18/07/09
モバイル決済利用率 日本とアメリカ・中国との違いは?
スマートフォンやタブレットの普及とともに、モバイル端末を使った決済方法が増えてきています。
現金を持ち歩かなくてもいいことや、使った記録が残ることなど便利なモバイル決済です。
今回は、実際にどのくらいの人が利用しているのか、また利用していない人は何故利用していないのか、さらに今後はどのような決済方法が主流となって行くのか資料をもとに解説して行きます。
モバイル決済はみんな使っている?
モバイル決済というのは簡単に説明するとスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を使って決済する方法です。
使い方は、まずスマートフォンなどのウォレット(財布)と呼ばれる機能にクレジットカードのほか、デビットカードや電子マネーなどの情報を入力しておきます。そして支払は、お店の専用端末にかざすだけです。
代表的なものはアップルのApple PayやGoogleのGoogle pay、アリババのAlipayなどがあります。
店頭での支払いがスムーズであるため、利用者も増えている印象があるのですが、実際にはどれだけの人が利用しているのでしょうか。
日本銀行が2017年6月に発表した調査レポート「モバイル決済の現状と課題」を見てみると、お店でモバイル決済の利用率は日本では6%とまだまだ少ないことがわかります。
モバイル決済の普及は国によって大きな違いがある
モバイル決済の考え方や普及率はそれぞれの国によって様々です。同レポートを見てみると、お店でのモバイル決済の利用率は日本では6%でしたが、アメリカでも5.3%とあまり高くないことがわかります。
しかし、中国では98.3%の人が、アフリカのケニアでも76.8%の人がモバイル決済をしたことがあると答えています。
このことからも銀行の店舗や、ATMの設置など、ベーシックな金融のインフラがあまり整備されていない新興国で、モバイル決済が急速に拡大していることがわかります。日本ではコンビニにATMが設置されていることからいつでも簡単に現金を引き出すことができますので、現金で支払う習慣が根強く残っているようです。
モバイル決済の利用率はなぜ低い?
日本やアメリカなどが共通して利用率が低いのは、セキュリティやスマートフォンなどを紛失したときの不安が大きいようです。同レポートによれば、日本での調査で「店頭でモバイル決済を利用しない」と答えた人の約半数が、「セキュリティ・紛失時の安全性に不安がある」と、その理由を挙げています。アメリカでの調査では約7割にも上っています。
また、今まで店頭での現金決済が主流だったことでそのことにあまり不便を感じてもいないようです。同レポートでは、約4割の人が「支払は現金でしたい」と答えています。
つまり、店頭での決済手段としては現金派の人が多いということです。
手元に現金を持っていなくてもいいことや、ATMで現金を引き出しに行く手間、また時間外や提携ATM以外で現金を引出した時の手数料、加えてクレジットカードのスキミングのことを考えれば、モバイル決済の方が利便性はいいはずなのですが、それ以上にセキュリティに対する不安や、情報の漏洩などを問題に考えている人が多いため現金での決済と比較するとモバイル決済を利用する人が少ないようです。
まとめ
現金を持ち歩かなくても済むことや、使った金額が管理しやすことなどモバイル決済にはとても便利なことが多いのです。しかし、まだ多くの方が利用してはいません。
今後、スマートフォンなどの個人認証機能も強化され、セキリティに関して不安がなくなれば、モバイル決済が増えて行くのではないでしょうか。
黒須 かおり
ファイナンシャルプランナー CFP®
女性を中心に、一生涯を見守るFPとしてmoney&キャリアのコンサルティングを行う。幸せになるためのお金の知識など幅広い資金計画とライフプランのアドバイスを手がけている。金融機関にて資産形成のアドバイザーとしても活動中。FP Cafe登録パートナー
記事提供:moneliy
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