24/09/07
月1万円の不労所得をつくる3つの方法
自分で働かずに手に入れるお金のことを不労所得といいます。定期的に不労所得を得ることができたら、ゆとりのある豊かな生活ができます。老後、年金だけで生活できるか不安な方も、不労所得があれば安心ですよね。
しかし、実際に不労所得で稼ぐのはハードルが高いと感じる方や、特別な知識がないと不労所得で稼ぐのは難しいと思っている方が多いのではないでしょうか。
確かに、不労所得のみで生活できるほどの収入を得るのは困難です。しかし、例えば月に1万円程度であれば、不労所得をつくるのは不可能なことではありません。
今回は、月1万円の不労所得をつくるための方法を紹介します。
月1万円の不労所得を作る方法①株式投資
預金に預けたままのお金がある場合、そのお金で株式を購入し、定期的に配当金を受け取ることができます。
「株式で稼ぐ」というと、株式購入時と売却時の価格差(値上がり益:キャピタルゲイン)でもうける方法と、企業の株主となって配当金(インカムゲイン)を受け取る方法の2種類が考えられます。
ただし、キャピタルゲインを狙う方法はタイミングを見計らって売買しなければなりませんし、チャートを常にチェックする必要があるため、不労所得とはいえないかもしれません。なにより、仕事や家事で忙しい場合には取り組みにくいでしょう。
その点、インカムゲインであれば、株式を購入して持ち続けるだけで配当金を受け取ることができますから、忙しい方でも実現可能でしょう。
株式の価格(株価)に対してどれくらいの配当金を受け取れるか示した割合を「配当利回り」と呼びます。配当利回りは会社によって異なり、5%を超える銘柄もあれば、配当金を出していない銘柄もあります。国内株式の平均的な利回りは2%程度で、一般的に高配当と言われるのが3%以上の株式ですから、今回は現実的なラインとして、配当利回り3%の株式を想定しましょう。
月1万円の不労所得を作るには、年12万円分の配当金を受け取る必要があります。配当利回り3%の株式を購入して月1万円の不労所得を得たい場合、12万円÷3%=400万円、つまり400万円分の株式を購入する必要があるということになります。
いきなり400万円を株式購入にあてるのは、投資初心者にはなかなかハードルが高いかもしれません。まずは無理のない金額からはじめて、余裕ができたら追加購入していき、400万円を目指すのがおすすめです。例えば、ボーナスを株式購入に充てるのもよいかもしれません。
月1万円の不労所得を作る方法②投資信託
株式と同じように、投資信託も保有することでお金を受け取れる商品があります。投資信託の場合、配当金ではなく分配金と呼ばれます。
投資信託は複数の株式や債券、不動産などの金融商品を投資のプロが組み合わせて運用するもので、株式と比べてリスクが低いため初心者にもおすすめです。いくら高い配当金を出す株式の銘柄でも、1銘柄、2銘柄程度ではその銘柄が値下がりしたときに大きく資産が減ってしまいます。しかし、複数の銘柄に分散投資しておけば、値下がりのリスクを抑え、堅実に増やす期待ができます。
投資信託のなかには、複数の高配当株にまとめて投資する「高配当株ファンド」があります。たとえば「SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)」は、配当利回りの高い日本株式約30銘柄を組み入れているので、1本買うだけで約30銘柄に分散投資したのと同様の効果が得られます。信託報酬(保有中にかかるコスト)も年0.099%と低く抑えられています。
SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)は年4回決算を行い、分配金を支払います。2024年7月の分配金は1万口あたり140円でした。この分配金を3万円(月1万円×3か月)受け取るのに必要な口数は3万円÷140円=約214万口。そして、2024年8月30日時点の基準価額(1万口あたりの値段)は1万1352円ですので、月1万円の不労所得を得るために必要な投資額は1万1352×214=約243万円です(手数料などは考慮していません)。
新NISAで投資すれば、配当金や分配金にかかる税金もゼロにできます。
月1万円の不労所得を作る方法③個人向け国債
個人向け国債を購入すると、持っている間は半年ごとに利息を受け取れます。
個人向け国債のメリットは、元本が保証されており、満期になるとそのままの金額が戻ってくること。株式や投資信託は価格変動のリスクがあって怖いと感じる方も、個人向け国債なら安心して購入できます。
個人向け国債には、固定金利型3年、固定金利型5年、変動金利型10年の3種類があり、それぞれの年利は下記のとおりです(2024年8月募集分、すべて税引前)。
・固定金利型3年:年利0.28%
・固定金利型5年:年利0.39%
・変動金利型10年:年利0.61%
変動金利型10年の場合、月に1万円、つまり年に12万円の利息を受け取るには、12万円÷0.61%=約1967万円と、2000万円近くの個人向け国債を購入しなければなりません。
株式の配当金で不労所得をつくる場合と比べると、かなり大きい金額が必要とわかります。ただし、その分元本保証のメリットがあるため、安心できる方法とはいえます。また、変動金利型10年の場合、金利が半年ごとに見直されます。このところ、金利が上昇傾向にありますので、その恩恵を得ることもできるでしょう。
自分に合った方法で少しずつ不労所得をつくりましょう
月1万円の不労所得を得る方法について解説しました。収入を増やすために副業をしたり、労働時間を増やしたりするのは大変です。自分が働かずに得られる収入が1万円でもあれば、生活が豊かになりますし、精神的にも余裕を持てるでしょう。リスク許容度や投資に使える資金がどれくらいかを考慮して、自分に合った方法を活用してみてください。
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木下七夏 Webライター
大学卒業後金融機関に勤め、個人のお客さま向けの営業を担当。退職後にFP2級を取得し、フリーライターに。FPで学んだ知識や金融機関勤めの経験を生かして、生活にまつわるお金の疑問を分かりやすく噛み砕いて解説する記事を作成している。
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