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22/08/13

家計・ライフ

日本で「年収500万円」を超える女性はどれくらいいる?年収を増やす方法は

日本で「年収500万円」を超える女性はどれくらいいる?年収を増やす方法は

働く女性は増えています。けれども、男女の平均年収を見てみると、女性の平均年収は男性よりもかなり少ないのが現状です。実際、年収500万円超を稼ぐ女性の割合はそれほど多くはありません。なぜ女性は男性並みの年収を稼ぐことができないのでしょうか。これには女性を取り巻く生活環境が影響していることが考えられます。
そこで今回は、年収500万円を超える女性の割合を調べ、女性の平均年収が男性よりも少なくなる理由を考えてみました。

日本では年収500万円超の女性はどれくらいいるの?

国税庁が行った「民間給与実態統計調査(令和2年分)」によると、男性の平均年収は532万円のところ、女性は293万円という結果が出ています。男女の差はかなり大きいですよね。では、年収500万円を超える女性はどれくらいいるのでしょうか?

民間給与実態統計調査には、給与階級ごとの人数をまとめた「給与階級別給与所得者数・構成比」が掲載されています。

●給与階級別給与所得者数・構成比

国税庁「民間給与実態統計調査(令和2年分)」より

給与階級別給与所得者数・構成比から、直近5年間の年収500万円を超える女性の割合を調べてみると、次のようになります。

●年収500万円を超える女性の割合

国税庁「民間給与実態統計調査(令和2年分)」より筆者作成

2020年(令和2年)から過去5年間を見てみると、年収500万円を超える女性の割合は毎年1割強を推移していることがわかります。男性と同じくらい稼ぐ女性はあまり多くないということですね。このように女性がなかなか年収を増やせないのは、女性を取り巻く生活環境にあるのかもしれません。

女性の方が男性よりも年収が低くなる理由

女性が男性よりも年収が低くなるのは、出産と育児で仕事を離れる人が少なくないからです。最近では結婚を機に会社を辞める女性は少なくなってきました。とはいえ、出産と育児の場面では話は別です。出産時は産前産後休業(産休)が得られるうえ、育児中は子どもが原則1歳になるまで育児休業(育休)を取得することができます。産休や育休の制度を利用して仕事に復帰する人もいます。けれども、実家が遠いなど育児を助けてくれる人が近くにいない場合は、仕事と育児の両立は難しいのが現状です。そのため、出産や育児を理由に仕事を離れる人は少なくありません。

子どもがある程度大きくなった頃に仕事を再開する女性もいます。ただ、中には幼稚園や小学校から子どもが帰宅する時間までしか働けない人もいます。また、社会保険料などの負担がないよう夫の扶養に入ることを希望する人は多いです。そのため、妻は時短勤務を選び、働き方を制限してあえて年収が少なくなるように調整する人が少なくないのです。

このように、女性には時短勤務を選択しなければいけない事情があることから、男性に比べ年収が低くなるのです。

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女性が年収を増やすためにできることは?

育児で仕事をする時間が限られるため、あるいは夫の扶養に入るため、あえて時短勤務を選ばざるを得ない女性は多いです。働き方もパートやアルバイトを選ぶことになるので、どうしても年収は低くなりがちです。では、どうすれば女性が年収を増やせるようになるのでしょうか?その方法は大きく2つあります。

●女性が年収を増やす方法1:働く時間を延ばす

パート、アルバイトは時給なので、働く時間を延ばすことで年収を増やせます。しかし、多くの人が意識するのが、夫の扶養に入るための「103万円の壁」「150万円の壁」「106万円の壁」「130万円の壁」です。

103万円の壁は妻に所得税がかかる年収、150万円の壁は夫の配偶者特別控除が減っていく年収のボーダーラインです。ただ、この2つの壁は妻の年収にはほとんど影響がないので、意識する必要はありません。

また、106万円の壁は従業員数が501人以上の企業に勤めている場合(2022年10月以降は従業員数101人以上、2024年10月以降は51人以上に拡大予定)、130万円の壁はそれ以外の企業に勤めている場合の、社会保険に加入するボーダーラインの年収です。

妻が社会保険に加入すると社会保険料(厚生年金保険料や健康保険料など)が給与天引きされるようになるため、年収が下がる場合があります。そこで、フルタイムで働くなど勤務時間を可能な限り増やして、社会保険料を納めても十分な手取り額を確保できるくらい働くことを検討してもよいでしょう。

●女性が年収を増やす方法2:正社員になる

年収を増やすために、正社員を目指すのもよいかもしれません。正社員の方が諸手当や賞与などパートにはない収入が見込まれますし、福利厚生の充実も期待できます。また、会社によっては、勤務時間を限定した正社員「短時間正社員」が可能なところもあります。

ただ、妻がより長い時間働くには、家族の協力など周りの環境を整えることも必要です。夫婦で話し合い、よりよい方法を見つけてくださいね。

まとめ

年収500万円を超える女性の割合は、企業に勤めて働く女性の1割強です。例年、この割合で推移していますが、女性の平均年収が増えないのは、パートなど時短勤務を選ばざるを得ない背景があるからです。そんななか女性が年収を増やす方法として、フルタイム勤務などで働く時間を増やしたり、正社員を目指したりすることが考えられます。妻が年収を増やしたいと思ったら、働き方を変えられるように生活環境を整えていくことをおすすめします。

前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士

2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。

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