22/10/03
お金がきっかけで熟年離婚する夫婦の特徴6選
厚生労働省の人口動態統計調査によると、2003年(平成15年)以降離婚件数は減少傾向ですが、同居期間15年以上の夫婦の離婚件数はやや増加傾向です。いわゆる「熟年離婚」が増えているのです。
今回はお金の問題がきっかけで熟年離婚する夫婦の特徴と、離婚後お金に困らないために知っておきたいことを説明します。
熟年離婚の原因となる6つのお金の問題とは?
お金の問題から離婚に発展することがあります。お金がきっかけで熟年離婚する夫婦の6つのパターンを紹介します。
●熟年離婚の原因となるお金の問題1:生活費を入れない
収入の多い夫が、妻に十分な生活費を渡さないようなケースです。足りない分を夫に言っても出してもらえず、妻が少ないパート代でやりくりしていることも。生活費を全く入れない、明らかに不足する金額しか入れない状態は、経済的DVとも言えます。
●熟年離婚の原因となるお金の問題2:生活費の分担が不公平
財布が別で生活費を出し合っている共働き夫婦の場合、生活費の分担が不公平という理由でケンカになることも。「夫の方が収入は多いのに出している金額が少ない」とか、「子どもにいちばんお金がかかるのに、子どもの分はいつも自分が出している」など、一方が不満を溜めていることがあります。
●熟年離婚の原因となるお金の問題3:内緒で借金をしていた
お小遣いを渡しているのに足りない分をカードローンで借りていたようなケースです。カードローンがバレるのはたいてい自宅に督促状が来たときなので、利息もふくらんでいて大きな問題になります。
●熟年離婚の原因となるお金の問題4:浪費癖がある
趣味や飲み会にお金をたくさん使う、ネットですぐ買い物するなど、浪費癖がある場合です。老後のための貯蓄もできず、一緒にいても不安が募るばかりです。
●熟年離婚の原因となるお金の問題5:退職金を勝手に使い込んだ
定年になった夫の退職金がいつ支給されるのか、妻にはわからないことがあります。知らない間に退職金が出ていて、勝手に使い込まれていた…なんてことも。老後資金としてアテにしていた退職金もないなら、一人になった方がマシと思うかもしれません。
●熟年離婚の原因となるお金の問題6:老後資金の見通しが立った
子育て中は夫婦で協力してきたけれど、子どもが自立したらもう自由になりたいと考える人も。年金や貯金、相続した親の遺産を合わせて老後資金の目途が立ったとき、離婚に踏み切る人もいるのです。
離婚後お金の心配を少なくするには?
離婚して一人で暮らすとなると、お金の面の不安が大きくなります。お金の心配を少なくするためにできることを知っておきましょう。
●財産分与を受ける
離婚時には財産分与として、夫婦の財産を原則半分ずつに分けることができます。相手が財産を持っている場合には、もらえる分をもらっておきましょう。まだ支給されていない退職金や、解約返戻金のある生命保険なども財産分与の対象になります。
●慰謝料を払ってもらう
相手の不貞行為などが原因で離婚に至った場合、慰謝料を請求する権利があります。分割払いでもらってもかまわないので、請求できるなら請求することを考えましょう。
●年金分割をする
年金分割とは、婚姻期間中の夫婦の厚生年金記録を合算し、分け合う手続きです。夫の扶養に入っていた期間が長い人は、厚生年金がほとんどなく、そのままでは老後の年金が極端に少なくなってしまいます。年金分割をして、老後の年金を増やしましょう。
●一定期間生活費を払ってもらう
病気などで離婚後すぐに働けない場合、離婚した配偶者に一定期間生活費を払ってもらう扶養的財産分与という方法があります。収入面の不安が大きいなら、相手にしばらく請求費を払ってもらうことを考えましょう。
●住む家を確保する
結婚後購入した自宅は夫婦どちらの名義であっても財産分与の対象になります。売却して売却代金を分ける方法もありますが、収入に不安があるなら家をもらった方が安心できるかもしれません。いずれ相続する実家があるなら、生前贈与でもらう方法もあるので、親とも相談してみましょう。
まとめ
離婚の原因で最も多いのは性格の不一致です。お金には価値観が現れるので、お金が直接的・間接的に離婚の原因になることはよくあります。熟年離婚をする場合には、老後資金の不安も大きくなります。離婚時にもらえるお金はもらったうえで、ライフプランを見直しましょう。
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森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー
Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。
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