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24/10/02

資産運用・経済

【知らないと損】「海外赴任先でもNISA利用可」の4つの落とし穴

【知らないと損】「海外赴任先でもNISA利用可」の4つの落とし穴

NISA(ニーサ、小規模投資非課税投資)は、運用益が非課税になるおトクな投資の制度です。
ただし、利用できる対象者は18歳以上の日本国内に住んでいる人限定。
海外赴任をしたら、NISAの利用を続けるのは実質的に難しい状況が続いていました。
ところが昨今、海外赴任先でもNISAの利用ができるようになってきています。
今回は、海外赴任先でNISAを利用する場合についてお伝えします。

海外赴任先でもNISA利用可能

NISAは日本国内の制度であり、利用できるのは日本国内に住んでいる人が対象です。
制度が始まった頃は、海外赴任などで日本国内に居住しない人は、NISA口座は解約するしかありませんでした。

しかし、2019年の税制改正により、最長でも5年の海外赴任であれば、NISAを利用することが可能になりました。
とはいえ、対応している金融機関はわずかで、実質的に利用は難しい状況でした。

ところが、2024年8月15日付の日本経済新聞によれば、大半の金融機関が、海外赴任者のNISA利用に対応することになる見通しとのことです。
対応する金融機関は以下のとおりです。

【すでに対応済み】

・野村証券
・大和証券
・SMBC日興証券
・三菱UFJモルガンスタンレー証券
・みずほ証券
・松井証券
・三菱UFJ銀行

【拡充予定】

・楽天証券(国内株式のみ継続可能だが、2024年秋ごろに商品拡充)

【今後対応予定】

・SBI証券
・三井住友銀行
・みずほ銀行
・auカブコム証券
・マネックス証券(2024年9月12日報道)

対応する時期は、各社それぞれにばらつきがあります。
野村証券や大和証券、三菱UFJ銀行などはすでに対応していますが、SBI証券は2025年1月から、マネックス証券は2025年春からの予定です。
また、海外赴任中のNISAで利用できる金融商品やルールについても、各社ごとに決められます。実際の利用時には、金融機関の取り扱いについてはしっかり確認しましょう。

海外赴任先でNISAを利用する場合の注意点

では、海外赴任先でもNISAを利用し続ける場合の注意点を見ていきましょう。

●海外赴任先でのNISA利用の注意点1:海外赴任前に手続きが必要

海外赴任先でもNISAを利用するには、出国日前日までに口座を開設している金融機関に「継続適用届出書」を提出します。
書類を出さずに出国してしまうと、NISA口座の資産は一般口座に移されてしまいます。
海外赴任前は多忙なことと思いますが、手続きを忘れないようにしてください。

●海外赴任先でのNISA利用の注意点2:新たな投資はできない

海外赴任中は、NISAを利用して新規の投資はできません。
積立投資している場合は、出国するまでに積み立てた分はNISA口座で運用されますが、新たな積み立ては、帰国するまではいったんストップされます。
海外赴任中に利用できる商品については、金融機関によって違いがあります。

●海外赴任先でのNISA利用の注意点3:5年後の年末までに帰国の手続きが必要

帰国したら、「帰国届出書」を提出します。提出先は、口座を開設している金融機関です。
手続きをすれば、帰国後も引き続きNISA口座を利用できます。
しかし、出国してから5年後の12月31日を過ぎても帰国届出書を提出しない場合には、NIISA口座は自動的に廃止され、課税口座に払い出されてしまいます。
せっかく保有し続けたNISA口座、帰国後も忘れずに手続きをしましょう。

●海外赴任先でのNISA利用の注意点4:社命による海外赴任が対象

海外に住んでいてもNISA利用ができるのは、「給与等の支払をするものからの転任の命令等の理由により出国をして非居住者となった場合」です。(日本証券業協会のQ&Aより)
つまり、社命による海外赴任が対象。
留学や移住などは対象ではありませんので、注意してください。

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今後も制度の改正は要チェック

グローバル展開する企業が増え、海外で活躍する人も今後ますます多くなってくると思われます。それに伴って、海外赴任をする人の投資について、制度が変わる可能性は決して小さくないでしょう。

企業によっては、海外赴任をする人に対して、NISA口座のこともレクチャーしてくれるところもありますが、自分自身でも情報を集めるよう心がけておきたいものです。

タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)

36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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