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19/08/04

家計・ライフ

1000万円以上の所得がある世帯の割合はどのくらいか

参議院選挙が終わり、7年目の安倍政権が一定の支持を得て、過半数以上の議席を確定させました。経済政策を第一に掲げた同政権が今後も続くと思われる中、みなさんの家計は株式指数と同じような、上昇をたどっていますか?
今回は、今の日本の一般家庭のリアルな所得金額を確認してみたいと思います。

平均値551万円と、中央値423万円のギャップ

厚労省が発表した「2018年 国民生活基礎調査」によると、2017年の「全世帯」1世帯あたりの平均所得額は551万6千円でした。「高齢者世帯」に限ると平均334万9千円、「児童のいる世帯」に限ると743万6千円でした。
全世帯の過去10年の対前年比は、-2.1%~+2.7%の間で増減している状況です。

2018年国民生活基礎調査(厚生労働省)HPより

しかしこう紹介すると、「なんだか金額が多く感じる」という方もいるでしょう。
それもそのはずです。平均値は、年収の高い人も少ない人もすべて合計するため、金額が極端に高い人の影響を受けやすいのです。金額が多く感じるのは、そのためです。

2018年国民生活基礎調査(厚生労働省)HPより

1000万円以上の所得がある世帯は12.2%。主にこの世帯が平均値を大きく引き上げる一方で、全体の62.4%の所得はこの平均値以下になっています。

全体のちょうど真ん中の人の金額を表すのは「中央値」です。中央値は名前のとおり「真ん中の数値」を指す値です。
平均値は551万6千円でしたが、中央値は423万円。実に約130万円もの違いがあるのです。

生活が「苦しい」と答える57%の日本人

とはいえ、所得額はあくまで過去の「金額の推移」です。この調査結果を知るうえでより大切なのは、その背景で暮らす人々の「暮らしぶり」や「実感」であるはずです。同調査では世帯の生活意識についても質問しています。

2018年国民生活基礎調査(厚生労働省)HPより

生活に「大変ゆとりがある」「ゆとりがある」と答えた人はわずかに約5%。残念ながら2018年現在の日本では、このグラフが示すように「苦しい(大変苦しい・やや苦しい)」が57.7%にものぼることがわかります。児童のいる世帯では全世帯平均を上回る62.1%が同様の回答をしています。

筆者が日ごろ相談を受けていて感じるのは、やはりグラフが示すように、教育費の負担がかかる子育て世帯、一般家庭と呼ばれる世帯の多くが経済的に「余裕がない」ということです。

本来であれば、教育費の積み立てと自身の将来の老後生活に備えた準備(資産形成)を、同時並行で行いたいところです。しかし、時間的な猶予からは教育費の問題を先に解消する必要があります。
そのため、子育てがひと段落した頃の年齢から資産形成を始めると、運用期間は残り10年~15年程しかないというのが、今の日本の実態です。

お金を貯めるより増やす意識が大切

この状況下で生活を守るために、私たちはどうしていけばいいのでしょうか。
過去に長く続いたデフレの時代には「節約」という言葉が流行しました。しかし、消費税増税も控えて物価が緩やかに上昇していくと考えられる今、お金をただ貯めるだけなのは賢明ではありません。

そこで重要なのが「お金を運用する」ことです。
月数千円からでも、コツコツ時間をかけて運用する方法であれば、一般家庭の人にも、そして何より若い人にもはじめる事ができます。
重要なのは「時間をかけて複利で運用」することですので、結婚や出産前の、比較的家計に余裕のある時期にはじめる事がポイントです。

また、「収入を増やす」ことも大切です。
何を当たり前のことを言っているのだと思われる方がいるかもしれませんが、所得の源泉を複数にする事がポイントです。
月に数万円からでも構いません。今の収入源以外のところから所得を得続けることができれば、収入は単純に増加します。また、そこで得られた今以上のスキルや人脈は、やがて大きな実りになる可能性を持っています。

自分の人生を「平均値」にするのか、それ以上にするのかは、読者の皆さんの行動次第とも言えそうです。今後もお金について、積極的に考え、学ぶ姿勢を続けてください。

佐々木 愛子 ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅰ種

国内外の保険会社で8年以上営業、証券IFAを経験後、リーマンショック後の超低金利時代、リテール営業を中心に500世帯以上と契約を結ぶ。FPとして10代のうちから金融、経済について学ぶ大切さを訴え活動中。

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