22/10/03
お金持ちが実践する「お金がたっぷり貯まる仕掛け」
みんなどれくらいお金を貯めている?
金融広報中央委員会が、単身世帯と二人以上世帯の金融資産保有額(貯蓄額)を年代別にまとめたのが下の表です。
著書「1日1分読むだけで身につくお金大全100読みやすい大型判」より
平均と今の貯蓄額を比べると、平均より少ない人のほうが多いのではないでしょうか。しかし、平均は金額の合計を人数で割った金額ですから、一部のお金持ちが大きく引き上げてしまいます。そのため、実態に即していない金額になりがちです。
そこで、全体の真ん中の人が貯めている金額となる「中央値」をみると、平均とはずいぶん差があることがわかります。貯蓄の実態は、中央値のほうが近いでしょう。ただし、中央値も貯蓄ゼロの人が多いと少なくなりますので、分布図で確認することが大事です。
わかっていただきたいのは、どの年代にも貯蓄1000万円以上の世帯がある一方で、貯蓄ゼロの世帯もあるということ。お金を貯められない人がいる一方で、貯められている人もいるという実態です。つまり、年収の多少は関係なく、お金は貯められるということです。
いつまでにいくら必要かを把握し、お金を確実に貯める仕組みを構築すれば、誰もがお金を貯められるようになります。
お金がたっぷり貯まる仕掛け
お金持ちは「先取り」「自動」「強制」の3つのキーワードを踏まえ、貯蓄を仕組み化しています。この3つのキーワードを満たす貯蓄を行うことで、手間なく簡単に、そして堅実にお金を貯められます。
とくに重要なのは先取り貯蓄。先取り貯蓄は、給与などの収入があったら、先に貯蓄分を取り分け、残ったお金で生活する方法です。
著書「1日1分読むだけで身につくお金大全100読みやすい大型判」より
計算式で書くと「収入–貯蓄=支出」です。先取り貯蓄をしておけば、残ったお金を仮に全部使ってしまっても、貯蓄分は確保できているので、貯蓄できないということはありません。確実にお金が貯まります。
お金持ちになれない人は、収入があったら先に使ってしまい、余ったら貯蓄しようとしています。しかし、「収入–支出=貯蓄」では、支出が多くなり貯蓄が確保できなかった場合に、貯蓄ができません。
金融機関のサービスや会社の制度の中には、この先取り貯蓄が手間なく自動的に、強制的にできるものがあります。これらを利用すれば、普段から貯蓄のことを意識しなくても、自然とお金が貯まっていくようになります。
給料手取りから毎月貯める割合は2割が理想
賃貸住まい、あるいは住宅を購入して家賃や住宅ローンを支払っている場合は、手取りの2割は貯蓄に回すのが理想。実家暮らしで住居費がかかっていないならば、5割と半分は貯めたいところです。そうして、まずは最初の100万円を目指してお金を貯めましょう。達成できたら、次は生活費の6か月分、できれば1年分を目指して貯蓄します。
6か月分を目指す理由は、不測の事態に備えるためです。急な病気やケガで働けなくなったり、リストラや会社の倒産にあったりすることも、ないとはいえません。もしものときに少なくとも半年分の生活費があれば、非常事態があったときにも落ち着いて対処することができるからです。もしものときのお金は、すぐに使えることが重要ですので、預貯金で用意しておくと安心です。
お金を増やす投資も、6か月分の生活費が貯まってから本格的に行います。とはいえ、半年分の生活費が貯まるまでには時間がかかりますので、2〜3か月分程度貯まったら、500〜3000円で投資を始めていくといいでしょう。
お金は目的別にあった資産で貯めるのが鉄則
お金を「日々出入りするお金」「5年以内に使い道が決まっているお金」「10年以上使わない将来のためのお金」の3つに分けましょう。そして、そのお金を目的にあった商品や制度で貯めます。
著書「1日1分読むだけで身につくお金大全100読みやすい大型判」より
日々出入りするお金は、日常生活費やもしものときに用意しておくお金のことです。必要になったときにすぐ使えることが大切ですので、いつでもお金を出し入れできる預貯金で貯めましょう。
5 年以内に使い道が決まっているお金は、住宅購入や車の購入などの費用が考えられます。使うまでには多少時間がありますが、いざ使いたいというときにお金が減っていては困ります。比較的安全性の高い定期預金や個人向け国債・社債などを利用しましょう。
そして、10 年以上使わない将来のためのお金は、運用で増やすことを考えます。税金を節約できる「iDeCo」や「つみたてNISA」といった有利な制度もフル活用することで、お金を効率よく増やしていくことができます。
『1日1分読むだけで身につくお金大全100読みやすい大型判』 頼藤太希/高山一恵 著
お金の基本、家計管理、節約、節税、iDeCo、NISA、ふるさと納税、キャッシュレス決済、保険、投資までお金の教養として身につけるべき100項目を厳選して解説。
「1分読めば身につく」にこだわり、できる限りコンパクトにまとめた至極の1冊。
読みやすい大型版となって登場。「お金のQ&A厳選6選」も特別収録。
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頼藤 太希 マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki
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