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23/05/11

家計・ライフ

60代、貯蓄いくらあれば安心?

60代、貯蓄いくらあれば安心?

以前、金融庁が「老後資金が2,000万円不足する」と発表したことをきっかけに、老後に備える貯蓄を心配する人が増えています。現役世代のうちに貯蓄ができていればいいのですが、人生にはさまざまな出費が生じます。そのため、思うように貯蓄が進まない人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、会社を退職し年金生活に入る60代では、どれくらいの貯蓄があれば安心して生活できるのか調べてみました。

60代の貯蓄額の実態はどうなっている?

年金生活になると、もらえる年金だけでは生活できないといわれています。安心して生活するためには、ある程度の貯蓄は必要になってくるでしょう。では、実際に年金生活に入る60代の人たちは、どれくらいの貯蓄を持っているのでしょうか?

金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査(2022年)」によると、60代の貯蓄額は次のような結果になっています。

●60代の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)

<二人以上世帯>
 ・貯蓄の平均値:1,819万円
 ・貯蓄の中央値:700万円

<単身世帯>
 ・貯蓄の平均値:1,388万円
 ・貯蓄の中央値:300万円

<金融資産保有額の分布>

(株)Money&You作成

平均値は貯蓄額が多い人の値に引っ張られる傾向にありますが、より実態に近い額になるのは中央値です。夫婦世帯で貯蓄700万円、単身で300万円が60代の貯蓄額の実態と考えると、人生100年時代ではもしかしたら貯蓄が足りなくなるかもしれません。さらに、分布を見ると「金融資産非保有」、つまり貯蓄ゼロの世帯が二人以上世帯で約2割、単身世帯で3割近くもあることがわかります。

では、実際にどれくらい生活費が不足するのでしょうか。

老後に不足する生活費と必要な貯蓄額の目安【夫婦世帯の場合】

60代夫婦世帯の平均的な生活費から、収支の不足分と必要な貯蓄額をご紹介します。

総務省が実施した2022年の家計調査によると、65歳以上の年金生活に入っている夫婦世帯の月間収支は以下のようになっています。

●65歳以上無職世帯(夫婦のみの世帯)の家計収支

総務省「家計調査報告(家計収支編)2022年平均結果の概要」より

・実収入:24万6237円
(このうち、公的年金などの社会保障給付は、22万418円)
・可処分所得:21万4426円 
可処分所得は、実収入から税金や社会保険料が天引きした額。実際の手取り収入になります。

・消費支出:23万6696円
・非消費支出:3万1812円 (非消費支出とは、税金や社会保険料などのこと)

では、収入と支出の状況を計算してみます。
 可処分所得21万4426円-消費支出23万6696円=▲2万2270円

毎月2万2270円、生活が不足することがわかりました。

1年間の不足分は、2万2270円×12ヶ月=26万7240円です。
もし、65歳から30年間生きると、不足する生活費は以下のようになります。
 年間の生活費不足分26万7240円×30年=801万7200円

約801万円も生活費が不足することになります。これはかなりの額ですね。

60代夫婦世帯の貯蓄額(中央値)は700万円とご紹介しました。
 生活費の不足分約801万円-貯蓄額700万円=101万円

つまり、中央値程度の貯蓄があるならば65歳から年金生活に入るまでに貯蓄を101万円程度増やしておけば、安心して生活できるということです。もしも貯蓄がゼロであれば、約800万円が必要と計算できます。

ただし、今回の試算はあくまでも平均的な貯蓄と生活費から求めた不足額です。ご家庭によっては、さらに不足分が増える可能性もあります。また、この費用には万が一のケガや病気、介護にかかる費用が含まれていません。できれば現役世代のうちに、少しでも貯蓄を増やせるように家計を見直しておきたいですね。

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老後に不足する生活費と必要な貯蓄額の目安【単身世帯の場合】

次に、60代単身世帯が不足する生活費と必要な貯蓄額の目安を見ていきましょう。

●65歳以上単身世帯の家計収支

総務省「家計調査報告(家計収支編)2022年平均結果の概要」より

・実収入:13万4915円
(このうち、公的年金などの社会保障給付は、12万1496円)
・可処分所得:12万2559円 

・消費支出:14万3139円
・非消費支出:1万2356円 (税金や社会保険料など)

可処分所得12万2559円-消費支出14万3139円=▲2万580円
毎月2万580円、生活が不足することがわかりました。

1年間の不足分は、2万580円×12ヶ月=24万6960円です。
もし、65歳から30年間生きるとすると、不足する生活費は以下のようになります。

年間の生活費不足分24万6960円×30年=740万8800円

約740万円も生活費が不足します。

60代単身世帯の貯蓄額(中央値)は300万円とご紹介しました。
 生活費の不足分約740万円-貯蓄額300万円=340万円

65歳単身世帯で中央値程度の貯蓄があるならば、年金生活に入るまでに貯蓄を340万円増やせば安心して生活できることになります。もしも貯蓄がゼロであれば、約740万円が必要と計算できます。

ただし単身世帯も二人以上世帯と同じく、貯蓄額や生活費によっては不足する貯蓄額は異なります。また、費用には万が一のケガや病気、介護にかかる費用が含まれていません。自身の貯蓄や収支状況を確認したうえで、家計の見直しをしてみましょう。

60歳になってからでもできる、お金の貯め方は?

60歳になってからでも、お金を貯めることはできます。その際、できることは以下の4つです。
①厚生年金に加入して働き、老齢厚生年金を増やす
②国民年金の加入期間が40年に満たない場合は任意加入して老齢基礎年金を増やす
③家計の支出を見直す
④資産運用する
60歳といえば、子どもが独立する時期に入る年齢ですね。子どもが独立すれば、夫婦2人だけの生活費で済むわけですから、支出を見直せば浮いた分を貯蓄に回すことができます。

70歳までは厚生年金に加入して働くことができます。将来の厚生年金を増やすことができますし、年金の繰り下げ受給を選ぶことで年金額を増やすこともできます。
また、国民年金の任意加入者と厚生年金加入者は65歳までiDeCoに加入できるので、5年間だけでもiDeCoに加入すれば、掛金の所得控除によって税金が安くできるうえ、75歳まで非課税で運用することで老後資金の上乗せを用意できるでしょう。
さらに2024年からはNISAの制度が改正されて、非課税の投資が無期限にできるようになるので、少額でも運用することでお金を増やすこともできます。

貯蓄は60歳からでも遅くはありません。働く期間を延ばせば貯蓄も可能になります。家計の見直しをしたうえで、自分にできることを続けていきたいですね。

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まとめ

今回は、夫婦世帯と単身世帯の不足する貯蓄額の目安を試算しました。そこからわかったことは、どの世帯でも現役世代のうちに貯蓄を積み上げておかないと、年金生活に入ってから生活費が不足するということです。そして、常に貯蓄できる家計にしておくために、定期的な家計の見直しは必至といえるでしょう。
できれば現役世代の早いうちにライフプランを立てて、将来のお金のことを考える機会を持つことをおすすめします。

前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士

2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。

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