17/12/05
契約前に必ず覚えておきたい!医療保険の「180日ルール」とは?
もしものときに備える保険。長生きすればするほど心配事も増えてきます。将来の長生きリスクに備えて医療保険を検討する際に知っておきたいのが、1入院あたりの支払限度日数です。
入院にかかる日数はどのくらい?
主な疾病の平均入院日数を見てみましょう。全年齢の場合、がん全体では18.7日、心疾患で20.3日、脳血管疾患で89.5日というデータが出ています(厚生労働省「平成26年患者調査の概況」による)。医療技術の進歩により入院日数も短期化が進んでいます。
しかし、年齢が75歳以上になると、がんでは25.3日、心疾患で30.5日、脳血管疾病で116日、認知症のアルツハイマー病では257.6日という結果が出ています。年齢が上がるに従い、入院日数は長くなります。
入院の限度日数が短い場合に180日ルールに注意
厚生労働省のデータから長期の入院の可能性は低いからと、1回の入院限度額が短い保険の契約プランを選んだ場合には「180日ルール」に注意が必要です。
「180日ルール」とは、前回の入院から180日以内に同じ原因で再入院したときは、1回の入院とみなされるというものです。
たとえば、1入院あたり給付限度日数が60日の場合で初日から保険金が支払われる場合を考えてみましょう。50日入院した後に180日以内に30日入院した場合は、80日の入院とみなされ、再入院では10日しか入院給付金の支払対象になりません。
よって、再入院が起こりうることも踏まえ、保険料とのバランスを考えて加入するようにしましょう。
将来の医療費をどう考えるのかで保険の付き合い方も変わる
「人生100年時代」と言われるようになりました。みんな元気で長生きであれば問題ないのですが、そうとも限りません。また、病気には治せる病気と治せない病気とがあります。人生最終のときは入退院を何度も繰り返し、長期化することが多いものです。
高齢期には現役で働いているときとは違い、毎月の収入が限られています。将来は医療費の自己負担割合も変わるかもしれません。それから、医療費以外のおむつ代や差額ベッド代などの支出の可能性も頭に入れておくべきです。
高齢者の親を見て、自分が高齢になった時を考える
医療保険の契約は入院期間が短い「60日型」を選ぶ人が多い傾向にあります。若い人の入院では、十分対応できる契約だと推測できます。しかし一方では、親の入院が長期におよび、入院給付金が短くて困ったという話も耳にします。実際には病気が治っていなくても、最大3か月で転院させられています。そうした事情で、敢えて入院期間が長いものを契約する方もいます。
安心のすべてを保険に頼る必要はありませんが、最期の場面は医療です。医療保険の契約内容を確認するとともに、親御さんがいらっしゃれば、老後のもしもに備えてどういう医療を受けたいのか、費用面をどうするのかなどを聞いておく必要があります。
親を見れば、自分が高齢になった時のイメージも付きやすく、それに合わせて保険を検討しても良いでしょう。
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池田 幸代 株式会社ブリエ 代表取締役 本気の家計プロ®
証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不動産賃貸業経営。「お客様の夢と希望とともに」をキャッチフレーズに2016年に会社設立。福岡を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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