22/07/24
厚生労働省「公的年金シミュレーター」で老後の年金がいくらもらえるかチェック
老後の年金がいくらもらえるか、気になる方も多いでしょう。しかし、年金額は人それぞれの状況で違いますし、計算も複雑です。そんなときに使ってみたいのが厚生労働省の「公的年金シミュレーター」。ねんきん定期便の二次元コードを読み取るだけで、受給予定の年金額がすぐわかります。
老後にもらえる年金額が試算できる公的年金シミュレーター
公的年金シミュレーターは、スマホやパソコンを使って、将来受給可能な年金額を簡単に試算できるツールです。2022年4月25日に試験運用が開始されました。
公的年金シミュレーターでは、日本年金機構から毎年誕生日ごろに届く「ねんきん定期便」に記載されている二次元コードを読み取り、生年月日を入力するだけで、老後にもらえる年金額が試算できます。さらに、働き方や暮らし方の変化に合わせて、老後の年金額がどう変化するか、簡単な操作でシミュレーションできます。公的年金シミュレーターはIDやパスワードなども不要、個人情報も保存されないということで、気軽に利用できるのがメリットです。
公的年金シミュレーターを使ってみよう
早速、公的年金シミュレーターを使ってみましょう。手元にねんきん定期便とスマホがあれば、ものの1分足らずで老後のおおよその年金額がわかります。
●公的年金シミュレーターの使い方
①ねんきん定期便の二次元コードを読み取る
令和4年度のねんきん定期便の「直近の月別状況です」の下側にある「年金見込額試算用二次元コード」を読み込みます。
②生年月日を入力
公的年金シミュレーターのウェブサイトが開きます。生年月日を入力して「試算する」を選択します。
③概算の年金額が表示された
老後もらえる年金の見込み受給額がグラフで表示されます。初期設定では、現在の年収で60歳まで働き、65歳から年金の受け取りを開始した場合の金額が表示されます。今回の試算では、65歳からの年金額は年173万円になるとわかりました。
④条件を変えて老後の年金額の変化をチェック
「今後の年収」「就労完了年齢」「受給開始年齢」のスライドバーや+―のボタンを使って金額や年齢の数値を変えてみましょう。将来の年金受給額も設定に合わせて変わります。
たとえば、今後の年収を600万円、就労完了年齢を65歳、受給開始年齢を70歳にしたところ、70歳からの年金額は年310万円に増加しました。
年収が増えたり、60歳以降も働いたりすると、厚生年金は増加します。そのうえ、年金を5年間繰り下げ受給したことで、年金額は42%増加します。反対に、年収が減ったり、繰り上げ受給をしたりしたときの金額も数値を変えることでわかります。
⑤さらに細かな設定もできる
長い現役時代には、働き方や年収が変わることもあるでしょう。それによって、老後にもらえる年金額も変わってきます。「働き方・暮らし方」の欄で、働き方・暮らし方と期間、年収を設定すると、それに合わせて年金額の試算も変化します。働き方・暮らし方は5つまで登録できます。
なお、ねんきん定期便が手元にない場合も、公的年金シミュレーターに自分の情報を直接入力することで同様の試算ができます。
正確な老後の年金額を知りたい場合は「ねんきんネット」を使おう
将来の年金額を試算できるツールには日本年金機構の「ねんきんネット」もあります。ただ、ねんきんネットを利用するには、あらかじめアクセスキーなどを利用して登録する必要がありますし、ID・パスワードを入力する手間もあります。その点、公的年金シミュレーターならば、上で紹介したように老後の年金額を手軽・便利に試算できるので、ねんきん定期便が届いたときなどにすぐ試してみることも簡単にできる、というわけです。
ただし、公的年金シミュレーターはあくまで老後の年金額を簡易に試算するツールです。簡素化した情報を使っているため、実際の老後の年金額と差ができてしまう場合もあると、厚生労働省のウェブサイトでも説明されています。実際の老後の年金額をより細かく知りたいときには、ねんきんネットを利用しましょう。
まとめ
公的年金シミュレーターは、ねんきん定期便の二次元コードを読み取って生年月日を入力するだけで簡単に老後の年金額をつかめるツールです。年収や働き方の変化などを踏まえたシミュレーションも簡単な操作でできます。老後のおおよその年金額をさっとつかむのに便利ですので、ぜひ使ってみてくださいね。
公的年金シミュレーターは現状、試験運用中とのこと。今後、利用者視点で見直して改善しくそうですので、さらなる使い勝手向上にも期待したいところです。
【関連記事もチェック】
・会社も役所も銀行もまともに教えてくれない「定年後ずっと困らないお金の話」
・60代以降にもらえる3つの「高年齢給付金」 金額やもらえる条件の違いは
・年金が増額する「繰り下げ受給」するなら、65歳までにやっておくべき5つのこと
・「64歳で退職するとお得」は本当? 失業給付にいくら差が出るのか
・宝くじ「高額当せん」に要注意!? 驚くほど税金がかかるケースあり
畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう