20/09/13
紙の通帳が1100円! ウェブ通帳に切り替えるメリット・デメリット
銀行に口座を作ると、紙の預金通帳がもらえます。一見当たり前のようですが、今後は当たり前ではなくなるかもしれません。みずほ銀行が2021年1月から通帳発行料を取ることを発表したからです。今回はその概要と、紙の通帳からネットで使えるウェブ通帳(ネット通帳・デジタル通帳)に切り替える方法、ウェブ通帳のメリットやデメリット、便利なサービスについて解説します。
紙の通帳が有料化 みずほ銀行では1,100円
みずほ銀行が2021年1月から紙の通帳を発行する際に1,100円の手数料を取ることを発表しました。また、紙の通帳を繰り越すときにも1,100円かかります。
対象は、普通口座や定期口座を2021年1月18日以降に開く個人・企業ですので、すでにお持ちのみずほ銀行の通帳には手数料はかかりません。また、70歳以上の人も手数料はかかりません。
実は、他の銀行でも紙の通帳の有料化は検討されています。りそな銀行の南昌宏社長も紙の通帳の有料化は「選択肢の一つだ」と発言しています。
というのも、紙の通帳には1口座あたり年間200円の印紙税に加え、印刷費や管理コストなどの経費がかかるからです。業界大手のみずほ銀行が紙通帳の有料化を発表したことで、今後他の銀行にも同様の動きが起きる可能性があります。
ウェブ通帳への切り替えは、インターネットバンキングから
紙の通帳でなく、ネットで残高の確認ができるウェブ通帳であれば、手数料はかかりません。多くの銀行では、紙の通帳からウェブ通帳への切り替えを推進しています。
ウェブ通帳への切り替えは、以下の手順で行います。
1.各銀行の公式サイトや郵送でインターネットバンキングに申し込む
2.インターネットバンキングにログインし、ウェブ通帳に申し込む
例えば、みずほ銀行の場合、まず「みずほダイレクト」というインターネットバンキングに申し込みます。その後、「みずほダイレクト」にログインし、「みずほe-通帳&みずほダイレクト通帳」の申込みをすれば、みずほダイレクト通帳(=ウェブ通帳)が利用できます。
ウェブ通帳を利用する3つのメリット
紙の通帳からウェブ通帳に切り替えると、大きく3つのメリットがあります。
●いつでもスマホやパソコンから入出金明細が確認できる
ウェブ通帳に切り替えると、スマホやパソコンから入出金明細を確認できます。みずほ銀行・三菱UFJ銀行では最長過去10年間、三井住友銀行の「Web通帳」は最長30年間の取引明細を確認できるので便利です。
●通帳の紛失や記帳をする必要がなくなる
ウェブ通帳に切り替えれば、インターネットから取引明細を確認できるので、通帳を紛失することがありません。また、通帳のコピーが必要な場合も、通帳の表紙のイメージを印刷できます。一方、紙通帳は、通帳を紛失すると再発行に手数料がかかるため、通帳の保管には気を配らなければなりません。
●手数料無料・ポイントや現金のプレゼントキャンペーンもある
ウェブ通帳に切り替えるだけで、ATM手数料が無料になったり、ポイント・現金がもらえたりするキャンペーンもあります。
・主なキャンペーン
ウェブ通帳を利用する3つのデメリット
ウェブ通帳に切り替えるとさまざまなメリットがありますが、デメリットもあります。ウェブ通帳に切り替えた後に後悔しないためにも事前に知っておきましょう。
●ウェブ通帳に切り替えると紙の通帳は使えなくなる
ウェブ通帳に切り替えた場合、紙の通帳は使えなくなります。筆者も昨年三菱UFJ銀行のEco通帳に切り替えましたが、紙の通帳は一切使えなくなりました。窓口やATMでお金を下ろす際は、紙の通帳ではなくキャッシュカードを使わなければなりません。
ただ、あまり紙通帳を使わない人は、紙の通帳がなくなっても不便さを感じないでしょう。
●照会期間を過ぎると取引明細が確認できなくなる
ウェブ通帳にすると、一定の照会期間を過ぎれば、古い期間の取引明細を確認できなくなります。ただし、ウェブ通帳の照会期間は10年と長い銀行が多いため、不便さを感じる人は少ないですし、照会期間を延長できる銀行もあります。
●紙の通帳に戻すときは、窓口に行かなければ手続きができない
ウェブ通帳を利用したけど、やっぱり紙の通帳が良いと感じた場合、紙の通帳に戻すこともできます。そして、紙の通帳に戻す際は、わざわざ窓口に行き手続きをしなければなりません。さらに横浜銀行や千葉銀行などでは、紙の通帳に戻すと再発行手数料として1,100円かかります。
ウェブ通帳の便利なサービス!
ウェブ通帳を利用すれば、紙の通帳よりも便利なサービスを受けられます。
●カレンダー機能
三井住友銀行の「Web通帳」には、カレンダー機能が備わっています。アプリで設定を行うだけで、給料日や公共料金の支払日を登録でき、支払い忘れを防げます。また、アプリにログインするだけで、カレンダーに自動的に入出金明細が登録されます。通帳を見なくても入出金の記録を確認できるので便利ですね。
●24時間いつでも取引明細の確認ができる
「銀行にどのぐらいのお金が入っているか確認したい」「給料がいくら入ったのか知りたい」という場合、これまでは、コンビニや銀行のATMまで行って確認をしていた人も多いかもしれません。
しかし、ウェブ通帳なら自宅や帰宅途中でもスマホやパソコンからかんたんに取引明細の確認ができます。筆者もすぐに取引明細を確認したい時に、すぐに確認できるので、とても重宝しています。
●家計簿をつけるときにも便利
大手金融機関のウェブ通帳では、取引明細をダウンロードできるものもあります。ダウンロードしたデータをエクセルなどにまとめることで、家計簿をつけるのも楽にできます。金融機関によっては、資産や借入状況のレポートを確認できる機能がついているので、かんたんに現在の収支を確認できるのです。
まとめ
みずほ銀行の紙通帳有料化を契機に、今後は他の金融機関もこの動きに追随する可能性があります。紙通帳の廃止は、金融機関にとっても、経費削減につながるため、ウェブ通帳に切り替えれば、ポイントや現金がもらえたり、手数料の優遇をうけられたりします。
取引明細をスマホやパソコンから確認でき、毎月の収支計算も楽になるので、ウェブ通帳の切替キャンペーンのあるうちに切替をおすすめします。
【関連記事もチェック】
・銀行の営業時間はなぜ平日15時までなのか? 15時以降や土日祝でも使える銀行も紹介
・同じ銀行に複数の口座が持てないのはナゼ? 使い勝手のよい4つの銀行も紹介
・ゆうちょ銀行と普通の銀行って何が違うの? ゆうちょ銀行を持つメリットはあるのか
・プロが本気で選んだiDeCo(イデコ)のおすすめ金融機関はコレだ! 4つのポイントで銀行・証券会社を徹底比較【Money&You TV】
小栗健吾 現役のFXトレーダー及びWEBライター
地方の大学を卒業後、会社員を経て、WEBライターとして活動中。FXや仮想通貨の取引経験(FXは8年以上)があり、現役トレーダーの目線で記事を多数執筆している。また、現在はFXだけでなく、「キャッシング」「副業」「節税」などマネー系の記事も多く執筆している。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう