20/08/28
同じ銀行に複数の口座が持てないのはナゼ? 使い勝手のよい4つの銀行も紹介
ひと昔前までは、同じ銀行で複数の普通預金口座を持つことができました。しかし、最近では、ひとつの銀行で開設できる口座は一つだけです。もし、口座を複数持つことができたら、口座を目的別に管理することができ、お金を移す手間や手数料の心配もなさそうです。しかし、どうして同じ銀行で複数の口座を持てないのでしょうか。今回はその理由についてまとめました。あわせて、お金の移動にかかる手数料を節約する方法を紹介します。
同一銀行で複数の口座を開設できない3つの理由
「いつも使う生活口座以外で、別の口座を作りたいな」と思うことはありませんか?そんな時は、一般的に職場や自宅に近い銀行が思い浮かびます。しかし、たまたま近くにある銀行でも、支店が違うだけで同じ銀行であれば、新しい口座を作ることはできません。というのも、ここ最近どの銀行でも、個人で開設できる口座は、原則「1人につき1店舗・1口座」になっているからです。以前であれば、口座開設は、どこでも作れていましたが、最近はいろんな理由から、安易な口座開設はできなくなりました。詳しい理由には以下の3つがあります。
●理由1:手続きミスなどを防ぐため
銀行に口座が1つしかなければ、振り込みなどの手続きはスムーズにできます。しかし、口座が複数あると、手続きで名前を照会する際に、同じ名前が多数出てくることになります。たとえば引っ越しなどにより、最寄りの銀行で新しく口座を作ってしまったという場合には、同じ人の口座なのに住所がバラバラということになり、どれが正しいのか紛らわしくなりますし、本人確認に時間がかかってしまいます。
また、同じ名前の人が別に存在する場合もあり、間違って入金・出金してしまうというトラブルが起こる可能性もあります。口座を1つに限定することで、このような手続きミスを防ぐことができます。
●理由2:休眠口座を増やさないため
現状、私たちは無料で銀行口座を持つことができますが、銀行では口座を管理するためのコストがかかっています。もし、複数の口座があってもあまり活用されず、眠ったままの休眠口座になってしまっても、存在すれば管理が必要になり、人件費やシステム費用などが増加します。銀行にとっての手間、ムダをなくすのも大事なことです。
●理由3: 金融犯罪の温床を避けるため
近年、お金を奪おうとするさまざまな犯罪が発生しています。たとえばインターネットやダイレクトメールでも、「おこづかい稼ぎをしませんか」「手軽に高収入を得られるバイトがあります」などと口座売買を勧める手口が見られます。どうせ使わない口座だからと、うっかり売買すれば、振り込め詐欺、ヤミ金業者の不正なお金の流用、ネットショッピング詐欺などさまざまな犯罪につながるリスクがあります。
このように、さまざまな理由で、複数の口座を作ることができません。昔と今では、社会背景が変わってきているのが影響しているようです。
手数料がお得で使い勝手のよい銀行4選
複数の口座でお金を効率的に管理するためには、メインの口座の銀行とは別の銀行にサブ口座を作ることになります。そうなると気になるのが、さまざまな手数料。1回あたりはさほどでもないと思っていても、継続して利用することになるため、手数料はなるべくかからないようにするのがベターな選び方です。
また、支店やATMが近所にあるなど、日常の行動範囲の中で使い勝手のよい銀行を選ぶことも大切です。
今回はたくさんある銀行の中から、手数料が安く、気軽に利用できる銀行を4つ紹介します。
①ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行は、基本的に手数料を気にする必要がなく、利便性の高い銀行です。
郵便局がベースのゆうちょ銀行の窓口は、全国24,000もあります。ですので、将来結婚や転勤、その他ライフスタイルの変化で引っ越したとしても、手続きに困ることがありません。また、ATMで現金の入金、引き出しをする際は、曜日・時間帯にかかわらず手数料無料で利用できます。
郵便局のATMが閉まっていた場合は、ファミリーマートに設置されている「ゆうちょATM」を利用すれば、24時間いつでも入出金の手数料は無料になります。
②三菱UFJ銀行
3大メガバンクのひとつ、三菱UFJ銀行は、三菱UFJフィナンシャルグループ傘下の都市銀行です。口座を開設する際に「スーパー普通預金(メインバンクプラス)」を選ぶと、会員向け優遇サービスを受けることができます。
スーパー普通預金(メインバンクプラス)には、取引内容によってホワイトステージ、シルバーステージ、プラチナステージの3つのステージがあります。どのステージでも三菱UFJ銀行のATMを利用したときに手数料無料になるほか、ステージが上がると提携先のコンビニATMの手数料が月2~3回無料になったり、他行宛の振込手数料が月3回無料になったりします。メガバンクは都市部在住の方が利用するイメージがありましたが、地方在住の方でも使いやすい銀行です。
③楽天銀行
2020年6月にネット銀行では最大の900万口座が開設されたネット系最大手です。楽天銀行には「ハッピープログラム」があります。銀行に預けた資産の残高や利用状況などにより、ベーシック、アドバンスト、プレミアムVIP、スーパーVIPの5つのランクに分類され、ATMの利用手数料が月に最大7回まで無料に。上のランクになると他行振込手数料も最大月3回まで無料になるほか、楽天ポイントの獲得倍率も最大3倍までアップする優遇も受けることもできます。
楽天銀行は、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなどコンビニやイオン銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行のATMでいつでも出金できるお手軽さも大きな魅力となる銀行です。
④イオン銀行
イオングループの銀行です。「イオン銀行Myステージ」では、利用状況に応じてイオン銀行スコアが貯まります。そして、イオン銀行スコアに応じてブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナのステージが決定。ステージごとに他行のATMでのお金の出し入れが最大月5回まで無料、他行宛振込手数料も最大月5回まで無料になります。さらに普通預金金利も最大で年0.10%までアップします(2020年8月10日現在)。
イオン、ミニストップ、ダイエーなどに設置されているイオン銀行のATMでは、いつでも無料でお金を出し入れできます。また、提携金融機関であるみずほ銀行、三菱UFJ銀行では、平日8:45~18:00の間、手数料無料で利用できます。
イオンの店舗は年中無休で営業しているため、休日に食品などの買い物と併せて利用できます。日常的な生活の中に銀行機能があり、便利に活用することができる銀行です。
まとめ
同じ銀行で複数の口座を持ち、うまくやりくりをする…ということは残念ながらできません。しかし、各銀行が用意している手数料の優遇サービスを利用すれば、手数料の負担をなくしつつ、スムーズにお金をやりくりできるでしょう。ぜひ自分に合った銀行を探して、使ってみてください。
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舟本美子 ファイナンシャルプランナー
「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー
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