」についてご紹介します。
●「メキシコ女性起業家支援ファンド」ってどんなファンド?
・そもそもメキシコは人口1億3000万人(2017年時点)いるが、約半分が金融機関の口座を持っていない状況
・メキシコには400万社の零細企業があり、1割が女性起業家。その女性起業家たちに、USD200と少額の貸付をしている金融機関がオアハカ州にある
・「メキシコ女性起業家支援ファンド」とは、「女性起業家に貸し付けるオアハカ州の金融機関」への支援ファンド
なぜ、この金融機関が女性起業家に特化して貸し付けているのか、その理由は、商品部の松浦麗華さんによれば、メキシコでは女性起業家の信用力が低く金融機関からお金を借りられる人が少ないからだそうです。
信用力が低い理由は二つあり、一つは、事業を副収入としてやっているから事業の継続性に懸念があるから、もう一つは担保に差し入れするような資産がないからとのこと。
なお、USD200という金額は日本円で約2万3000円(2018年10月15日時点)ですが、メキシコの平均月収は400USD前後くらいなので、現地の人にとっては決して少ない金額ではありません。
社会インパクト投資とは?
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第3部では、社会インパクト投資の定義や目的についての説明です。
社会インパクト投資とは、金銭的リターンと並行して社会的・環境的インパクトを同時に生み出すことを意図する投資とのこと。リスク・リターンと同じく測れるもので、社会に改善をもたらす前向きな変化、とありました。
「社会」と「投資」が一緒になる言葉は意外と多く、それらとの違いについてもわかりやすく解説がありました。以下、言葉の整理です。
・SRI(Social Responsible Investment)
「社会的責任投資」と訳される。軍需産業、たばこ産業、原子力産業、アルコール産業、アダルト産業といった産業に投資をしないという概念。
・ESG(Environment, Social, Governance Investment)
「環境・社会・ガバナンス投資」と訳される。環境は地球温暖化、水資源、生物多様性など。社会は女性の活躍、従業員の健康など。ガバナンスは取締役の構成、公正な競争など。これらを投資に組み込もうという概念。
・SII(Social Impact Investment)
「社会インパクト投資」と訳される。投資収益の最大化と社会貢献の双方を意識した投資のこと。
・CSR(Corporate Social Responsibility)
「企業の社会的責任」と訳される。企業が、本業を通じて社会的課題を解決し社会の持続可能な発展を図ることに貢献するとともに、企業価値を創造し競争力を向上させることをミッションや戦略に実践する取り組み。
・SDGs(Sustainable Development Goals)
「持続可能な開発目標」と訳される。2030年までに、市民、行政、企業等世界中全ての人が一丸となって、貧困の撲滅や自然環境の保全等、世界が持続可能な発展を実現するための指針。
以上、「女性のためのソーシャルレンディング勉強会」のセミナーレポートをお届けしました。
クラウドクレジットでは、他にも勉強会やイベント・セミナーを実施しているので、気になった方は是非参加してみてはいかがでしょうか。
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Mocha編集部 モカ編集部
『Mocha(モカ)』では、ひとりでも多くの女性がお金の知性を身につけ、自分らしい人生を送れるよう、マネーやキャリアに関する、旬な話題、著名人のインタビュー、お得な情報などを独自視点でお届けしています。
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