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21/01/19

相続・税金・年金

年末調整の間違いで損していることも。年末調整のやりがちなミスと対処法

いよいよ確定申告のシーズン到来!ですが、会社員は多くの場合、原則確定申告をする必要はなく、会社が年末調整の計算を行います。そして年末調整が終わると会社から源泉徴収票を発行してもらえますので、税金関係は完全に会社任せで無頓着という方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、この源泉徴収票、しっかりと金額欄まで確認していますか?会社から発行される源泉徴収票の金額に誤りがあるなどと疑う人は、少数派だとは思いますが、年末調整でミスが起きた結果、源泉徴収票に記載されている金額が間違っているというケースは案外あるものです。でも年末調整が終わってしまっているし、その後の対処法はどうしらたらいいのかわからない、という人もいるでしょう。そこで今回は、年末調整でミスがないかを調べる簡単な方法と、ミスが起こった場合の影響と対処法についてお伝えいたします。

年末調整が間違っていることもある?

年末調整とは、会社から支給される給与所得の所得税額を計算する手続のことを言います。
毎月の給与支払い時にはおおまかな税額が天引きされています。この税額はあくまでも概算であって確定した金額ではないため、年末の時期(一年間の給与が確定するタイミング)に生命保険料控除や住宅ローン控除などを入れて再度税額を計算し直し、追加徴収なり還付なりの調整を行うことを年末調整といいます。1ヶ所しか給与所得がない人は、この年末調整だけで所得税額が確定しますので確定申告の必要がありません。会社では10月から12月にかけて、年末調整を行っていると思います。

年末調整のやり方は会社によって若干変わるかもしれませんが、従業員に年末調整のための書類を記載してもらって会社側でチェックし、ソフトへ入力するという方式をとっているケースが多いと思います。とはいえ、チェックするのは人なわけですから、それは人的ミスが発生してもおかしくはありません。また、会社側のソフトへの登録ミス以上に、従業員サイドの申告ミスもありえます。

特に税額に影響が出やすく、ミスが起こりやすい例には次のようなものがあります。申告時にしっかりと自分で申告漏れや誤りがないか確認し、まずはミスを未然に防止することが大切です。

●年末調整の申告時にやりがちなミスの代表例と自分でできるミス防止策

上記の控除の申告が誤っていた場合、12月の給与とともに支払われる年末調整額(支払い過ぎた所得税の還付金)に影響があります。

源泉徴収票の金額が合っているかは簡単にセルフチェックが可能!

税金関係は、完全に仕組みを理解するのも大変ですし、計算も難しいです。そこで一番おすすめなのが、国税庁のホームページにある確定申告書作成コーナーを利用する方法です。確定申告書等作成コーナーには、画面の案内に従って金額等を入力すれば税金の自動計算をしてくれる機能があります。これを、確定申告をしない方であっても便利な検証ツールとしてとして利用すればいいのです。

そこで、「確定申告書等作成コーナー」でできる簡単なセルフチェック方法をご紹介します。まずは、パソコン(スマホ・タブレットでも可)とご自身の源泉徴収票を手元に準備しましょう。

①確定申告書等作成コーナーは、国税庁ホームページにあります。作成コーナートップ画面から「作成開始」をクリックします。

②税務署への提出方法の選択画面は、計算結果をシミュレーションするだけなので「印刷して提出」を選択します。

③作成する申告書等と年分の選択画面では、「該当の年分」と「所得税」を選択します。

④あとは、ガイドに沿って源泉徴収票の記載の金額のとおりに項目を埋めていくだけです。
この際に各種所得控除の申告漏れがないかも同時に確認することができます。

⑤計算結果確認で「納付する金額は、0円です。」と表示されれば 源泉徴収票の金額は正しいことが分かります。

源泉徴収票の金額が間違っていたらどうする?

もし源泉徴収票の金額が間違っていたら、どうすればいいのでしょうか。各種所得控除の申告漏れが後で分かった場合と、会社側の入力ミスがあった場合とで、対処法が違います。

●各種所得控除の漏れがあった場合

従業員側の申告漏れ(出し忘れ)が分かった場合は、発行済の源泉徴収票をもとに所得控除などを追加して確定申告をすればOKです。残念ながら会社では年末調整のやり直し、という形で対応できません。各種控除の漏れがある源泉徴収票をもとに確定申告をすれば、多くの場合は還付を受けられます。

●会社側の入力ミスがあった場合

各種所得控除の金額が申告通りになっていない場合や給与の支払金額(総支給額)や源泉徴収税額が本来の数字と異なっているという場合は、完全に会社サイドの入力ミスのパターンです。そのような場合は、支払金額や源泉徴収税額を訂正した源泉徴収票を会社に発行してもらい、訂正後の源泉徴収票をもとに確定申告をします。

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還付金が少額でも確定申告はした方がいい!

たまに「いくらでもない還付金はいらないです。それでも確定申告はしないとダメですか?」と聞かれることがありますが、所得税の還付金は少額でも、所得金額は翌年の住民税の計算や保育料の算定基準(区分)にも影響するので、結果的に大きな損失となる可能性があります。少しでも所得を減らすことができる所得控除を活用することで、住民税の所得割を下げることができ、保育料の区分が一つ下げられるかもしれないのです。

毎月かかる保育料が安くなるのは子育て世帯には大きなメリットですよね。手間だからといって確定申告をやらないと日々の節約が報われない形になってしまうかもしれません。ギリギリのところで保育料区分が上がってしまっている場合は、多少面倒でも確定申告を行う価値は十分にあると思います。

まとめ

会社員として生活をしていると、納税という行為は会社が代わりに行ってくれるため、あまり意識をすることはないでしょう。しかしながら、会社員であっても自身で確定申告を行うことで、払いすぎた税金が戻ってくる金銭的なメリットのほか、年末調整や確定申告の仕組みを理解することにもつながります。自分が納税している意識を持つためにも源泉徴収票の年に1回のセルフチェックを是非おすすめいたします。

KIWI ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士

長年、金融機関に在籍していた経験を活かし、個人のキャリアプラン、ライフプランありきのお金の相談を得意とする。プライベートでは2児の母。地域の子どもたちに「おかねの役割」や「はたらく意義」を伝える職育アドバイザー活動を行っている。

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