21/01/29
最大リターンを得られる投資『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』
どんな仕事でも、体力のある健康な身体やストレスに負けない強い精神、集中力が必要です。疲れが取れない、気力が湧かない、体がだるいといったコンディションの悪さは、プライベートにも大きな影響を与えるもの。より長く働ける社会に変わりつつある人生100年時代、心身の健康はこれまで以上に大きな財産となり、新型コロナウイルスが急激に広がる中で改めてコンディションの整え方が見直されています。今回ご紹介する本では、その実践方法を教えてくれています。
多忙な現代人は栄養失調
食べ物がありふれている現代では、なんでも好きなものを食べられるため、つい好きなものを選んで食べがち。食事に気をかける暇がなく、とりあえず何かお腹に入れるという忙しいビジネスパーソンも多いでしょう。ただそこに落とし穴が存在します。
「三食しっかりとっているのにいつも疲労感があって物事に集中できない」という悩みを抱える人が少なくありません。コンビニやスーパーで売っている出来合いの加工食品は、便利で手軽ですが栄養バランスが悪く、空腹を満たすためだけの簡単な食事が続くと「現代型栄養失調状態」に陥ってしまいます。
この飽食の時代に栄養失調?と意外に思いますが、カロリーは飽和状態でも不摂生が続くと陥る現象。ビタミン・ミネラルといった必要な栄養素が不足し、いらないものが過多になる現代型栄養失調は、生活習慣病だけでなく心の病の大きな原因のひとつにもなります。精神を安定させる神経伝達物質が不足してうつ状態に陥りやすくなるのです。
食事は最大リターンを得られる投資
著者は「自分のためにできる最大リターンを得る投資は食事である」といいます。パフォーマンスを最大化するため、摂取するべき栄養素と避けるべき食品の知識を身につける必要があるというのです。
健康という資産を作る投資になり、心身のコンディションを最適化できる栄養価の高い食べ物は「納豆」「食物繊維」「魚」「野菜」「ココナッツオイル」「鉄分とビタミンB群」「DHEA」の7種。どれも一般的で、本にはレシピも掲載されているため、さっそくその日から食生活を改善できます。
忙しさで栄養が二の次になっている人も、生産性を上げるために毎日の食事を見直し、意識的に食品を選ぶようにしましょう。
食べない投資も大切
「何を食べるか」と同じくらい「何を食べないか」も重要です。
リスクの高い食べ物は「甘い飲料」「糖度の高い果物や野菜」「白い主食」「トランス脂肪酸」「高温調理された食べ物」「食品添加物」「有害金属」「過度な飲酒」。身体に悪いとされるものばかりですね。
特に現代人は糖質の取りすぎといわれます。糖質が高いものはおいしいので、つい食べ過ぎてしまいますが、取りすぎると糖尿病や動脈硬化、肥満を引き起こし、パフォーマンスの低下につながります。
とはいえ、糖質を摂ってはダメというわけではありません。がまんのし過ぎはストレスを生みますし、糖質と食物繊維からなる炭水化物を極端に避けると心身の不調につながります。自分の身体に必要な適量を知って量をコントロールすることが大切なのです。
日々の食生活を自分の力に変えていけるとはすてきなことですね。以前ご紹介した『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』と共通する点が多く、読みやすい内容です。
デザートのお菓子代わりにビタミン・ミネラルが豊富なフルーツを食べればヘルシーだと思っていましたが、最近の果物は甘く品種改良されて糖質が上がっているとのこと。食べ過ぎに注意です。
栄養という投資が足りない私たち。口にするものは全て自分磨きにつながると捉えて、意識しながら食べることが大切です。常に高いパフォーマンスを発揮したいビジネスパーソンのほか、健康に長生きしたいすべての人にお勧めしたい一冊です。
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小野寺 理香 おのでら りか
読書ブロガー。好きなジャンルは文学、歴史、アート。ふとしたきっかけで出会い、好きになったら長くつきあう……本との巡り合いは人と同じ。時に味わう〝がっかり〟も、読書のおもしろさのひとつです。ここでは、よりすぐりのすてきな本をお届けします。
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