connecting…

  • NISA
  • FIRE
  • Money&You TV
  • 確定拠出年金「iDeCo」「企業型」
  • マネラジ。
  • ふるさと納税
  • 届け出だけでお金がもらえる! 給付金制度を活用しよう
  • セミナーレポート
  • まとめ記事/チェックテスト
  • 歴女の投資ファイル
  • ズボラでも出来るシリーズ
  • 投資信託でプチリッチ!「投信ウーマン」
  • 投資女子への道
  • 恋株
  • ぽいきさんの幸せを呼び込むシリーズ
  • 大人女子を応援!家庭で出来る漢方の知恵
  • 読書ブロガー小野寺理香のブックレビュー
  • 駐在マダム、モラハラ夫からの逃亡記
  • “逆打ち”お遍路をご紹介

21/08/14

家計・ライフ

老後破綻するたった一つの悪習慣!「減らない財布」を手に入れるには?

「老後破綻」というのは、どういうことかというと、老後資産がゼロ、かつ年金額も少なくて生活ができない状態です。たとえ年金額が少なくても、生活ができているのであれば、それは破綻はしていないと言えます。ただし、いまは破綻していなくてもある程度の貯えは必要でしょう。もし老後破綻になってしまって生活が困窮すると、生活保護という事態にもなりかねません。

では、なぜ老後破綻が起こってしまうのでしょうか? いくつかの要因があると思います。
・老後の収入である年金額が少ない!
・老後資金の貯えが少ない!
・老後の生活費に思ったよりもお金が出ていく!
・孫のための支出が抑えられない!
などなど、さまざまなケースが考えられます。

しかし、これらの問題は、じつはたった一つのことが原因なのです。
その原因とは、「収支のバランスが悪い」ということです。

現役時代は支出より収入が上回っていたが、老後は収入より支出が上回る!

「収支のバランスが悪い」とは、どういうことでしょうか?
それは入ってくるお金よりも出て行くお金が多いため、どんどんマイナスが積み上がっていってしまうことです。つまり赤字が増えていくということですね。ですから「収支のバランス」を「気にしない」「考えたことがない!」という習慣の人は、老後破綻に結びつく可能性が大きいのです。
逆にいうと習慣的に「収支のバランス」を考えて生活している人は、老後破綻になる心配は少ないと言えるでしょう。

現役時代は、支出よりも収入の方が多かったのではないかと思います。たとえば、毎月の給料がマイナスであっても、ボーナスで補塡できることがあります。また、大きな買い物をローン(借金)で買うことができました。住宅ローン、自動車ローンがそれです。
これが可能だったのは、総額として支出よりも収入が多いことが前提でした。

しかし、老後の生活では、そうはいきません。収入というのは限られています。収入の中心は年金になり、頑張れば増えるというものでもありません。
年金収入で足りない分は、老後資金で補うのが基本的な考え方になります。

PayPay証券

老後資金の正しい考え方とは

それでは、どのくらいの老後資金が必要なのか?
というと答えは、簡単です。次の式でわかります。

毎月の赤字額×12ヵ月×30年

この30年というのは、65歳から95歳までの30年間です。死ぬまでの年数はわかりませんから、平均寿命よりも長い年数で考えました。途中で資金が枯渇すると困るので、必ず長めに設定をしておく必要があります。

これでわかるのは、年金などの収入が少ない人や、毎月の支出が多い人は、月々の赤字額が多くなること。そして、それだけ老後資金が必要になるということです。

現役時代に高額所得だった人ほど、老後破綻の可能性が高くなるという話もあります。これは高額所得者が年金生活になっても、現役時代の支出額を抑えることができないことが多いからです。赤字額が大きいと、潤沢に用意していた老後資金であっても、みるみる減っていくことになるからです。

たとえば、現役時代に月額80万円ぐらいの支出で暮らしていた人が、年金暮らしになったからといって、突然「25万円で暮らす」というのは、なかなか難しいでしょう。しかし、そのまま毎月80万円の支出を続けると、1億円以上の老後資金が必要になるのです。これでは、すぐに老後破綻してしまいかねません。

逆に、25万円の暮らしをしていた人が、年金暮らしで月25万円の暮らしになったとしても、何ら問題はありません。

もちろん、老後資金があれば、それに越したことはありません。しかし、収支のバランスが合っていれば、それほど大きな老後資金の準備は必要ないと言うことです。

「減らない財布」を持つと精神的にも安定する

「収支のバランス」が合っていると、老後破綻のリスクが小さくなるわけをご理解いただけましたでしょうか。老後破綻のリスクが小さいということは、老後生活における精神的ゆとりを得ることにもつながります。

以前、75歳の女性からの老後資金の相談を受けました。資産が1億円あると言うことで、相続の相談かな?と思いきや、老後資金が足りなくなるのではないかと、夜も眠れないそうです。

詳しく話を伺うと、遺族年金などの収入が年間200万円あるそうですが、生活費で足りない分のお金(年間300万円)は、老後資金から取り崩していると言うことでした。女性は年間500万円で暮らしているので、そう贅沢ではありません。

さて、この女性の悩みは預金残高がどんどん減っていくことです。それが、とても不安で夜も眠れないのです。

単純に計算してみると、1億円の資産を年間300万円ずつ取り崩していくわけですので、33年間はもちます(1億円÷300万円=約33年間)。これなら108歳まで老後資金はもつと言う計算です。しかし、いくら計算上は大丈夫だと思っても、人の心理は違います。預金通帳の残高が減っていく不安や恐怖というのは、耐えがたいものなのでしょう。なにせ、人はいつまで生きるのかはわかりませんから。つまり、老後資金が潤沢にあっても、お金の不安は尽きないものなのですね。

それを解消するのが「収支のバランス」です。
入ってくる年金額と毎月支払っていく生活費が同じならば、お金は減っていきません。これが「減らない財布」を持っていると言うことです。
「減らない財布」を持つと、老後生活が安心して送れるでしょう。お金の心配をしなくてもいいということは、老後をバラ色に変える重要な要素です。まずは収支のバランスを合わせて「減らない財布」を手に入れるようにしてみてはいかがでしょうか?

スマートプラス『STREAM』開設プロモーション

収支のバランスの大切さをシミュレーションする

実際は、老後資金が潤沢にあるという人よりも、老後資金が少なくて困っている人の方が多いと思います。それでは限られた資金をいかに長く取り崩して行くかということになります。
まずは、ご自分の収支バランスを把握する必要があります。その上で、家計をどうやりくりするかを考えます。

たとえば、退職金を合わせて2000万円の老後資金がある夫婦がいるとします。65歳からの年金の受給額は月額20万円(年240万円)です。生活費の支出が月額30万円(年間360万円)だとしたら、毎月10万円の赤字です(年120万円の赤字)。この足りない分は、老後資金を取り崩して生活することになります。しかし、老後資金は2000万円なので約17年しかもちません(2000万円÷120万円=16.6年)。つまり65歳からだと、82歳の時点で老後資金が尽きてしまうと言うことです。ですから同じ支出を続けてしまうとこれは老後破綻に近づくと言うことです。

この場合、「収支のバランス」を保ち、減らない財布を手に入れるには、3つの方法があります。

●①生活費の支出を年金額と同じ年240万円にする

生活費の支出を年金額と同じ年240万円にすると、収支のバランスがあって老後資金が尽きてしまうことは少ないでしょう。しかし、年間240万円で生活するとなると、かなりの節約が必要になります。

●②70歳まで働く

60歳以降も会社員として長く働くことで、厚生年金額も増えます。70歳まで年金を受け取らずに働けば、70歳以降に受け取る年金額も増額することになります。さらに働いているので収入がありますから、取り崩す老後資金も少なくなり、資金寿命が延びていきます。これで90歳超まで老後資金を保たせられます。

●③年金の繰下げ受給を行う

年金の受け取りを66歳以降に繰り下げることで年8.4%の増額になります。70歳まで繰り下げれば、42%の増額になりますそうすると70歳以降の年金額が約341万円になります(2022年4月以降は75歳まで繰り下げ可能。最大84%増額になります)。

年金の繰下げ期間の生活費は、老後資金の2000万円を使います。だだし余裕資金がなくなってしまうので、少しずつ節約をして、貯蓄を増やすようにしてください。普段の生活費はまかなえても、介護など、もしものことがあった時には、必ず余裕資金が必要になります。最低でも400万円(できれば800万円)は準備しておきたいものです。

PayPay証券

まとめ

老後破綻にならないための方法を紹介しましたが、何よりも大切なのは、早めに気づくことなのです。つまり、ふだんから老後生活の「収支のバランス」を気にしていると、家計の状態がわかってきます。逆に「収支のバランス」を気にしない悪習慣の人は、老後破綻の足音に気づきません。もしかしたら、知らない間に老後破綻が忍び寄っているかも知れませんよ。くれぐれも気をつけてくださいね。

長尾 義弘 NEO企画代表

ファイナンシャル・プランナー、AFP、日本年金学会会員。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『お金に困らなくなる黄金の法則』『最新版 保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)。監修には年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

関連するみんなのマネー相談(FP Cafe)

育児休暇中の内職ってしてもいいの?

家計・ライフ京都府 いいね 4
2015/12/04

現在会社を育児休暇中の母です。私が今回質問したいのは、育児休暇中に内職をしてもよいか、ということです。
私は十分な貯金がないまま子供を出産したので、旦那の給料のみではいずれ家計が苦しくなること...

マネー相談の続きを見る

現在、公営住宅に住んでおります。
世帯収入が低いので月々のお家賃は駐車場込みで32000円ほどです。
3LDKで、まぁまぁ綺麗ですし住む事自体には満足ですが、度々入ってくる住宅販売の広告を見...

マネー相談の続きを見る

転勤族は何時まで付いていくべき?

家計・ライフ岡山県 いいね 0
2015/06/15

私は30代主婦なのですが、我が家には4歳、3歳、0歳の3人の子供がいます。
旦那は世に言う転勤族でして、全国何時何処に異動になるか分かりません。

何度か子供を保育園に預け、私自身も働いて...

マネー相談の続きを見る

閉じる
FP Cafe® お金の相談をするなら、一生涯の「お金の相談パートナー」へ