19/08/10
世帯年収1000万円なら安心?破滅へ向かう女性にありがちな3つの失敗
こんにちは、婚活FP山本です。世帯年収1000万円というのは、一つの勝ち組気分を味わえる水準といえます。しかし一方で、世帯年収1000万円なのに老後破産へ向かう夫婦もいるのが実情です。今回は、まさにそんな女性からの相談実例を、考察を通してお伝えします。
年収700万円男性と結婚した……から?
相談者は、当時30代後半の既婚女性、陽子さん(仮名)です。20代半ばで年収700万円の会社員と結婚し、後に子供を3人授かりました。2人目を授かった頃に会社を辞めてパート勤めに切り替えましたが、旦那さんは年収900万円になっており、世帯の年収は1000万円だったのです。ですから、不安は一切なかったそうです。
順風満帆の夫婦生活は、2人目の子供が中学に上がった頃から狂いだしました。世帯年収は高いはずなのに、生活が苦しくなってきたのです。なんとなく不安を覚えた陽子さんは、こうして筆者の元へ相談に来られました。
「何が悪いのか分からない。このままで大丈夫なのでしょうか?」
一見すると、生活水準は周囲と大きく変わらず、それでいて世帯年収は高めの陽子さん家族です。当初は本当に不思議がっておられましたね。でも……筆者からすると「当たり前」で、しかもすでに「かなり危険な状況」だったのです。
失敗1:子沢山……大学費用合計2100万円
教育費というのは「年々上がる」性質があります。子供が小さなときは割安ながら段々と上がり、特に最後の大学費用は私立文系大学なら「4年総額で一人約700万円」必要です。この金額が「子供の人数分」ですから、陽子さんなら2100万円必要になりますね。
大学どころか中学に入った程度で苦しさを感じているのですから、このままでは高校すら3人の進学は厳しくなりかねません。奨学金や教育ローンといった対処法もありますが、あくまで一時しのぎにしかなりませんから、老後も見据えれば抜本的な家計改善が必要です。
子は宝、授かりものとはいえ、できれば事前に家族計画を考えたかったですね。
失敗2:高生活水準……生活コスト年950万円
確かに世帯年収は1000万円と高めでしたが、だからこそ生活水準も高めでした。年間貯金額は「せいぜい50万円程度」です。差引950万円もの金額を生活コストとして使っていました。教育費などの「未来に必要なお金」を、まるで考えなかったからこそ……でしょうね。
生活水準というのは、一度上がると簡単には下げられません。教育費だけを考えても単純計算で年250~300万円、月に20~25万円の削減が必要ですが、とても早急にはムリな水準です。陽子さん的には、「たまのちょっとした贅沢が少し多かっただけ」だそうですが……。
「世帯年収が高いからこそ生活水準も高い」という失敗は、極めて頻繁に見かける事例です。あなたも強くご注意下さいね。
失敗3:退職……収入損失6000万円+α
退職前の陽子さんの年収は約300万円でした。退職して年収100万円(扶養の範囲内)になりましたが、もし退職しなければ毎年プラス200万円です。退職当時から定年まで考えれば、約30年分で6000万円もの収入を失ったことになります。極めて大きいですね。
それだけではありません。現役中の収入の減少は、そのまま「未来に受け取る年金額の減少」にも繋がります。そもそも扶養なら国民年金になりますから、なおさらです。陽子さんは退職して長く、すでにフルタイムでの労働意欲も失っておられたうえ、旦那さんの年収もさらに上がる見込みは薄いとのことでした。
未だに多くの女性が夢見る「専業主婦」の、極めてよく見かける実情です。子供がいれば厳しいものの、似たような状況の女性は、早めに再就職すべきかもしれませんね。
「過度な安心感」こそ破滅の元
誰だって、年収は高いほうが安心です。ただ、「年収が高ければ大丈夫」とは言い切れず、過度な安心感を持つと破滅の元になりえます。筆者の元へ相談にこられた年収1000万円世帯は、なんと約8割が老後破産に陥る計算結果が出ました。あなたは、くれぐれもご注意下さいね。
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山本昌義 山本FPオフィス代表
商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て2008年に独立。現在は日本初の「婚活FP」として、婚活パーティを開催しながら婚活中の方や結婚直後など、比較的若い方の経済面・心理面のご相談をメインに受けています。まずは一度、彼氏や旦那のグチでも言いに来て下さいね。山本FPオフィス
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