21/04/29
公務員は給与いくらもらっている? 都道府県・市区町村別の公務員平均給与ランキング
昨今のコロナ禍で、民間企業では休業や賃金カットなどが行われ、不安定な状況を余儀なくされるところが出るなど、大きな影響が出ています。それに対して公務員は、安定しているイメージがあるのではないでしょうか。安定・安心を求めたい気持ちがあれば「公務員がいい」と感じる方も多いことでしょう。そこで今回は、都道府県ごと、市区町村ごとの公務員の給与について紹介します。
公務員給与はどう決まる?
総務省が公表した「令和2年地方公務員給与実態調査」によると、全都道府県の平均給与月額は、41万3722円(平均給料月額32万4055円、諸手当月額8万9667円)となっています。給与の構成は、ざっくりとみると給料(80%)に対して、諸手当(20%)になっています。
給料部分は勤務年数をもと経験年数の熟練度を給料表の級・号級と組み合わせます。
基本的には、年功序列で決まり、長く勤務すればそれに応じて昇給するしくみです。一方、諸手当には、扶養手当・地域手当・住居手当・通勤手当・管理職手当など様々なものがあり、家族構成や生活背景などに合わせ調整されます。このような公務員の給与の構成は、民間企業でもよく見かける構成となっています。
公務員は、行政の仕事を担うため、給与など待遇に不満があってもストライキなどで業務を停止することはできません。しかし、そうならないよう、公務員の給与は、景気、民間企業の給与に適応した給与水準が確保できるよう調整されています。公務員の給与が安定・安心というのは、国民の生活を円滑にするサービスを提供するのが職務だからです。
47都道府県の公務員給与、もっとも高いところは?
データより、都道府県別公務員の給与ランキングを確認してみましょう。
●都道府県別・公務員の平均給与月額ランキング
総務省「令和2年地方公務員給与実態調査」より筆者作成
47都道府県の中で、平均給与月額のトップになったのは東京都で45万7147円。平均給料月額はどちらかというと低いほうなのですが、諸手当の金額が他の道府県より多くなっています。
2位は大阪府の43万8796円。3位は神奈川県の43万8190円と続きます。トップ10内には、7位に愛知県、9位に兵庫県と3大都市がランクインしています。一方、4位の徳島県43万4937円や5位の三重県43万2902円、6位の静岡県、8位の滋賀県、10位の山形県などの地方都市も、高い水準での平均給与といえます。
ちなみに、47都道府県の中で最下位は沖縄県の37万4243円。1位の東京との給与の差は8万2904円になります。
1741市区町村の平均給与月額
市区町村の平均給与月額のトップ10も見てみましょう。
●市区町村別・公務員の平均給与月額ランキング(トップ10)
総務省「給与・定員等の調査結果等<給与等の比較>市区町村」より筆者作成
1741市区町村の平均給与月額は、38万7746円(平均給料月額31万2460円、諸手当月額7万5286円)となっています。トップの神奈川県厚木市の平均給与月額は、平均よりも7万3175円多くなっています。細かな自治体でみると、大都市圏が優勢でした。
トップ10を見ると、都道府県ランキング1位の東京都からは武蔵野市(2位)、三鷹市(3位)、小平市(6位)、杉並区(7位)がランクインしています。同じく都道府県ランキング3位の神奈川県からは厚木市(1位)、逗子市(5位)、藤沢市(10位)がランクインしています。都道府県ランキング2位だった大阪府からは意外にもひとつもランクインしていません。
トップ10のなかで内訳の平均給料月額を見ると、もっとも高い9位の兵庫県ともっとも安い7位の杉並区では2万6300円の差があります。それに対して諸手当を見ると、もっとも高い7位の杉並区ともっとも安い9位の三田市では2万8827円の差があります。平均給与月額との差ができる要因に諸手当が影響しているといえるでしょう。
まとめ
公務員の給与は、大都市圏と地方都市でも、給料部分には大きな格差はありません。それに対し、上乗せされる諸手当は地域によって大きく変わることがわかります。公務員の給与は勤務年数が大きなカギとなるため、早いうちから公務員としてのキャリアをスタートさせるのが有利になります。
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舟本美子 ファイナンシャルプランナー
「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー
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