19/05/31
40代・50代から始めるお金の貯め方・増やし方
アラフォー・アラフィフ世代のお金の貯め方・増やし方
人生100年時代と言われる今、貯金だけではどんなに頑張ってもお金は増えません。
そこで注目したいのが“投資”です。
このシリーズでは、アラフォー・アラフィフ世代に向けて様々な投資法によるお金の増やし方をお伝えします。
幸せな老後に欠かせないのは、健康、友人、そして「お金」
ここはワインバー。
OLのるり(40)、公務員のさゆみ(45)、ファイナンシャルプランナー(FP)のエミ(50)のアラフォー、アラフィフ世代3人で女子会中……。
さゆみ「るり、退院おめでとう」
エミ「毎晩残業だなんて働きすぎ、歳考えなきゃ」
るり「私さ、思ったんだよね。倒れて病院に運ばれて。このままじゃ幸せな老後迎えられないなーって」
さゆみ「現役感バリバリのるりから、幸せな老後の言葉が出るとは。余程ショックだったんだね」
るり「まあ、ちょっとこう人生考えたりしたわけだ。老後くらい幸せにならなくちゃ、今まで頑張ってきた自分に申し訳ないって」
エミ「るりは、あれ知ってる? 幸せな老後に欠かせない3つの資産」
るり「?」
エミ「健康、友人、そして『お金』ね」
さゆみ「なるほど。さすがFPエミさん」
エミ「るりの健康が黄色信号になったのも、そろそろ老後について本格的に考えなさいってサインかもよ」
るり「そうね、そうよね。20代・30代の時は、仕事も忙しかったし、家族や人脈とか、人生の基礎固めに懸命だったけど、40代は余裕もできるし将来をしっかり考えて応用編にシフトしていく必要があるわね」
エミ「お金でいえば20代、30代はお金を増やす資産形成がメインだったけど、40代ではまさに応用編にシフトしないとダメ。老後資金の準備が間に合わない可能性が出てくるもの」
さゆみ「あのエミさん、お金の応用編って?」
エミ「今まで築いた資産で『投資』してお金を増やすことね。女性の平均寿命は87歳。定年まで働いたって20年以上あるわけだし、退職金や公的年金以外の不足分は自分で用意しないと」
さゆみ「人生100年時代とも言いますしね。でも老後資金ってどれくらい必要ですか?」
エミ「1000万から1500万円以上は必要って言われているわね」
アラフォー世代は投資を始めるにはチャンスな世代
るり「投資が必要なのはわかるけど、40代から投資デビューって遅いのでは?」
エミ「40代って投資を始めるには凄くチャンスな世代なのよ。貯金もそこそこあるし、収入も増えて投資にお金を回せる余裕がある。さらに定年までまだまだ時間があるし長期投資も可能。リスクのある投資をしても取り戻す時間もチャンスもあるし」
さゆみ「なるほど」
るり「でも投資ってなんだか怖いし、何から手をつけていいのか分からない」
エミ「投資の第一歩は自分のお金を把握することから始めるといいわね」
さゆみ「詳しく教えて。エミさん!」
運用の第一歩は手持ちのお金の仕分けから
エミ「まずは手持ちのお金を大きく4つに分けてみましょう」
***
●手持ちのお金の4つの分類
1.ふだんの生活に必要な「生活資金」
2.急な出費に備えるための「緊急資金」
3.もうすぐ使う予定がある「使用予定資金」
4.特に使う予定がない「余裕資金」
1.生活資金
ふだんの生活に必要なお金です。
生活費の1.5カ月分程度を生活費用で使っている口座に入れておきます。生活費が30万円の人なら、30万円*1.5カ月で45万円程度になります。
2.緊急資金
急な出費に備えるためのお金です。
大きな病気や怪我をした時の医療費や、突然の親の介護や失業など不足の事態への備えとなります。
生活費の3カ月~1年程度を目処とします。例えば、生活費が1カ月あたり30万円の人であれば、90万円~360万円になります。
3.使用予定資金
3年以内くらいの将来に予定しているライフイベントがある場合に準備しておくお金です。
海外旅行や自動車の買い替え、家のリフォームなど。使う予定がない場合は特に準備する必要はありません。
4.余裕資金
今後特に使う予定がない資金です。老後資金の準備として投資に使えるお金です。
***
エミ「1〜3は日常使うお金やいざというときのお金だから、基本的に減らしてはいけない『守るお金』。これは普通預金や定期預金、個人向け国債など元本保証で、必要な時に引き出しが可能な商品に預けておくのが基本ね。一方で、4の余裕資金は老後の準備のための『増やすお金』としてリスクの取れる範囲で投資を検討するといいわね」
るり「なるほど。増やすお金=余裕資金を投資に回せばいいのね!」
税制優遇制度のあるものから資金を振り分ける
エミ「投資をする際には、まずはつみたてNISAやiDeCoなど、税制優遇制度を活用するといいわ。運用利回りをアップする確実な方法はコスト(税金)を下げることだから」
さゆみ「つみたてNISAとiDeCoなら、どちらが老後資金を貯めるのに向いているの?」
エミ「いつでも現金化できるつみたてNISAと違って、iDeCoは老後まで現金化できないけど、その分確実に資金を貯められるし、つみたてNISAと比べて節税効果は高いの。老後資金を貯めたいなら、iDeCo優先で自分の上限額まで積立てて、つみたてNISAでライフイベントの資金作りや老後資金をプラスしていくイメージで使うといいわね」
運用する商品は何を選べばいい?
さゆみ「iDeCoやつみたてNISAが良いのはわかったけれど、運用する商品は何を選べばいいの?」
エミ「投資信託で国内外の株や債券に分散投資します。値動きの異なる資産に分散して投資することで、損をするリスクを下げられるの。投資信託については詳しくは次回解説するわね」
るり「投資信託で投資か。まさにお金の応用編って感じね。ワクワクしてきたわ」
つみたてNISA(積立NISA)おすすめ金融機関4選
つみたてNISA(積立NISA)スタートにぴったりの金融機関をご紹介します。
● SBI証券
・ほとんどの投資信託を網羅。有力商品を選びやすい
・毎日・毎週・毎月・複数日・隔月の5つの購入タイミングを選べる
・SBIハイブリッド預金を使うと入金・出金がスムーズ
● マネックス証券
・取扱商品が100本以上。100円から購入可能
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岡田 禎子 「投資は面白い」がモットーなFP日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP)
証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴しさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう、執筆とセミナーなどで活動中。
TVドラマ「インベスターZ」の脚本協力なども行なっています。
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